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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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#小鳴門海峡

散歩が楽しい季節がやってきました

青い空、新緑、爽やかな風、散歩が最高に心地よい季節がやってきました。 先日も朝起きると真っ青な空が広がっており、お客様を誘ってNOMAyado前の海岸へ散歩に出かけました。海岸へと続く野原には、立ち枯れた百合らしきものや、足元には黄色い小さな花をつけた植物などなど。当たり前にあるようで、街中で見かける花壇の植物とは一味も二味も違うものばかり・・・。 そして誰もいない海岸へ、ここはほんと水がキレイで最高。 小石に混じってたくさんの貝殻が落ちている。サザエ的なものから、小さな

鳴門海峡 冬の風物詩

冬の訪れと共に、NOMAyadoのある小さな港町が活気づいてきた。 鳴門名産であるワカメの種付け作業が佳境を迎えており、種付けに使うロープを積んだトラックが行き来し、NOMAyado前の小さな港からも頻繁に漁師の船が出入りするようになった。 鳴門ワカメの歴史は古く、1000年以上昔の文献にも阿波の国(徳島県)の貢物としてワカメが使われていたという記録があるほど。年間の生産量はおよそ7700トン、生産量では三陸ワカメには及ばないが、鳴門ワカメは強いコシが特徴。鳴門海峡の激し

マイノリティという価値

先日、初めて男性一人旅のお客様をお迎えした。 鳴門に来られた目的をお聞きすると、お仕事での滞在とのこと。何でも鳴門で廃校になった建物を県外の方にも魅力溢れる楽しい場所に変えるというプロジェクトに関わっていらっしゃるらしい。 私が長く2拠点生活をしているということで、意見を聞かせて欲しいと言われ、雑談混じりに思っていることをいろいろお話しした。 鳴門は、有名な観光地と比べると確かに魅力は薄いけれど、海も山も川も有り、自然環境は抜群、しかも食においては魚も野菜も肉も安くて新

鳴門の夏を楽しもう!

先週は鳴門を離れ、映像仕事で毎日のように京都に通っていました。 京都の茶の湯文化をフランスの方々にご紹介する動画ということで、茶釜や抹茶碗を始め、茶懐石に使う昆布や白味噌、醤油に至るまで、老舗の皆さんにお会いし、お話しをお伺いするという楽しい時間でした。 450年前に利休さんが使っていた茶釜が修理を重ねることで、未だ現役で活躍していることにビックリ。改めて日本人に生まれたことに誇りに感じる経験でもありました。 コロナが明け、京都市内どこへ行っても外国人観光客だらけ。今月

自分なくしの旅

みうらじゅんさんの語る「自分なくしの旅」という言葉にハッとした。 「自分なくし」とは、元来仏教の教えのひとつ。 みうらさんは、自分があるから面倒臭い、相手が言っていることを聞いていればいいのに、それは違うと自分があるから喧嘩が起こる。どうすればではなく、理由を考えずに相手にとって良いことを考えて行動するだけでいいと気付くと、答えが自分の中には無いと分かり、結果として「自分さがし」をする必要が無いと言う。 いつもブログなどで、宿のコンセプトを語るときにゆったりとした時間に身

ひと味違うフォトスポット

美しい風景を撮るというのもいいが、ひと味違った自分好みのマニアックな風景を写真に収めるというのも楽しいもの。 宿のある土佐泊には美しい海の風景もあるが、造船所があったり、廃屋があったり、のら猫スポットがあったりと、なかなかに面白い写真スポットが点在している。宿に泊まって撮影散歩を楽しむというのも一興だ。 まずは宿前の小鳴門海峡の景色 続いて宿近辺の路地、猫遭遇率高し・・・ 宿から歩いて30秒の造船所跡、その前に広がる無人の浜辺もまた格別です そして土佐泊と対岸の岡崎

