女性の社会進出に必要なもの
あんたも「女性の社会進出」ってキーワードを目にすることがあるかい?
これって深く考えていないと結構な頻度で「○○が悪いから日本は!」みたいな議論になりがちだよな。
でもちょっと考えると、スゴイ色んな要素が絡まりまくっているキーワードだとも思う。
今回はこの「女性の社会進出」ってキーワードにまつわる様々なテーマについて整理をしてみようって回だ。
結構、出口のないテーマかもしれないけれど、ちっと付き合ってくれよな。
そもそも専業主婦は「社会進出」していないのか?
まずはそもそも論のところから。
社会進出ってなんだべ?
ってか社会ってなんだべ?
女性の社会進出ってキーワードで指し示されている社会ってのは、いわゆる会社組織や公共組織を通じて何らかの仕事をこなす環境ってことになるのかな?
つまり「報酬」を得ている状態って考えられているんじゃないかと思うんだよね。
でもさ、俺たちが小学校でならった社会ってなんか違くない?
試しに教育出版の学習指導計画なる文章があるので見てみた。
これによると小学3年生は「自分たちの住む地域の特色の理解と、地域への愛着の育成」がいの一番の主題(教えるべき内容)だって言っている。
そうなんだよな。
俺たちにとって本来の「社会」ってのは「周りを取り巻く世界」くらいの意味のはずだよな。
その意味では、「女性の社会進出」って専業主婦はしていないんか?
いや、しとるだろ。
PTAで活動したり、地域交流のイベントをやってみたり、なんならスーパーで買い物することだって社会進出って言えるじゃんか。
でも、まあ、国会でオッサンオバサンが必死になって議論している「女性の社会進出」はあくまで「経済活動」って意味で表現されているのが現実だよな。
で、その上で、女性の社会進出が進まないのイクナイって論調になるわけだ。
「女性の社会進出」のために諦めるもの
今回のこのテーマについて考えさせてくれたのはとある日本在住のロシアのかたの動画なんだよね。
詳しくは動画を見てみてほしいんだけれども、非常に明晰な分析をしてくれている。
若いのにスゴイなぁ。
左の男性はブラスさんというお名前なんだけれども、5歳のときから日本在住なのでほとんど日本人の感覚らしい。
で、この動画のなかでブラスさんは日本は欧米に比べて女性の社会進出がおくれている!って論調に相当な違和感を持ったそうだ。
曰く「だって、前提となっている社会構造が違う」ってことを言ってくれている。
高度経済成長時代を経て、日本人は大量生産による富の分配を進めていた。
この時代においては、個々人のスキルは会社という組織が育て上げて行くという考え方を取れたんだよな。
何しろ、同じものをいかに効率よく作るかってスキルなわけだから、同種の作業の品質をどんどん上げていく「職人」が価値を持っていたわけだ。
なので、企業としては、同じヒトに継続的に仕事をこなしてもらうことに価値があったってわけだ。
なので終身雇用って雇用形態が一般的だったってわけだ。
ところが、終身雇用には男女間の歪が構造的に発生する。
女性が産休を取ると、産休の期間に男性はどんどん仕事を覚えて品質を高めていけるのに対して、女性は産休中には仕事をおぼえることが出来ない。
ところが年功序列の賃金体系は、産休明けで仕事を下手したらイチから覚え直さないと行けないヒトにバリバリに仕事を覚えた男性と同等の賃金を支払う必要が出てくる。
こうなると、企業としては女性を雇うことそのものが構造的にリスクになるってわけだ。
欧米諸国は終身雇用なんてものは無くて、その都度必要な人材を世の中から随時調達するって考え方だ。
その結果、先鋭的なサービスは提供しやすいが、サービス品質はいまいちって状況が生み出される。
何しろ、極端な話企業が取り組むプロジェクトごとにヒトをとっかえひっかえするって状況になるわけだから、企業への愛着とか、サービスへの愛着ってものは構造的に生まれにくい。
そして女性の社会進出ってやつを実現するためには産休明けの雇用条件を男女平等にするって意味だから、欧米型のスキル中心での雇用ってやつを実現することになる。
つまり女性の社会進出のために諦めるもの。
それは企業が今まで育ててきた「人材」を生むシステムそのものってわけだ。
極端な話「ほとんど全員アルバイト」って環境ができれば男女平等に働ける環境になるって話だ。
企業は今までのように人材を育てる代わりに、その都度スキルを調達する。
安定雇用は崩れるから、家庭に回る金額は全体として少なくなる。
そして、購買意欲が下がりデフレの出来上がりってわけだ。
今年も来年も再来年も安心して働けるって状況は「女性の社会進出」の実現のためには諦めなきゃいけないし、デフレで不況がどんどん進むことも受け入れなければ行けない。
収入を得たいヒトが収入を得るための仕組
まあ、そう書いてしまったら働きたい女性が働けないのを我慢しろと香坂は言うのかよ!?ってあんたが怒る姿が目に浮かぶようなので、書いとこうと思うんだけれど、そこは違うと思っているんだ。
要するに今は需要がなさすぎて、仕事を多くのヒトに回せていないってのが問題なはずだ。
確かに適材適所の考え方から適所適材言うように企業は動くのは、もうどうしようもないのかもしれない。
ならせめて仕事が継続的にあるって状況だけでもなんとかできれば、俺たちは安定雇用ってやつだけは手に入れることが出来るかもしれないよな。
そのために必要なものってなんなんだ?
政府支出と税金によるインフレ率コントロールってのが多分答えなんじゃないかな?
つまりこの間書いたnoteがいみじくも女性の社会進出ってキーワードとも結びつくってことなのかもしれない。
一時的に民間消費が冷え込んでも、国が仕事を俺たちに与えてくれるって環境は、安定雇用に確実につながるし、供給力不足って状況は働いて収入を得たい女性が働けるチャンスを確実に広げるもんな。
なあ、あんたはどう思う?
男女に関係なく、俺たちは「適材」であり続けるための労働をし続ける方法ってあると思うかい?
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