見出し画像

幸せな水から、豊かな水へ

鳴門に来て季節の移り変わりに敏感になった。

それは、単純に暑さ寒さや日の長さといった天候的なことだけじゃなく、その季節季節で美味しくいただける旬の食べ物が移り変わっていくことにも理由がある。

盆が過ぎ、夏もいよいよ終盤になってきて私の大好きな幸水(梨)が姿を消しつつある。まだ探せばギリギリ置いてあるお店もあるにはあるのだが、これもまた季節の移り変わりと諦めるしかないようだ。

兵庫にいるときは日本海へサーフィンに出かけることが多く、特に初秋の日本海方面は、あちこちに梨の販売所があった。どの店も扱っているのは20世紀梨、あの独特のシャリシャリ感が大好きで、必ずお土産に買って帰っていたこともあって、梨と言えば初秋に食べる20世紀というのが私の常識だった。

徳島に来て、7月中旬から梨が店頭に並んでいるのを知り、梨好きの私は「おー、もう食べれるのかと!」と小躍りした。・・・けれど聞きなれない「幸水」という代物、梨独特のシャリシャリ感はあるのか、みずみずしい甘さは感じられるのかと一抹の不安を抱えつつ、ダメもとで1個だけ買ってみることに・・・。

幸水

しかし、食べてみると、溢れんばかりの果汁でシャリシャリ感も最高、しかも味も甘くて濃厚。20世紀の甘〜い当たり梨を引いたときのような感動があって、どうして今まで試そうともしななかったんだろうと深く後悔。「幸水」の存在も知らずに梨好きを公言していたことが恥ずかしくなった。

今や「幸水」は20世紀を抜いて最も好きな梨に躍り出た。梨と言えば「幸水」、それが私にとっての新常識となったのだ。

品種別の梨マップ

そんな「幸水」も姿を消しつつあり、旬というのは残酷なものと寂しい思いをしていたところに、思いがけぬ救世主梨が現れた。それが豊かな水と書く「豊水」。

最初は「幸水」の時と同じように半信半疑で手に取ったのだが、その名の通りみずみずしさが半端ないとてもジューシーな梨だと判明。シャリシャリ感と甘味は「幸水」にはやや劣るが、甘みと酸味のバランスが良く、これはこれで申し分無い。しかも10月初旬まで食べられるというから有難いことこの上梨(笑)。

「幸水」から、季節は巡り「豊水」へ。
どちらも鳴門近辺で、たくさん栽培されているようだ。
夏から秋にかけて、ずっともぎたて新鮮な地元産梨を堪能できるという幸せ。

梨と言えば鳥取産と刷り込まれていたけど、梨好きにとって徳島はパラダイスなんだと知った。先日もお友達の果樹園をお手伝いされているという地元のお客様から、立派な「豊水」をたくさんいただいてテンションマックスに・・・。

梨の方からやってきてくれるなんて、鳴門ってやっぱり最高です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?