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原田治さんも愛したアメリカン・コミックのヒロインがスマホ中毒になって大暴れ!『ナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』をためし読み公開
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原田治さんも愛したアメリカン・コミックのヒロインがスマホ中毒になって大暴れ!『ナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』をためし読み公開

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 スヌーピーでおなじみの『ピーナッツ』(1950~00年)や『サザエさん』(1946~74年)よりも古くから続く、超長寿アメリカン・コミックがいま再び注目を集めています。その作品の名前は『ナンシー』

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 今回は『ナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』(オリヴィア・ジェイムス著、椎名ゆかり訳)の発売にさきがけ、作品紹介ならびに収録マンガをためし読み公開します。ぜひご覧ください。

ナンシーってだぁれ?

■脇役から主人公に抜擢~愛されて80年
 1922年に連載が始まったアメリカの新聞マンガ『フリッツィ・リッツ』に、主人公の姪として1933年初登場。しだいに人気を集め、1938年には彼女を主人公にした『ナンシー』の連載が開始。以降、作者の代替わりを重ねながら今日まで連載が続いています。

■世界のクリエイターたちを魅了
 歴代作者のなかでも、特にナンシーの生みの親であるアーニー・ブッシュミラー(任期:1938~82年)による作品が有名。『ナンシー』の一場面を題材にした作品を遺しているアンディ・ウォーホルなど、クリエイターたちのあいだでも親しまれました。

アーニー表1

アーニー・ブッシュミラー『Nancy’s Dream & Schemes』(1990年、Kitchen Sink Press、写真は訳者私物)。本書は「夢」と「悪だくみ」をテーマに編まれた1冊。

 こちらは上掲の『Nancy’s Dream & Schemes』に収録されたお話のひとつ。

ナンシー学校爆破

眼が冴えてしまい、なかなか眠れないナンシー。「楽しいことを想像してごらんなさい」と言われ、思い浮かべたのはなんと……。


 70年代には『ナンシーちゃん』(立風書房[現:学研ホールディングス]刊、堀内克明訳)の邦題で単行本化されたこともありますが、とりわけ日本では〈オサムグッズ〉でおなじみのイラストレーター、故・原田治さんが偏愛していたことで知られています

女の子が主人公『ナンシー』のマンガは言葉よりも絵によるギャグのオチが多い、つまり落語でいうところの「見立て落ち」が素晴らしいのです。
――ブログ『原田治ノート』より

■スマホ大好き!~今どきの女の子に生まれ変わって大反響
 2018年、本書の著者オリヴィア・ジェイムスが歴代初の女性作家として6代目に就任。連載開始から80年以上の月日が経ち、近年はすっかりマンネリ化していましたが、オリヴィアは先代までとはうって変わり、スマートフォンやSNSなど現代的な話題をふんだんに取り入れ、ネットで一躍話題に。
 簡素な描線ながら、ときにメタ表現を用いた切れ味鋭いギャグがアーニー・ブッシュミラー時代を彷彿させるとして、ニューヨーク・タイムズ紙ワシントン・ポスト紙など数々の媒体で賞賛されました。

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著者による自画像。オリヴィア・ジェイムスは筆名で、本名はおろか経歴その他の素性はいっさい謎に包まれている。

6代目作者オリヴィア・ジェイムス版『ナンシー』より、先行ためし読み公開

 このたび日本版を刊行する『ナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』は、2018年4月9日から2019年1月13日のあいだ新聞紙上に掲載されたマンガ全277話を収録しています。
 さらに、謎多き著者の正体に迫る「ミステリアスな『ナンシー』のマンガ家、オリヴィア・ジェイムスのレアなインタビュー」や、米コミック界のジェンダー不均衡を考察したコラム「ナンシーを経験する――アーニー・ブッシュミラーからオリヴィア・ジェイムスへの長い道のり」、ご存知『美少女戦士セ○ラ○ム○ン』とナンシーのコラージュ作品(!?)を含む「ファン・アート」など、スペシャルなコンテンツも満載。

