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研究者という特殊なヒトを守れるか

あんたは宇宙飛行士のストレス実験の成果が出なかったってのがあって、国から出た費用が無駄になったってニュース見たかい?

ざっくりいうと、閉鎖空間で過ごすヒトが受けるストレスに対する研究ってことらしいんだけれども、どうもそのストレス判定方法の計画がずさんすぎて優位なデータが取れなかったってことらしい。

まあ、たしかに精神科という医療の分野でも、生化学的なデータで判定できる部分とそうじゃない部分があるわけだから、結果だけを見て「オマイラ何してくれてんじゃ」って騒ぐのはちっと違う気もする。

ただ、この話ってさ。
もうちっとメタ的に見てみると、俺たちが抱えている病巣みたいなものが見えてくる気がしないか?

今回は専門家の立場ってやつについて考えてみる回だ。

ちっと、俺たちが何を持って物事を判断しているのかってことを整理しておこうぜ。

なぜ実験計画はずさんになってしまったのか

記事を見てみると、どうも生理検査の部分ではなく、面接や精神心理テストの実施方法で数々の手抜きやミスってのがあったらしい。

つまりヒトがヒトを判断するプロセスに問題があったってことらしいんだよな。あまつさえ、結果の捏造なんてのもあったってことらしい。

そうなってくると、なんでそう言う手抜きやミスを組織として見抜くことが出来なかったのかって話になってくる。

想像するに、研究者ってのは自分の研究で手一杯で、他のヒトの研究の正当性をチェックするまで手が回らなかったってのがあるのかもしれない。

なぜそんなに手一杯なのか?

想像するにシンプルに人手が足りないからだよな。
なんで人手が足りないのか?

有能な人材がなかなか出てこないから?
違うよな。きっと。

単純に人手を雇うための資金が出ないからだよな。

日本の研究開発費を眺めてみる

対GDP比って観点で日本の研究開発費ってのを見てみると、こう言うサイトがあったんだよね。

ざっくり、日本は対GDP比って意味で行くと世界の上位にいるって言って良いと思う。

ところがミソはGDPそのものの推移だ。

このサイトによれば、日本のGDPの推移は横ばいって言うしか無いような状態になっている。

アメリカなんて、the右肩上がりなのにな。

これからわかるのは日本の研究開発費ってのは総額としては他国に比べてどんどん脆弱になっているって事実だ。

しかも対GDP比でも2020年では6位とそれまでの順位から下げている。

かつての技術立国日本は、もう過去の栄光にすぎないってことを数字が示しているってわけだ。

研究者に「失敗」を許せるのか

今回の事件で最もマズイって俺が思ったのが研究者が「捏造」をしたってポイントなんだ。

俺の感覚だと、研究者ってのは真実を探究するヒトのことだと思ってるんだよ。
利害関係とかそっちのけで、ただ真実だけを追い求めるヒト。

そんなヒトがだ。
「結果」を求めて「捏造」せざるをえない状況。
これこそがだ。
今の日本が抱えている問題の根っこの一つだと思ったりしないか?

要するに、俺たち庶民はさ。
目の前にある利益を取りに行くのに必死なわけじゃんか。

それはそれで必要な感覚だと思う。
俺たちのような大多数の庶民がそうやって暮らしていくことで経済は回っているわけだからね。

ただ、その庶民の生活の基盤となる知識ってのを手に入れる類のヒトも必要なんだよな。
それが研究者だと思うんだよ。

俺たちの生活は数え切れないほどの研究と、数え切れないほどの応用で成り立っている。

おそらく俺のような庶民がやっているのは応用の応用か、応用の流用だと思う。
つまり俺は先人たちの工夫を更に工夫したり受け継いだりしているってことだ。

そして、その工夫の元となる知識は研究者たちの純然たる知識欲から生まれている。

その研究者がだ。

「捏造」をしなければならなかった。
「失敗」を避けなければならなかった。

このことを俺たちはもうちっと真剣に考えなければならないのかもしれないな。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは研究者という特殊なヒトをどうやって存続させれば良いんだろうな?

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