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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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記事一覧

散歩が楽しい季節がやってきました

青い空、新緑、爽やかな風、散歩が最高に心地よい季節がやってきました。 先日も朝起きると真っ青な空が広がっており、お客様を誘ってNOMAyado前の海岸へ散歩に出かけました。海岸へと続く野原には、立ち枯れた百合らしきものや、ケシの花、足元には黄色い小さな花をつけた植物などなど。当たり前にあるようで、街中で見かける花壇の植物とは一味も二味も違うものばかり・・・。 そして誰もいない海岸へ、ここはほんと水がキレイで最高。 小石に混じってたくさんの貝殻が落ちている。サザエ的なものか

空になった歯磨き粉にニヤついている

昨日は味噌が無くなり、今朝は歯磨き粉が無くなった。 日々暮らしていると当たり前に起こることだが、空になった歯磨きチューブを見つめて、妙にニヤついている自分がいる。気持ち悪い、何?・・・と思われそうだけど、これは鳴門という地に根を張って暮らせているという証でもある。 毎日ちゃんと歯の手入れを重ねていること、毎日たくさんの野菜を入れた味噌汁を作り、バランスの取れた食事を心がけているということに他ならない。 笑われるかもしれないけど、そうした小さな積み重ねを経て、空になった歯

衝動を頼りに生きていく

「ほんと、衝動だけで生きてるな(笑)。」 それは突然思い立って、スパイスカレーを食べに行こうと連れ出した車中で、思わず奥さんの口から出た言葉。あたかも本能だけで生きてる動物・・・みたいな趣があり、確かにそういうとこあるあると、妙に納得してしまった。 食べたいものなんて、何日も前から分からないし、お互い時間に余裕があり、美味しいものにありつけるなら、衝動的で何が悪いのかとも思う・・・(笑)。 ある種のADHD気質というのか、昔から予定を立てて行動をするというのが苦手。 だ

桜に重なるもの

4月に入って、NOMAyado裏の山も俄然にぎやかになってきた。 常緑樹の深い緑をベースに、輝くような新緑が浮かび上がり、そこにアクセントを添えるように山桜が混じる。そのコントラストは生命力に溢れ、まるで山そのものが春を祝っているかのように見える。 「今日はお休みですか?」 山桜を眺めていると、ふいにご近所さんらしき老人に声を掛けられた。 こんなとき、いつも返答に困る。 取り立てて急ぎの用事がなければ、休みとも言えるし、30年以上フリーランスをやってきたというのに、未

宿を立ち上げて1年、これがリアルな今の気持ちです

2024年4月1日、NOMAyadoはオープン1周年を迎えました。 改めて、お越しいただいたすべてのお客さまに感謝、ありがとうございます! 接客の経験はあれど、宿をやるなんてまったく初めてのこと。 手探りながらも、できることをやってきたという気持ちもあるし、多くのお客様を前にしてもなお、果たして本当に宿主としての思いが伝わっているんだろうかという、よく分からない気持ちも湧いてきます。 だから今の気持ちを語るというのは、なかなかに難しい・・・ これまでも、宿を続けてきた中

「戦略」が無いとダメですか!?

最近サッカーを見ていると良く耳にする、「戦略」や「戦術」 一般のサポーターからも、今のサッカー日本代表には、戦略はあるが戦術が乏しいなんていう声が出るようになった。 この「戦略」と「戦術」、最も声高に語られるのがビジネスの世界。 確かに効率的で賢そうに聞こえるが、その正体はいかなるものなんだろうか? 目的に対して、成功のための方向性や考え方を示し、全体像を見据えながら練るのが「戦略」。その「戦略」を実行するための具体的な行動や手段、実際のオペレーションが「戦術」。 ・・

理想を現実に

お客様の到着を待ちながら、過去に書いたnoteの記事を読んでいる。 まだ、このNOMAyadoの影さえも見えていなかったコロナの時代、次々と映像仕事が中断し、悶々とした日々を送っていた頃に書いていた記事の数々。 コロナ禍で家に居ても、何かできることはないかと考え、文章を書くというスキルをとにかく磨こうと「2拠点生活のススメ」というタイトルで、日々感じることをnoteに綴ることにした。 旅先でも、体調不良でも、例えどんなに忙しい日があっても、とにかく1日も休まずに1年間3

世の中捨てたもんじゃない

冬の間は訪れる人も少なかったNOMAyado。 何だか少し自信も失いかけていたのだが、鳴門ワカメの収穫作業が本格化するに従って、にわかにNOMAyadoも賑わい始めた。この1週間、20代から60代まで幅広い年齢の方々が次々と訪ねてきてくださった。 まずは、現在お母さんの介護ハウスと友人のためのゲストハウスを建設中という60代後半のご夫婦。コンピュータープログラマーからログビルダーへ、現在はお父様の会社を引き継いで社長として清掃機械の開発などを行なってらっしゃるそうなのだが

不適切が生み出す癒し!?

