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鍼灸を生業として生きる術#11 家族の事 こどもと私時々夫


こんどう治療室です。

この数回は家族のお話を。
18年前、長女が生まれて3ヶ月で開業準備、そこから3ヶ月で治療室をプレオープンしました。
寝不足で重い身体よりも、自分の治療室を作るのだ! と希望に燃えていたのだった!

で、実際のところ。
自分の知らないことが多すぎて、落ち込む日々。

開業にあたっては以前にも書いています。

初めての子を育てながら、仕事。
どんな業種だろうが、おじいちゃんおばあちゃんが協力してくれようが、大変なことは変わらないと思うんだな。
否、仕事して子どもを保育園に預けたりもしてない方がかえって大変だろうと想像する。
なんでも初めて!

今回はそんな中で鍼灸師だからこそ、私が何をしてきたか。実際の治療などをお話したいと思う。

開業までのエトセトラはこちら。


長女は本当に「寝ない子」だった。
次女もだけど。 夜は寝かしつけが大変で〜!
って話は良く聞いたけれど、8時頃には寝て朝5時6時まで起きない子も多い。
まじかっっ! そんなに寝てくれる子もいるのだ! 信じたくなかった。自分ばかりが寝不足で苦しんでいるような被害妄想にも似たネガティヴな思考が余計に自分の体力を消耗してゆく日々だった。

寝不足からの体力消耗、喘息発作との闘いの日々!


一度に寝る時間は2時間ほど。泣く→オムツ交換→おっぱい→2時間→泣く→オムツ交換→おっぱい→2時間→泣くオムツ交換→おっぱい


オムツとおっぱいルーティンを3回して、朝5:30頃起床。 
ゴールデンレトリーバーのデゥークさんのブラッシングを寝ぼけながらして、部屋の掃除。
うちの旦那さんは、蓋は開けたら閉めない。
電気は点けたら消さない。
物は出したらしまわない。
落としても拾わない。そんな人でした。(過去形)
その頃はまだタバコも吸ってたし、家中に危険なものが落ちている状態だったので
ベビちゃん起きる前に家中の床や手の届くところに危険なものがないかをチェック!しなきゃならなかった。

そろそろベビちゃん起きる。
はいはい!朝だねぇ!
おっぱいしたら、お着替えして一緒にお散歩行こうね。 夫はまだ寝ている。ベビちゃんベビーカーに乗せてデゥークさんとお散歩。
浄水場の上にある広い公園まで歩いて、毎朝会う犬友としばしおしゃべり。
ベビちゃん大きくなったね! デゥークくん偉いね!
寒い季節も暑い季節も変わらず散歩に連れ出していて、
「こんなに寒いのに可哀想に。」と言われたり、
「暑くて ベビちゃん大丈夫なの?」と言われたりもした。
温度差のある環境で自律神経は鍛えられる。
自分がそこのところの調整不安定な自覚があり、子どもは鍛えて育てよう!と決めていた。

中には、
「子どもは小さい時に寒さや暑さになれさせなきゃいけない!毎日外に連れ出すのはとても良いね。」と言ってくれたおじいちゃんが居た。
ですよね! 子どもには環境ストレスを与えて鍛えておけば、後々絶対得があると毎朝の散歩はルーティンだった。

新設の無認可保育園にギリギリ空きがあり、
開業と同時に預けることにした。
仕事は時間がフレックスだったので、朝の散歩も一年ほどは一緒に行けた。
その後保育園の方針が色々変化して登園時間が早くなってからは更に朝が忙しくなったけど、
何とかやってたなぁ。

夜のお迎えはお夕飯までお願いして20:00〜20:30
延長料金が懐に痛かった〜!
自分たちの夕飯は何時に何を食べていたんだか。


         ☆☆☆

生まれる前から準備していたのはベビーマッサージ! 本を何冊か購入、ベビーマッサージをイメージトレーニング。
退院してうちに戻ったその日から欠かさず沐浴後全身をマッサージ!そして骨格が綺麗に育つように各所に軽い矯正をかける。
身体の成長も反応の変化も感じられて幸せな時間。ベビちゃんも気持ち良さそうだし、マッサージする私も癒されるの!
マッサージと読み聞かせは妹ちゃんが生まれてそちらに手がかかるようになる8年後までお風呂の後ほぼ毎日。お熱があったりの時意外は。

そのおかげか?彼女はとても綺麗な脚をしている!と思う。これは素直に感謝される。

ベビーマッサージしても、夜は起きる子だったのは仕方ないのかなぁ。
でも、癇癪起こしたりは殆どなくて。
夜泣いて何しても泣き止まないいわゆる「夜泣き」は1回だけだったのではっきり覚えてる。
後、保育園に行きたくなーい!とかママと離れたくなーい!とかそれも不思議なくらいなかった。
これは次女も同じ。次女は夜泣きもなかった。ゼロ!

