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「障がいの有無に関わらずお互いを尊重し合える共生社会の実現を目指す」理想を実現するために自分ができることはピエロだった。

こんにちは、先天性両耳感音性聴覚障害、等級は6級所持のダンボです。

オリンピック開会式閉会式オーディション募集志望動機を書いている途中、この機会に自身が考えているパフォーマンスの目的、理由を掘り下げることができましたので、お伝えします。

オーディション募集要項に

東京 2020 パラリンピック競技大会開会式、閉会式出演キャスト オーディション募集要項を拝見しますと、概要欄に以下の記載がありました。

「障がいの有無に関わらずお互いを尊重し合える共生社会の実現 を目指しています。障がいなど、生活上ご自身で何らかの制約があると認識されているパフォーマーの活躍する舞台の拡大を企図する」

https://tokyo2020.org/jp/games/ceremony/paraentertainer/data/ceremonycast-guideline_JP.pdf 

こちらの「障がいの有無に関わらずお互いを尊重し合える共生社会の実現を目指す」ためのお力になれるのではと感じたため、応募した次第です。

目指すエンターテイメントのあり方

私が目指すエンターテイメントのあり方は「耳の悪い人がアニメや映画、TVなどで使われる音楽の表現を理解できたときの“感動”を自分でも表現することで感動するための“きっかけ”を伝えていく」にあります。

私自身、障がい等級が6級と振り分けられており、音楽に興味がなく、歌謡曲も聞かない過去がありました。当時を振り返ると、以下のことを考えていたことがわかります。音楽を何も感じないから。クラシックは聞かない。だって、単調で分かんないから。テレビは字幕と声のみ。だって、バックミュージックが聞き取れないから、と音を聴くことについて諦めていました。

私がエンターテイメントに求めている事は、「音がなくても楽しめる」こと。

つまり、耳が悪い人にも目で観て、楽しんでもらえるエンターテイメントを創りたい想いがあります。形にするためにはどうしたらよいか、試行錯誤を重ねています。もちろん、音がある作品はとても素敵ですが、音を使わず、目に訴えかける作品…例えば絵画やプロジェクションマッピング、ドローンが魅せる集団演技などがあることを知っています。

喋らないピエロという選択

実際に私自身、道化(ピエロ)という道で、喋らず、身体で表現し、無言で人とつながる技術、コミュニケーションする技術を選び、活動をしています。

活動内容はサーカス公演の出演、他さまざまな公演の企画、演出をはじめ、さまざまな作品をつくってきました。そして、海外を舞台としたストリートパフォーマンスやショッピングモールのイベント出演をした経験があります。フィリピンではスラムの子どもたちに向けてパフォーマンス活動を中心にしました。

健常者も楽しめるレベルがベース

その経験から、耳が悪い人も楽しめる作品は健常者も楽しめるレベルであると考え、そのレベルまで達するためにはリズムが必要不可欠だと理解し、耳が悪い自分はどうしたら、リズム感をつかむことができるようになるか、リズムを再現することができるかを焦点において、これまで自身にトレーニングを課してきております。

中学生から大学2年生まで男子新体操を経験し、高校生時は団体種目でインターハイに出場経験があります。18歳から名古屋にある道化師集団に入団し、プロとしてピエロの在り方を学び、喋らずに伝える技術や考え方を学びました。

音楽がかけられたスピーカーを肌にあてて、肌を伝う振動でリズムを理解したり、メトロノームを使い、メトロノームが刻むリズムに合わせて動いてみたり、サーカス学校でリズムの授業を受けたり、ピアノをバイエル100まで練習したり、音楽記号を勉強したりしました。

結果、リズム感をつかめなかった私がリズム感をつかめるようになり、老若男女とさまざまな方に喜んでいただける活動に徐々に変化したように感じています。

また、言葉を使わないため、海外におけるパフォーマンス活動もたくさんの方に楽しんでもらえた結果にもなりました。

障がいはさえぎる何かでしかない

以上の経験より、障がいの有無に関わらずお互いを尊重し合える共生社会の実現は可能だと信じております。

そのためにオリンピックという舞台で私ができる最大限のパフォーマンスを発揮して、理想とする社会づくりの一端を担うことができれば、嬉しく思います。

そして、オリンピック後はより健常者や耳の悪い人の両者にも楽しんでもらえる活動(影絵を使った作品づくりや画家とコラボしたお絵描き教室などを取り組んでいきます。

どうぞ、よろしくお願いします。


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