奥さんのススメで「不適切にもほどがある」というドラマを見るようになった。 NOMAyadoにはTVはないのだが、TVerがあるのでMacBookさえあれば、ベッドに寝転びながら、食卓に置いてご飯を食べながら、昭和の時代ならお行儀が悪いと怒られるような不適切な方法で毎回楽しみに見ている。(笑) 私もすでに還暦を迎えた立派な昭和のおじさんなので、どうしても小川先生に肩入れしながら見てしまう。だから彼のような不適切と呼ばれてしまう人が、現代人の心を癒す様は、自分みたいな人間が宿

鳴門に春を告げる、新ワカメの水揚げだ!

もうすぐ2月も終わり。 この間お正月だった気がするけど、月日の経つのは早いもの。 1月・2月限定で始めたNOMAyado体験キャンペーン。初めての方に限りお得に泊まれるキャンペーンなのだが、終了間際になって駆け込みで問い合わせをたくさん頂いています。満室で断るなんてGWや阿波踊りぶりのこと。ありがたいことだけど、みんな遅いよ〜。もっと早く気づいてもらえてたら、幾らでも空いてたのに。 少し寒さも緩んで、どこかに出かけたいモードになったということなのか・・・ それとも、どこか

パラレルワーカーという、パラレルワールド!?

昨年3月のNOMAyadoプレオープンから数えて、早いものでもうすぐ1年になる。 宿主としての業務にもようやく慣れてきたこともあり、昨年秋には「泊まるだけじゃないNOMAyado」と銘打って、宿泊される他府県の方だけで無く、地元の方々にも訪れて頂けるイベントを開催することもできた。 一方でこの1年、従来の映像ディレクターとしての仕事も粛々と続けてきた。宿を始めると言うのも初めての経験だが、同時に全く違う2つの仕事を遂行するというのも初めての経験。 こうした2足のわらじ的

味変を楽しむ

徳島と兵庫の2拠点生活を始めて、早7年目に突入した。 2拠点をしているからこそ分かることだが、徳島産の魚も肉も野菜もクオリティが抜群。しかも新鮮で安い、兵庫で魚は食べなくなったし、野菜も正直食べたく無い だから、鳴門から帰る時は、新鮮な地場野菜や果物、肉や魚なんかもしこたま仕入れて帰る。先日も帰って、もつ鍋をしようと思いつき、いつも行く鳴門の精肉店でミノやらテッチャンやらを仕入れ、新鮮な春キャベツやニラも買い込んで帰った。 もつ鍋は何と言ってもスープが命。圧力鍋でもつを

哀れなるものたち

今年に入ってまだ1ヶ月だというのに、何かと心乱される話題が多い。 地震の際には、人の善意に付け込んで再生回数稼ぎのフェイクニュースが横行したり、売れたら勝ちとばかりに週刊誌が暴走、真偽もまだ分からないというのに人が次々と抹殺されていき、TVがそれを煽る。SNSでは正義を振りかざした毒が次々と撒き散らかされ、際限なく拡がって誰も止められないという有り様。 じゃあ、TVもSNSも見なきゃいいじゃんということなのだが、ジムや食堂、サウナの中にもTVはあるし、目に入るとつい気にな

人はそのままでパーフェクトな存在

前にも書いたかもしれないが、元々自己肯定感がそんなに高い方ではない。 非難されると落ち込むし、褒められても疑うという、ややこしい性格(笑)。 このところ、ついてないというか、思い悩むような事が多くて、すべてが自分のせいではないのに、何となく自分を蔑むような気分が続いていたのだが、表題の言葉に出会って、心の中に立ち込めていた重い霧が一気に晴れた。 これまで、人間は未熟な存在、罪深い存在で、だから常に精進が必要だし、修行や信仰によって徳を積む必要がある的な話を信じ込まされてき