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仕事がないことが生む負債

あんたのところは商売を出来ている状況かい?

消費税増税に加えて一連の自粛によって経済が全体的に停滞の様相を見せているよな。
それでも、尖ったサービスを展開していたりすれば、一定の仕事は出来ているとは思うが、今まで通りの仕事の仕方ではどうやっても仕事の全体量が少なくなっているってのが現実だよな。

仕事が出来ないことってのはそれだけでいろんな問題を発生させる。
シンプルに利益が上がらないわけだから、組織を維持できなくなるもんな。

でも地味に目立たないところにも問題は発生する。

人材を育てる機会を失ってしまうってことだ。

今回は不景気がもたらす未来への負債について考えてみる回だ。

ちっとばかり空恐ろしいかもしれないけれど、付き合ってくれよな。

仕事が無いと現場で起きること

俺たちシステム屋の場合は顕著なのかもしれないけれど、仕事の絶対量が少なくなると起きることがある。

仕事が特定のヒトに集中するってことが起きるんだ。

まあ、仕事の絶対量がある程度あったとしてもこの仕事の偏りってやつはどうしても発生はしてしまうものなんだけれども、仕事の量が少なくなるとその傾向がさらに顕著になる。

なぜかって?
それは、同じ仕事をこなすのに少ない時間で済むヒトがこなさないと全体の人件費を賄うことができなくなるからだ。

例えば3人のグループがあったとする。
3人の働く時間は1人あたりだいたい170時間。つまり510時間だ。

で、この3人の中でAさんは170時間使えば200時間分の仕事をこなせてしまうとする。
逆にBさんは170時間で140時間分の仕事しか出来ないとする。
Cさんは通常通り170時間で170時間分の仕事をこなすとする。

普通にやればAさんBさんCさんが170時間働けば、200時間+140時間+170時間で510時間の仕事をこなせるわけだ。

でも、Bさんの仕事量を170時間から150時間に減らして、その分をAさんが働くとする。

そうするとこなせる仕事量はこんな感じになるよね。

Aさんのこなす仕事量=200時間×(170時間+20時間)÷170時間 
= 223.5間

Bさんのこなす仕事量=140時間×(170時間ー20時間)÷170時間
= 123.5時間

Cさんのこなす仕事量=170時間×(170時間)÷170時間
=170時間

AさんBさんCさんのこなせる仕事量の合計
=223.5時間+123.5時間+170時間
=517時間

ということで、Aさんががんばった分7時間分の仕事時間の余裕ができる
逆にBさんは仕事をしないほうが全体としての仕事時間の余裕を生むって結果になる。

全体としての仕事量がある程度余裕があるときはこのあたりの歪をなんとか組織としてカバーしていって、Bさんの生産性を上げることで将来的なポテンシャルを上げていくって考え方になるんだけれども、余裕がないとどうしてもAさんに仕事が集中してしまうってのは理屈だよな。

人材を育てないという麻薬

でもこの状況が続くと、間違いなくBさんの生産性は伸びない。
更に言うなら、組織は入れ替わりをしていかなければならないのでAさんはそのうち組織から抜けてしまうことになる。

その代わりにDさんを補充していくことになるんだけれど、通常であればDさんの生産性はAさんよりも低いはずだよな。
なんならBさんより低いかもしれない。

コレを繰り返してしまうと、組織全体でこなせる仕事量が減ってしまい、そのうち会社全体がダメになっていってしまう。

まるでたちの悪い冗談みたいだよな。

これが今の不景気の世界で起きている現実だ。
少子高齢化なんて比じゃないくらいの問題を作り込んでいっているってわけだ。

これを打開するにはBさんの生産性を上げるために組織としてのコストに耐えるか、それとも全体の仕事量を増やすしか方法はない。

組織としてのコストに耐え続けるのには限界があるので、仕事量を増やすしか無い。
そのためには俺たちには何が出来るのか?

まずは俺たちの仕事の価値をプレゼンしていくってこと。
つまり全うに自分たちの商売を育てていくってこと。

でも、それを出来なかったら俺たちは生きていくことすら出来ないって状態は健全とは言いにくいよな。

なので、同時に全体としての「需要」をどうやって伸ばしていくのかってことを考えないといけないんだよな。
つまりGDPをどうやって伸ばすのかって話だ。

デフレをどうやって抜け出すのかって言っても良い。

消費税増税と自粛のダブルパンチは、とてもじゃないけれど民間の努力だけで埋め合わせることは不可能だ。

政府の支出で無理やり需要を産み出すしか方法は無いと思うんだよな。

政府が仕事を民間に出すことで、民間の売上の底上げをする。
そして、それが複数年に渡って続くことを政府が保証することで、民間の投資を促す。
民間の投資がある程度加熱してきたとき、つまりインフレが過剰になった時に政府の支出を絞る。

これしか無いと思うんだよ。

なあ、あんたはどう思う?

この不景気のアオリを受けるのはまだ生産性の低い若いヒトだと思わないか?

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