”しるし”が入った本は本当にゼロ円なのか?・「新世界」を読む
ようこそ「新世界」の世界へ。
この記事はお笑いコンビキングコングの西野亮廣さんの著書「新世界」をその章立てごとに読み解くことで、より「新世界」という作品をあんたに楽しんでもらうための記事だ。
今回は9回目。「”しるし”が入った本は本当にゼロ円なのか?」の章を読み解いていこう。
目次はこちらね。
しるし本という「価値」
突然だが、「しるし本」ってやつをあんたは知っているかい?
新世界を読んだあんたなら、まあ知っているわな。
これだ。
しるし本ってのは本を読んだ人がその読み手の感覚でつけたマーカーやらメモやらを書き込んだ本のことだ。
「なんだよ古本ってことか」ってあんたは思うかい?
ぶっちゃけそのとおりだ。その色んな人がつけたしるしが刻まれた「しるし本」を売っているのが上のサイト。しるし書店だ。
2019年3月現在、携帯アプリからしか見れないんだが、ちょっと見てみ?騙されたと思って。
ありとあらゆる本がありとあらゆる人に印をつけてもらって売られている。
その価格も普通に新しい本よりも高い値段でやり取りされていたりする。
なぜ、定価よりも高くやり取りされるのか?
あんたにはわかるかい?
ここで買い物する奴らは何を買っているのかって話だ。
結論から言おう。そのしるしを付けた人の考え方だ。
つまり、その「しるし本」の価値は、その印をつけた人の価値ってことになる。
では、その人の価値ってのはどうやって買い手に伝わるのか?
買い手は本を目指しては来ない。つまり人を目指してくる。
一昔前なら、テレビに出ているような有名人のしるし本が売れそうなもんだよな。
だが、今は違う。
例えば、「無知が摘む未来」の回でも触れた西野亮廣さんの右腕の田村さんのしるし本は定価1620円の本だったが、3万円で売れたらしい。
テレビやら新聞やら見てただけなら、俺たちは田村さんのことなんて知る余地もないよな。
でも今は、インターネットがありとあらゆる人々を発信者になることが出来る環境を与えてくれている。
そう。想像もつかないような数の人々が発信しているわけだ。
そこには多くの思いが込められている。その思いは読み手に確実につながっていく。
そして、田村さんの「リベンジ成人式」での活躍は多くの人に伝わったわけだ。
この人は一生に一回の成人式を台無しにされた人たちを救ってくれている。
そのことをテレビや本は教えてくれないかもしれないが、インターネットの拡散力でその事実は多くの人々に伝わったってわけだ。
これは一つの驚愕の事実だ。
俺たちは俺たちの価値を世の中に知ってもらえる手段がある。
そして、その価値は俺たちのもとにさらなる信用を生み出してくれる。
それは俺たちが「貯信時代」に生きているってことだ。
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