【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#4
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
真人勇気を振り絞る物語だ。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。
次の日
前の晩はちょっとばかり刺激的な夜だったから中々寝付けなかった。
「やべ、寝過ごした」
もう、単位はクリアしているから授業による時間制約もないんだけれど、大学にしか無いデータを取りまとめているので、ちょっとデータを抜く時刻が遅れるとサーバーにあるデータにみんなが一斉にアクセスするもんだから、動きが不安定になるんだよね。
だから、比較的学生が少ない早い時間に行ってデータを抜いて置くのが日課なんだけれど、寝過ごしちまったから、今日はデータ抜くのに時間がかかっちまいそうだ。
「もう、いっそのこと俺のクライアント立ち上げっぱなしにして、時間起動でデータを転送するプログラムサーバに仕込んでやろうか」
そんな独り言を言ってみるが、バレたらサーバ管理者にこっぴどく叱られるんだよなとかも同時に考える。
何しろ、諸先輩方が仕込んだ正体不明のバッチを含めて夜間スケジュールはギチギチだ。
そこに新たにバッチを仕込もうもんなら何が起きるか分かったもんじゃないからね。
普通の授業のあるときは、その授業に間に合えばよかったのに、論文書くために早起きしないといけなくなるってのは、実に不合理だ。
論文データを取る時はシステム様のほうが人間様より偉くなるわけだ。
扱っているデータやシステムの都合で外部接続するわけにも行かないから、学内ネットはWEBを見ることしか出来ないようになってるから自宅からサーバデータを見ることも出来ない。
しゃあない。学校に向かうか。
そう思って、リビングに向かうと父さんが朝飯をかっこんでいるところだった。
「おう、今日は遅くてよかったのか?」
「いや、良くないんだけれど、寝過ごした。なんか昨日寝付けなくて」
「ふ~ん」
父さんが上から下までジロっとみる。
「な、なんだよ」
「いや、特に怪我とかじゃないんだな。なら恋の悩みか?」
「べ、べつにそんな……」
「まあ、なんでモヤモヤしてんのかしらんけれど、悩めるときは悩んどけ」
そういって、父さんはねこまんまと味噌汁をかっこんで会社へと出かけていった。
やべ、もうこんな時間か。
朝飯抜きだな。今日は。
購買でランチパックでも買ってどっかで食うか。
そう思って俺も家を出た。
学校にて
「よう、真人。この時間に登校ってめずらしいな」
研究室の同期の斎藤すばるが声を掛ける。
やっぱもうみんなサーバアクセスしてるよな。
「よう、すばる。今日のサーバ様のご機嫌はどうだい?」
「samuraiはイケてるけどwizardはご機嫌斜めだな」
samuraiとかwizardってのはサーバの名前。ちなみに一番性能がいいサーバはtrebor。
最初にサーバ環境を整備したヒトの趣味らしい。
「priestは?」
「うん?ちとまて。……うん、ご機嫌っぽい」
まあ、samuraiとpriestが無事ならなんとかなるか。
「う~し、やっつけるか」
そう言って日次バッチで作られたデータをローカルに落とし始める。
そのダウンロードデータをクライアントで再処理している間に論文の該当部分の執筆をするんだが、どうにも調子が乗らない。
昨日の女子高生と女はどうなったんだろう。
なんかの拍子で昨日の晩の出来事が頭をかすめる。
まあ、今日の20時にあの公園に行って誰もいなけりゃ、無事ってことにしとこう。
そう思い直して、俺はデータとの格闘を始めた。
そして、そのときに聞こえたんだ。
「あなたは誰のことを考えているの?」
思わず振り返る。
誰もいない。
「やべぇな。疲れてんのかな俺」
そんな風に呟いて、俺はパソコンのディスプレイと向き合った。
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時系列わかりにくいけれど、イメージ的には圭子の転校する前のイメージっす。
参考にした話