壁を扉に変える唯一の方法

宿を始めると宣言して1年半、ようやく開業に漕ぎ着けて約3ヶ月が経過した。 ここまで、いろんな障壁が次々と立ち塞がり、その度に落ち込み、途方に暮れた。 それでも前に進むには、ひとつひとつ粘り強くクリアするしかなく、時間は掛かったが、立ち止まっても、また歩き始めるを繰り返してきた。いい加減に誤魔化していることもたくさんあるけれど、この歩き始めるを繰り返している内に、最近は壁にぶち当たっても、落ち込むということが少なくなってきた気がする。 ・・・とうよりも、困ったことがあっても

旅に温泉はかかせない(鳴門温泉事情)

旅に温泉は欠かせないもの。 鳴門は、温泉推しの街という訳では無いが、他に無い面白い温泉があるのも魅力。 鳴門で人気の日帰り温泉といえば、 NOMAyadoからも近く、小鳴門海峡を臨める「あらたえの湯」。 2017年にできた比較的新しい温泉で、岩盤浴に海鮮料理が食べられるレストラン、土産物屋、カラオケルームまでを併設した、観光客に人気の温泉施設。 泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物冷鉱泉(高張性、中性、冷鉱泉) 効能:きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症

人生にスパイスを

ときどき無性にスパイスを補給したくなる。 欧風のルーを使ったカレーもいいけれど、やっぱり好きなのはスパイスカレー。 一昔前なら、インド人やネパール人が作るスパイスカレーしかなかったが、最近はスパイス使いの達人といった日本人が伝統の食文化である出汁と組合わせたり、一皿に数種のカレーを盛り付け、目にも美しい独自のスパイスカレーを展開し、一大ブームを巻き起こしている。 そのブームを牽引しているのが、どうやら大阪らしい。 確かに大阪は人もスパイシーだしな(笑)。わざわざ関東の方が

大人たちよ、一人旅に出よう!

想像していたのと違って、一人旅で宿を訪れるのは若い女性が多い。 てっきり、思いが伝わる同年代の方々がやってくるものと思っていたのだが、分からないものですね。 「大人の一人旅」というコンセプトで始めた宿だけど、よく考えると熟年層の大人達は、家族もいるし、親の介護だったり、また責任ある仕事を任されて、一人旅どころではないのかも。本当はそういう人にこそ、ゆっくりと休んで、癒されてほしいのですが、現実的なことを考えると確かに難しいのかもしれません。 けれど、若い女性たちは、遠慮

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

1年を24の季節に分ける二十四節気。 さらに細かく72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)というのがあるんですね。 季節ごとの鳥や虫、植物、天候などの様子が72の時候の名前になっていて、なんと約5日ごとの自然の変化を捉え、きめ細かな季節の移り変わりを伝えている。 そしてまさに今の時候が、この「蚕起食桑」ということになるようだ。 読んで字のごとく、蚕が桑の葉をたくさん食べて成長する頃という意味。昔から貴重な絹糸を生み出すことで大切に育てられてきた蚕。人々の暮らしを支えてきた「

自分を生きるだけ

宿を始めて、気づいたことがある。 それは心に溜まった澱のようなもの、言い換えれば、ある種自分の中では解決したつもりだけど、納得はしていないといった心の重しを吐き出すには、一人旅という環境と、まったくしがらみの無い人間関係というのが役に立つということ。 仲の良い人なら、聞き出すのにきっと何年もかかるような話を出会ってたかだか数時間で聞くことがある。例えば、「どうして離婚されたんですか?」といったふとした疑問に、思いがけない深度で話が帰ってきたりもするから・・・ まあそれを

おお〜ピンときたぞ〜 (徳島宿プロジェクト)

お正月の宣言以前から、実は地元(兵庫)で昔から知り合いの物件マニアKさんにインスタで物件探しを依頼していた。彼女はちゃんとお仕事としてお店などの面白物件をアテンドされている方で、彼女のお眼鏡に適う物件はどれも面白いものがいっぱい。独特の嗅覚を持っている信頼できる存在。 そしてもう一人、お正月の宣言以降、本気度に拍車を掛けるため、徳島で新町商店街を盛り上げる活動をされているMさんにも声かけた。Mさんは街を盛り上げてくれる仲間との絆を大切に、地元の方々からも厚い信頼を集め、とに