触れるコミュニケーションはとても良かったのではないかと思う。これはお勧め!
ベビーマッサージは誰でもできます!地域で講習会なども多いので出産予定のある方には是非出産前に参加してみて欲しいな。

保育園に通い出して半年くらいは風邪もしょっちゅうひくし、実家の母に泊まり込みで来てもらい、昼間みていてもらうことも多かった。
夜遅くに高熱とか、吐いて吐いて苦しそうとかで救急病院にタクシーで急ぐ。なんてことも何度もあった。
寝ないで、ベビちゃんは母にあずけそのまま仕事に向かうことも。
寝不足に寝不足が重なって、ジワリジワリと身体が弱って行っていたようだ。

         ☆☆☆


咳が出始めたのはベビちゃん1歳になるころ。
昼間仕事してる時はほぼ大丈夫なのに、夜寝しなに咳が出始めてなか中寝られない。
咳止めを買って飲んでみてもあまり効かなくて、
ただでさえ寝る間がないのに!
ベッドに毛布たたんで背もたれをつくって座位でうとうとする。

うすうすは「喘息」を感じていたけれど。
否、でも大丈夫。って。
正直時間がなくて受診しないまま、市販の咳止めなど飲んで凌ぐ時期が数ヶ月続いていた。

そんなある日、いつもの様にベビちゃん夜のうちにお熱。朝イチで小児科を受診。

「嗚呼また、寝不足から仕事に行かねば!実家の母に来てもらって。11時には最初の患者様診ないと!参ったな。」と仕事の事しか考えてなかった。そういえば自分も風邪っぽいし咳も出るから一緒に受診して風邪薬もらっておこう!と相談すると、
小児科のドクターに、「お母さん?何か変ですよね? 咳の発作出てます?
呼吸音変ですよ?お母さんこそ吸入の治療受けて行ってください!」
と指摘された。

「いえ、直ぐに仕事が入ってるんで私はいいです。」と答えると、
「あのね、喘息舐めてると死んじゃいますよ!
この子残して死んじゃっても良いの? 治療始めないと!貴女喘息ですよ。」

あ、そうか死ぬわけにもいかないね。

そのころには、食べても食べても食熱で体があったまるからか、昼間でも咳が出て食べたもの丸っと吐いてしまうことも度々あり。
体重も激減していたし、咳発作じゃなくても死んじゃうかもな。

いやいや、死んじゃっちゃ駄目じゃん!


で、その日の最初に入っていた患者様に連絡して
治療時間を遅らせていただいて吸入薬吸ってから仕事場に向かう。

呼吸器科を受診、検査で「気管支喘息」が確定してもその時の分薬が出るだけで、
アレルギーや風邪が引き金になって発作を起こす。
「喘息治療」ってなんだろう。
自分に鍼治療を施すのはもちろんだけれど、それだけじゃ余り効果が無い。
なんだか知識も足りない気がした。

仕事場の近くに個人病院でアレルギー科で喘息を専門にしている先生に診てもらえる所を探した。
喘息の治療の話始めるとこれだけで終わっちゃうので、かなり端折るが。
この先生のカウンセリングで、アレルギーの「減感作療法」と水かぶり、薄着、運動の「自律神経訓練」と「運動療法」で2年半くらいかけてほとんど発作が出ない体に改造!

そして、何よりもドクターのカウンセリングで
「ストレスとの付き合い方」を学んだ。
これがかなり大きかった。

私はかなりのストレス沼に陥っていた様だった。


          ☆☆☆

生活の所々に登場する「夫」は、その頃我が家の家計は全く支えておらずで。(特に仕事をサボるとか、怠けていた訳ではありません。彼の言っていたことが本当ならね。月の1/3くらいはうちに居なかったので)
私は大黒柱として、棲家の家賃と仕事場の家賃、保育料(無認可保育園の)、その他生活費をひとりで賄う状態。
その責任感とか、増えていく患者様のオファーを1人きりで背負うプレッシャーとか、働いても働いても湯水のごとく消えてゆくお金、経済的不安とか。そんな事を、実は誰にも話せずにいたのだった。

カウンセリングで、私がどんな事柄をストレスに感じているのか。
そのストレスって奴が身体にどう影響しているのか。ストレスの乗り越え方、切り抜け方、無視の仕方、対処方法は?
そんなことが段々と自分でも分析できる様になって、生活の中で「夫」がストレスでなくなっていった。

生活費はあんまり持ってこないし、あんまり帰ってこないけれど、
なにやら忙しそうに動き回ったり、他人(ひと)に付き合ったり、周囲の人たちとはうまく行っているようだ。たまに話が出来ると、私の事を労う言葉もある。自分を卑下して、私に悪い。なんて事も話していた。彼もいつも疲れていた。

疲れてヘトヘトで帰ってくる夫に、何か手伝ってもらうことは「悪い事」「申し訳ない」様に思う。
ドクターには、「はい!それ!」「それがストレス」と指摘された。

ストレスっていうのは「赤い文字を赤いレンズの眼鏡をかけて見るようなもの」と教えられた。
そんな事、自分は辛いとか嫌と思っているはずがないような事柄が、実は大きなストレスになっている、と。

なーーるーーほーーどーー!!!

このカウンセリングの日から私の思考はクリアに自分勝手にポジティブになっていった。
アレルギーの治療の効果も、この間受けた友人の鍼治療の甲斐もあって、私はメキメキ強くなった!

この数年のしんどい経験は、もちろん今の治療の糧になっている。

鍼灸師は転んでもタダでは起きないのじゃー!!

喘息にも波がある。
その波の強弱によって効くツボも変わる。
呼吸音、心拍、自律神経の状態を読むのが鍵になる!

さて、次回ももう少し家族の話を。

読んでくださり ありがとうございました。

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