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ものづくり日本を取り戻せ!!

あんたは今の日本が何で飯を食っているのかって考えたことがあるかい?

一連の韓国との揉め事をニュースで見て、改めて思ったことがある。
日本の技術力ってやつは、どうやら完成品における競争力がどんどん縮小している傾向にあるんじゃないかってね。

携帯電話はみんながこぞってメリケンのiPhoneを買いまくっている印象しかないよな。

日本のお家芸って思われる自動車にしたって、ついに2018年売上高でトヨタがフォルクスワーゲンに抜かれて世界シェア2位に落ちてしまった。

もはやお先真っ暗なんだろうか?

今回はちっとそのあたりの産業構造について考えてみる回だ。

まあ、いっしょにこれからの日本のありかたをオッサンらしくグダグダ考えてみようぜ。

スマートフォンのシェア

で、実際のところ製品力って意味で日本は世界からどんなふうに評価されているんだろう?

身近な先進技術の代表例としてスマートフォンのシェアを調べてみた。

スマートフォンシェア2018

こいつはアメリカのIDCという調査会社による2018年のスマートフォンの売上シェアをグラフにしたものだ。

こいつによると、2018年の売上一位は韓国のサムスン。二位がアメリカのアップル、三位が中国のファーウェイと物の見事に日本が爪弾きにされていることが分かる。

いやいや、AQUOS Phoneとか売れてんじゃねーの?とか思うかも知れないが、世界シェアとしてみると、全く日本が相手にされていないことが分かる。

実際、価格コムの携帯ランキングにもファーウェイやらアップルやらの製品が目白押しだ。

日本ですらそういう状況なんだから、世界を見てみればそりゃそうだって感じも受ける。

要するに日本はスマートフォンという時代を変えた製品において、世界に相手にされていないってわけだ。

では日本はどうすればいいのか?

産業の抜本的転換を始めるとか考える前に、日本はこの状況の中でどう立ち回っていけばいいのかね?

そんな中で最近の韓国とのゴタゴタの中で注目されつつある業界がある。

素材業界だ。

素材業界っていうカテゴリは無いんだが、化学業界、繊維業界、鉄鋼業界、非鉄金属業界、金属製品業界、ガラス業界、セメント業界、紙・パルプ業界、ゴム・タイヤ業界を集めたものと考えればいいと思う。

この市場規模は82兆1,896億円。
日本全体のGDPが535.6兆円だから、結構な規模になる。

この素材産業ってやつは、非常に景気に左右される業界らしい。

ヒット商品が一つあって、そいつで屋台骨を支えてもらいながらという経営スタイルが成り立ちにくく、売れている最終製品に合わせて多品種小ロット高品質なものづくりが要求される業界なんだそうだ。

なんだよ、それじゃジリ貧じゃないか。あんたはそういうかもしれないよな。

ところが、その素材が韓国とのゴタゴタの中でとんでもない日本の強みだってことが浮き彫りになってきた。

このnoteでも書いたんだが、フッ化水素酸という素材は世界を見渡しても日本のメーカーが提供できる品質と価格では提供できる企業が今のところほぼ無いらしい。

他にもある。イリジウムだ。

このイリジウムは有機ELの作成に必須の素材なんだが、このイリジウムの加工がたまらなく難しいらしい。

通常、金属はるつぼで加熱して液体にして、そいつを加工して製品にしていくわけだが、このイリジウム。融点がメチャメチャ高い。
実に摂氏2,454度。なんだその温度。金なら1,064度。銀なら961度。鉄でも1,536度。だから、その融かしにくさがわかるってもんだ。

ついでにいうと薬にも反応しにくいため、薬で溶かすって事もできない。

で、通常の方法では数ヶ月かけてようやく液化出来る。
そんなたまらなく加工が難しい素材だそうだ。

でも有機ELはもはや絶対に必要な部材だよな。

そこで登場するのが山手線の大塚駅にあるフルヤ金属って会社だ。

この会社売上規模は214億円と大きくはない。
ところがこの会社はとんでもない技術を持っているってんだな。

それは何か?

数ヶ月かかるイリジウムの液化作業。
そいつを1週間程度で行えるってんだ。

その意味するところは、イリジウム加工において、ざっくり通常の10倍以上の生産性を実現しているってことになる。

なんだそのシャアもびっくりな倍率は!

ものづくり日本

こう言う素材加工技術ってのは、常に技術開発をし続けていないとあっという間にコモディティ化してしまって、相対的競争力が失われてしまう。

特許などによって一定期間の優位性は確保できたとしても、常に新しい技術を手に入れていかないと競争力を維持できないってわけだ。

かつては、日本製品はその品質の高さを称賛された時期があった。

バックトゥザフューチャーでも「いいものと言えば日本製」ってセリフが出るくらいだったんだぜ?

ところが、スマートフォンのシェアでは日本は全く歯牙にもかけられなくなってしまった。

ものづくり日本を俺たちが取り戻すためにはどうすればいいのか?

世界全体の業界動向を睨んだ上で、政府が適切な業界支援をしていくことは必須だと思うんだよな。

じゃあ、どこの業界を支援するべきなのか?

これからの社会を担っていくキーテクノロジーは5G、ブロックチェーン、AI、IoTと言われている。

それらを直接支える製品を提供する業界か?

しかし、ブロックチェーン以外の技術分野の製品はすでにAmazonやファーウェイ、Googleが世界を席巻していると言っていい。

ブロックチェーンで打って出たいところだが、日本人のソフトウェアづくりの下手っぴさには定評がある。
ソフトウェア業界にいる俺が言うんだから間違いない。

なんつっても、P2P技術の実用化をいち早くWinnyというソフトウェアでしておきながら、そのソフトを悪用する人が増えたことを受けて、その開発者である金子勇さんを逮捕してしまうような国なんだからな。
※ちなみに金子勇さんは裁判で無罪を勝ち取ってからまもなく亡くなってしまっている。最初の逮捕がなければ、どれだけの価値を生み出してくれたか分からない御仁だ。心よりご冥福をお祈りしたい。

Winnyがきちんと育っていたら、今頃は通信だけでなく、もしかしたら金融システムの根っこを日本の技術が支えることになっていたのかも知れないのにだ

ということで、ソフトウェアの分野で日本が世界に打って出るのは結構ハードルが高い。

じゃあ、どうするのか?

素材だ。

どの技術も通信というインフラがあってはじめて成り立つ技術だ。
つまり、通信はこれから水道、ガス、電気と同等の価値を持ってくる。ってかもう持っている。

この通信、とりわけ5Gに関する素材技術に日本政府は金を突っ込んだほうがいいと思うんだよな。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちはもう一度世界に打って出ることが出来ると思うかい?

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