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鍼灸師として生きる術#12家族の話 家族が鍼治療を必要とする時


こんどう治療室です。

鍼灸師の皆さんや、マッサージ師、理学療法などを生業としている先生方はきっと患者様方のみならず、家族の健康上の問題あらゆる事を引き受けて生活されておられるのではないでしょうか?
お医者様や看護師さんならなおのこと。

医療関係はどのお仕事もかなり体力勝負なはず。
その日1日の仕事や、片付け仕事。1日の仕事の問題点や疑問点があればそのあと調べ物もしたいだろうし。 病院や治療室、チームでお仕事していたらミーティングも大事。

お家に居る時間、自分の時間は出来れば仕事のこと考えたくない! って思うのは私だけでしょうか?
あ、自宅に治療室があるのでなかなか切り替えられないのは仕方ないんですが。

でもね、やっぱり家族に治療してあげなきゃならない時。多いんですよね。

今日はこんな話を。

         ☆☆☆

夫はコンテンポラリーダンスをメインに舞台の振り付けや演出をするお仕事をしている。
若いころは現代舞踊で女性ダンサーを担いだり、コンタクト(絡みとでもいいますかね)でかなり筋力、体力の必要なパフォーマンスも多かったー!大変でした。
怪我、故障はしょっちゅう。
地方の本番から戻る時に歩行不可能で、タクシーから車椅子に移されて偉い大先生に押していただいて帰宅した時は何事!?と肝が冷えた。

捻挫や関節炎、肉離れなど急性期から痛みが気にならなくなるまでは度々の鍼治療。回復期のマッサージ、テーピング中心の固定などもする。
治療するのとしないのとでは、回復までの時間が全然違う!

大きな仕事が重なる時はあからさまに疲労をアピールしてくれるので、お互いの時間擦り合わせて全身治療。体調管理。

最近は常に考えなくてはならない事、選択、決定を期限付で抱えているのでしょっちゅう「調子悪いよアピール」があるのだけれど、何せ私に時間がない。
肩凝って頭痛い、とか急に背中がビクッと痛くなった、とか。本当に鍼数カ所の対症療法になっているのは申し訳ない。

でも、こういう時間のない中での治療はある意味鍛えられる。試してみたことを、家族なら「で、どう?」と聞けるので良い。

でもね、本当はちゃんと時間を作ってケアした方が良いと思うよ。
どうぞご予約くださいませ。

R平さんは良いわねぇ、お家に治療室とトレーナーさんが居るのだもの!と良く羨ましがられるらしいけれど。 残念! そうそう治療してもらえないんです。


          ☆☆☆


もう1年経つのね。長女の美大受験の際は、鍼治療大嫌い(なんでー?)の彼女が 「駄目だ! 頭おかしくなりそうだ、鍼お願いします。」と真っ赤な目で頼まれた。
寝不足。描き通し。創り通し。
都立芸術系高校美術科卒業年でいわゆる卒業制作も必須。受験必須のポートフォリオ制作もしなきゃならんし。素描を一次に決めていたので詰めて対策たてなきゃならんし。
今思い出せば、かなり鍛えられたのかもしれないけれど、側で見ていてかなり苦しそうだったのです。
母として「これで良いのか?育て方間違えてなかったか?娘を此処まで追い詰める受験をさせて良かったのか?」と悩み苦しんだ日々。
3日に一度は発狂する娘に、話を聞いて 思うところを話して聞かせ、大丈夫、大丈夫と唱え続ける。
もはや、鍼治療以前の問題なのだ。

鍼すると、きっと体も心も少し楽になるよ。

ずっとそう言ってきた。

彼女のSOSには、「よし!きた!ガッテン!」で
張り切って治療した。
結果、かなり思考もクリアになって次の日の制作が異常にはかどる。講評も好評価。
「冴えます。受験前日にもお願いします。」と頼まれた。

一次試験が受かっただけでは容易に喜べなかった。二次試験が終了した途端に、同時多発的に両方の父(実父と義父)がそれぞれ転倒から大腿骨と骨盤を骨折。入院。
試験を終えたばかりの長女は、おじいちゃんの病院の付き添いから入院手続きまでを手伝ってくれた。

受験に鍼治療が役に立って良かったです。

結果は合格!おめでとう!

         ☆☆☆


次女は運動系女子。

アクロバット、アクション、バレエ、タップダンスをメインに鍛えまくる。
で、もちろん筋肉疲労からの痛みを訴えたり。
たまに関節の不具合も。

この人は、実はなかなか身体能力に長けていて。なんて身の軽い人なのでしょう。
5歳でアクロバット教室に通い始め、沢山動いて正しく身体の使い方を学んで欲しいと導いてきた。

運動通常や、身体がしんどい事も多く、筋疲労抜きの治療。関節の不具合に関しても鍼+アライメントの調整。良い具合に乗り越えてきている。

これからは第二次成長期! 身体も心も変化の大きい時。そのあたりで治療が役に立てるようにと思う。


         ☆☆☆


実の両親はそれぞれ別の施設に入所していて
このコロナ禍で面会も叶わないが。
義理の両親はどこか痛かったり困ったりしたら
治療させてもらってきた。

はい。もちろん、治療代はいただきません。

そう!家族には治療代頂かない。あ、普通か。
というより治療費の削減が出来ていると考えたら年間どのくらい節約が出来ていることか!!! 素敵。
鍼灸師になって良かった!

若い頃、大分若い頃以前の勤め先では様々な「お嫁さんに!」のお誘いをいただきました。笑!
○うちの息子がまだひとりものなんだけど
○私がテニス習っている先生がとても良い人なの!結婚したい。って言っててね、先生紹介したいんだけど。
○私ね、良く仲人してるんだけど先生みたいな人とても喜ばれるのよね。

男性本人からと言うより、紹介したい。お見合いしてみない?のお誘いばかりなのも面白い。

入社する前に結婚していたので、
「旦那さんいるんですー。」で全てお断りする事になりましたが。

結婚前でも、
「付き合ってください。」よりも、
「結婚を前提に。」とか
「田舎に帰るのだけど着いてきてくれませんか。」とか、いきなりの嫁候補。多かったのは
やはり将来治療家の肩書きが大きかったのではないかな。


#私がこの仕事を選んだわけ で私がどんな状況で鍼灸師を目指すことになったかの経緯は分かるので時間があったら読んでみてもらえたら。と思います。


結婚するとかしないとかは別として、パートナーや家族を特殊な面からサポート出来るって言う意味では私には合ってるなぁ。
結局、私はお世話好き。
いらんお節介も焼きたくなるタイプ。苦笑。

やっぱり鍼灸師になって良かったなぁ。
って自分で確認したくなった!今日は雑談。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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