物語に触れる生活
あんたは、最近物語に触れているかい?
俺はここ最近、前までによく聞いていたオーディオブックってやつを、改めて聞き始めてみているんだよ。
満員電車の中でも物語に触れていると、なんとなく気分がいいもんだよな。
今回は、物語に触れて感じたことをツレツレと書いてみる回だ。
まあ、つきあってくれよな。
企業を支えるという銀行の基本を描いた作品
最近聞き終わったのはこれだな。
まったく生い立ちの異なる二人のアキラとあきら。
その二人が同じ産業中央銀行という銀行に入行し、その活躍を描いている金融エンターテイメントだ。
二人のアキラとあきら。名字は山崎と階堂という。山崎は父親の経営する会社が倒産し、どん底からのスタートを切っているのに対して、階堂はバリバリの経営者一族に生まれ、祖父、父親からの帝王学を真っ直ぐに受け止めた秀才だ。
見どころは、この二人の新人研修での模擬融資バトルだ。
この模擬融資では、グループで会社側と銀行側に分かれて、会社側は融資を申し込む側、銀行側はそれに対して融資をするかどうかを判断する側になりきって、実際の企業データをもとに融資の現場を体験するというもの。
ここではエリートの階堂が会社側、山崎は銀行側になる。
提示された企業データは惨憺たる業績の企業データ。もはや融資どころか、倒産寸前と言っていい業績の企業だった。
この企業に対して、階堂がとった手とは?
気になったら読んでみてくれよな。
詳細は読んでみてほしいが、もう一つのポイントがこの舞台となっている銀行かもしれない。
産業中央銀行。聞き覚えないかい?
そう、あの半沢直樹の入行した銀行なんだ。
半沢直樹が1989年入行(推定生年1966年)。
アキラとあきらは1963年生まれ。
すべてストレートにいけば、入行年は1985年になる。
こう言うお遊びって大事だよな。
この二人のアキラとあきらのバンカーとして企業を支える姿勢を楽しんでもらえると嬉しいね。
談合について考えさせられる作品
あとは、これも聞いてみた。
この作品は、ゼネコンの建設現場で活躍していた主人公が、突如業務課という営業の最前線に叩き込まれることで、談合という現実に触れ、その周りにいる大人たちの奮闘に右往左往するという、なんともやるせない作品だ。
最期まで主人公はこの談合に対して自分の意見に昇華しきれていないまま終わっている印象がある。
談合がないと、赤字覚悟で入札してくる業者が跡を絶たず、建設業界そのものが立ち行かなくなる。
その建前のもと公然と行われる談合。
本当に、立ち行かなくなるのか?
企業努力というのは、なにも下請けの利益を削って元請けの利益を確保することだけじゃない。
創意工夫によって、コストダウンという目的を達成することも出来る。
そういうストーリー展開だった。
池井戸潤さんらしい、痛快な展開だが、主人公の会社もまた談合を普通にしている。この清濁併せ呑む感じが何となく好感を持てる作品だった。
物語に触れる生活
こうして物語に触れる生活を続けていると、思うことがある。
俺の人生はどんな物語になるんだろうってね。
今まで、普通にオッサンとして過ごしてきている。いわゆる就職氷河期を過ごしているし、その前は受験戦争なんて時代を過ごしてきている。
バブルの全盛のころは、学生で特段バブルの恩恵にはあやかっていない。
とりあえず苦労をしまくった。そんな印象の物語だ。
その向こうにどんなハッピーエンドを作り込んでいこうか。
なあ、あんたはどうする?
ハッピーエンドを想像する所からはじめてみないかい?
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