 そんな本書から、“スマホ中毒の現代っ子”として新たに命を吹き込まれたナンシーおよび作者オリヴィアの作風がよくわかる「ネット中毒」「顔」の2話をためし読み公開! 文明の利器の虜となった現代人の共感を呼んでやまない『ナンシー』の世界をご堪能あれ(※スマホで閲覧しやすいよう、レイアウトを横から縦に変更しています)。

「ネット中毒」

ネット中毒1

ネット中毒2

「顔」

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ナンシーと仲間たち

 最後に、『ナンシー』の個性豊かな登場人物をご紹介。

ナンシー

ナンシー
80年以上続く長寿新聞マンガの主人公を務める、永遠の8歳児。
まんまるおめめと赤いリボンがチャームポイント。
食いしん坊で、フリッツィおばさんの目を盗んでお菓子を食べることに心血を注ぐ。大人顔負けのスマホ中毒。

フリッツィおばさん

フリッツィおばさん
ナンシーの育ての親。
散らかし放題、汚し放題、騒ぎ放題のわんぱくな姪っ子に手を焼かされ、ヘトヘト&イライラの日々を送る。でも本当はナンシーのことを誰よりも愛する、心やさしい叔母。

スラゴー

スラゴー
ナンシーの親友。
怠け者でマイペース。ナンシーとは何をするにもいつも一緒。それなのにデートの約束をすっぽかしてしまって、さあ大変!

エステル

エステル
ナンシーの所属するロボット工学部の学友。
年中しかめっ面の笑わない女の子。

先生

先生
ナンシーを受け持つ学校の先生。
悪知恵をはたらかせ、あの手この手で授業をサボろうとするナンシーに平然と対峙する強敵。フリッツィおばさん同様、ナンシーのよき理解者でもある。

 そのほか、双子のアグネス&ルーシー姉妹、近所の昔気質なおじいさん、英才教育校に通うスノッブ少女、アート・キャンプの“体育会系”リーダーなど、一癖も二癖もある面々が登場しますので乞うご期待。

おまけーーナンシーの今

 ナンシーたちも現在はおうちでオンライン授業を受けています。

眼鏡の反射を利用して、先生の注意が自分に向いていない瞬間を狙うナンシー(4月23日発表)。連載は紙上とGoComicsで毎日更新中。

(文=日本版編集担当 小澤)

書誌情報

ナンシー(帯あり)

『ナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々』
オリヴィア・ジェイムス 著 椎名ゆかり 訳
A4変型(203mm x 203mm)・並製・オールカラー144ページ
本体2,800円+税
ISBN:978-4-86647-121-1
6月12日(金)発売
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK272

〈著者略歴〉
オリヴィア・ジェイムス(Olivia Jaimes)
コミック作家。『ナンシー』の6代目作者。オリヴィア・ジェイムス名義は筆名で、本名・経歴・その他いっさいの情報は完全非公開となっている。
〈訳者略歴〉
椎名ゆかり(Yukari Shiina)
文化庁メディア芸術調査官、海外コミック翻訳者、東京藝術大学非常勤講師。アメリカ・オハイオ州ボーリンググリーン州立大学院ポピュラーカルチャー専攻修士課程修了。海外マンガや論文の翻訳及び海外におけるマンガ状況について執筆も行う。
主な訳書は『マンガ学』『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』(第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞)『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』『ブラック・ホール』『サーガ』『モンストレス』他。

ブックデザイン:小沼宏之(Gibbon)

全国の書店、オンライン書店にて発売中。

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6/17更新:noteにてナンシーぬりえを公開しました。

6/20更新:「朝日新聞」にて書評が掲載されました。評者はササキバラ・ゴウさんです。

8/12更新:「幻冬舎plus」中条省平さんの連載〈マンガ停留所〉にて書評が掲載されました。

8/20更新:TBSラジオ「アフター6ジャンクション」にて矢部太郎さんがご紹介くださいました。


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