妻の生徒さんたちの頑張りの成果
あんたは何かに打ち込んでいるヒトが美しく輝いているって感じることってあったりするかい?
この間、俺の妻が日本舞踊師範として教えている生徒さんを含めた発表会があったんだ。
ぶっちゃけね?
妻が日本舞踊をやっているって言っても、俺自身はほとんど何も知らんのよ。日本舞踊について。
それでもね。
ヒトが一生懸命に頑張る姿ってのはそれだけでも何かを感じることが出来るもんだと思う。
今回はその発表会で俺が感じたことを率直に書いてみる回だ。
頑張るって良いもんだよな。ホント。
頑張った生徒さん
今回は、4人の生徒さんが発表会で4人いっぺんに踊ったんだよね。
日本舞踊って、基本は一人で踊ることが多いんだけれど、初舞台となる4人はまだ一つの踊りだけを習得できている状況なので、4人いっぺんに踊るってスタイルで舞台に上がった。
舞台の幕が上がっていったとき、スポットライトに当てられた4人の表情は実に個性にあふれていた。
笑顔でその場の雰囲気を楽しんでいるヒト。
覚悟を決めてやってきたことを出し切ろうという表情のヒト。
真剣な表情でまるで「大丈夫、大丈夫」という心の声が聞こえそうなヒト。
笑顔を意図的に出すことで緊張をほぐそうと頑張っているヒト。
4人が4人共、確実に「頑張ってきた」ってことだけはスゲー感じるわけよ。
なんか後で聞いたんだけれど、一人のヒトは職場の空き時間まで使って練習していたみたいだ。
スゲーよな。
生徒さんたちの先陣を切る妻の師匠
発表会の構成としては、まず妻の師匠、つまり生徒さんにとっては大師匠にあたるヒトがまず舞を披露するものだった。
流石に舞にレベルがダンチなので、スゲーのは間違いないわけなんだけれど、俺が気圧されたのはそのオーラだった。
最初に幕が上がったときに正座してお辞儀の状態で舞台の中央にいたんだけれど、あまりの存在感に拍手することを忘れちまったくらいだった。
「私は日本舞踊家でございます」
そう言う様にその姿が語りかけるような感じがしたわけよ。
そして、いざ舞が始まるとその視線が痛いほどに研ぎ澄まされている。
俺なんか居すくまれちまってまともに顔を見ることが出来なかったくらいだ。
当然、舞はキレッキレでありながらたおやか。
しかも男踊り(妻の師匠は女性だけれど日本舞踊では女性が男踊りをすることもある)だから力強さもある。
多分、その姿を4人の生徒さんは舞台袖から眺めていたんだと思う。
本人たちに聞いたわけじゃないから、俺の想像でしかないんだけれどさ。
「あなたたちは今日、日本舞踊家になるのよ」って語りかけられているように感じたんじゃないかな。
4人の生徒さんが観客席にいる俺を見た感想
で、いよいよ4人の生徒さんが舞台に上がる。
最初は硬さみたいなものを感じたけれど、舞の中盤にはそれも取れてきて、女性らしい柔らかさみたいなものが出てくる。
多分、その頃になると観客席の様子も見えてきたんだろうな。
俺自身は生徒さんと会ったことはなかったんだけれど、息子がたまに妻が教えるときについていっていたので、息子のことは4人共知っていたんだよね。
で、その隣りにいるオッサンに気づくわけだ。
なんかTシャツ姿で腕を組みながら舞台を凝視する俺をね。
※当日の空調があまりうまく調整出来てなくてめちゃくちゃ暑かったのよ。
なんか舞台から降りてきた生徒さんたちは妻に向かってこう言ったんだそうだ。
「先生の旦那さん、分かりました。
あの舞台監督みたいな感じのヒトですよね?」
………そうなの?
「なんか腕組んで、舞台を睨みつけてるんですよ~」
睨んでないよう。
心配して見ていたんだよう。
腕組んでいるのは膨満感が時々辛いから手で押さえているだけなんだよう。
どうやら、俺はパッと見は偉そうらしい。
これ、ちっと気にしとかないとあかんやつかも知らんなあ。
なあ、あんたはどう思う?
頑張っているヒトが輝いているのって、それだけで周りのヒトを幸せにするもんだと思うかい?
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