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国民年金納付の延長

あんたは年金納付が5年延長されるってニュースを見たかい?

まだ検討開始だって話らしいけれど、検討開始の時期が悪手すぎる気がしてならない話だよな。

今はコスト・プッシュ・インフレが進行していて、物価が上がっているのに収入が上がらないという、ある意味では最も消費が抑制されるタイミングじゃんか。

そのタイミングで年金の負担が増えますよって話を出されたら、更に消費が冷え込んで、実質的なデフレが進んじまう。

とは言え、年金受給者が増えていて、現役世代が減り続けているから受給額を減らさざるをえないって話も聞く。

今回はこの国民年金ってやつについて整理しておこうって回だ。

まあ、確実に他人事じゃないやつだから考えておこうぜ。

国民年金の仕組み

まずは国民年金の仕組みがどう言うものなのかってことからだよな。

この厚生労働省サイトにも書いてあるけれど、年金ってのはざっくりいえば「働いているヒトからお金を集めて御老体にくばる」って仕組みだよな。

厚生年金の場合は企業が半分払ってくれているけれど、国民年金の場合はそう言う補助的なものがどこからも来ない。

それ故に、お金を集める対象のヒトが減り続けて、お金を配る対象のヒトが増え続ければ配るお金は減り続けるという道理なわけだな。

そこは理屈としては全く矛盾点はない。

年金受給額が減ると起きること

じゃあ、実際問題として年金受給額が減り続けたら何がおきるのか?

ぶっちゃけ、国民年金の受給額だけで生活することって不可能に近い。
なので自営業者のヒトについては実質的には60歳を超えたとしても普通に働き続ける必要があると思う。

とは言え、当然年齢を重ねることによる体調不良も増えるのが平均値ってやつだろう。

そして、医療費についても3割負担は70歳まで延長されてしまっているから、安心安全な老後生活ってのは望むべくもない。

当然そんな状況だから、60歳を超えたヒトの消費は落ち込むわな。

ぶっちゃけ、今はなんとかなる部分があると思う。
なんせ、今の高齢者のヒトが現役世代だったころはバブルだったわけなので、相対的に資産が大きい。

しかもデフレが続いているから、資産価値が目減りするようなことも起きない。
まあ、最近のコスト・プッシュ・インフレによって目減りしてるって要素はあるけれど、全体で考えれば影響は限定的だ。

なので、今現在は高齢者世帯がそれなりに消費を続けてくれているので、景気に大きな影響を及ぼす個人消費の落ち込みってのにはつながらないってことになっているように思うんだ。

今の現役世代が高齢者になるとき

でも、今の現役世代が高齢者になったときはどうだ?

ぶっちゃけ貯金することすらままならない世帯も多い。

このサイトによれば、年代別の平均貯蓄額ってこんなかんじらしい。


年代別平均貯蓄額(出典:上記サイト)

この数字を見てみると、40代までとそれ以降の貯蓄額の桁が違う。
そりゃそうだ。
非正規雇用が1994年以降増え続けているから、それにともなって個人に落ちてくる収入が減っているってことになる。
この年代別平均貯蓄額の表は2016年の資料らしいから、この資料の22年前から非正規雇用が増えていることになる。

つまりこの表の50代のヒトってのが27歳~37歳のころの話ってことだな。

その頃までは正社員として働くことが普通だったので、ある程度の資産を作り込む余裕があったってことなのかもしれない。

その理屈で行けば、今の現役世代が高齢者になったときには個人消費が落ち込んでしまうってことが予想されるよな。

そうなったら、ぶっちゃけ日本の経済がやばい話になるってのは誰が見てもそうだろう。

国民年金納付時期の延長

そんな状況の中で、将来の御老体に渡る金額が減るのは実にまずいってんで、国民年金納付時期を5年伸ばそうぜって話になっているわけだな。

流石に月々の国民年金保険料を上昇させちまうと、今この瞬間の景気に対する悪影響がでかすぎるってわけだ。

これさぁ。
通貨発行でしのごうとしたら何がおきるんだろう?

ものが年金だけあって、永続的に通過発行する事になっちまうから、インフレ率のコントロールが難しくなる。
かと言って、インフレ率が高くなったから年金受給額減らしますよってなったら国民の不満大爆発になるのは火を見るより明らかだ。

おう、詰んどる。

なので、オマイら働けるだけ働いとけって理屈になるわけだな。

でもさ。
企業側の雇用が不安定になり続ける世界で、御老体をきちんと雇える企業ってどんだけあるんだよ。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちを取り囲むこの状況の出口はどこにあるんだ?

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