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今のIllustratorならできる 「アウトライン化」しなくてもできること

Illustratorでテキストを図形化する「アウトライン化」。今のIllustratorなら「アウトライン化」しなくてもできることが増えています。

① 文字タッチツール
② グリフにスナップ
③ 天地中央に整列(グリフの境界に整列)
④ PDFへのフォント埋め込み



アウトライン化しなくてもできること-02

文字タッチツール

垂直比率、水平比率、カーニング、回転、ベースラインシフトを調整できます。

  • 大きさ変更を行う際には右上の「○」をドラッグしましょう。

  • 文字を移動したいときには、左下の●を使わなくても、文字の上のドラッグでOKです。

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ちょっとしたコツ

  •  「左寄せ」にしておきましょう。「中央揃え」になっていると、全体が動いてしまい、作業しにくいです。

  • 1行で使うのが無難です(複数行でも問題はありません)。

  • 垂直比率、水平比率を変更することで、見かけの文字サイズが変わると細く見えたり、太く見えたりします。大きく変更すると、ウェイトなどを調整する必要が生じます。

  • 「メトリクス」(旧「自動」)を選択しているときには、[OpenType]パネルで[プロポーショナルメトリクス]オプションをONにしておきましょう。意図せぬ箇所が動いてしまうのを避けられます。

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文字タッチツールは、2013年リリースのIllustrator CCからの機能。英語版ではTouch Type Toolです。

なお、[文字タッチツール]は、[文字]パネルの各項目の値をグラフィカルなインターフェイスで調整しているだけ。 そのため、[文字タッチツール]がないバージョンに保存してもアウトライン化されることはありません(再編集は厳しいですが)。

そうでした!! キーボードショートカットはshift + Tキーです!

2013年からある機能ですが、それなりに知名度はありますね。




アウトライン化しなくてもできること-03

グリフにスナップ

《従来》アウトライン化しないとき

  • スナップするのはテキストのアンカーポイント(1点)のみ

  • テキストの角などにスナップすることはできない

《現在:グリフにスナップ》

あたかもアウトライン化したように、アンカーポイントにスナップしたり、ボディの中心にスナップできる。

前提条件として「グリフにスナップ」機能を使うには、次の2箇所がオンになっている必要があります。

  • [表示]メニューの[グリフにスナップ]

  • [文字]パネル下部の[グリフにスナップ]

スナップの対象になるのは次の6つ。ボタンは個別にON/OFFできます。

  • 仮想ボディ

  • 仮想ボディの中心

  • グリフの境界

  • ベースライン

  • 角度ガイド

  • アンカーポイント


グリフにスナップの緑色のガイド(グリフガイド)が見えにくい場合には、環境設定の[スマートガイド]カテゴリにて[グリフガイド]のカラーを変更します。

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グリフにスナップは、2020年リリースのIllustrator 2000(24.3)からの機能です。

正確には、2021年2月リリース(バージョン 25.2)のタイミングで「日本語のグリフにスナップ」の機能がつきました。

https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/snap-to-japanese-glyph.html

2年前に追加された機能ですので、まだまだ知らない方が多いようです。



アウトライン化しなくてもできること-04

天地中央に整列(グリフの境界に整列) 

[整列]パネルメニューの[グリフの境界に整列]をオンにすると、見た目のとおりに(期待通りに)揃います。
デフォルトはオフ。ポイント文字、エリア内文字、個別にオンにできます。

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常にオンでいいんじゃない?と思いますが、要注意です。ディセンダーの有無が混在しているときなど、ベースラインに揃わなくなってしまいます。

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天地中央に整列(グリフの境界に整列)は、2020年リリースのIllustrator 2000(24.3)からの機能です。

Illustrator 24.3(2020年8月リリース)以降、エリア内テキストの天地中央も可能になっています。


PDFへのフォント埋め込み

IllustratorからPDFを作成するとき、どの「PDFプリセット」を選択していても、フォントのアウトラインデータが埋め込まれます。

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正確には「サブセット」といい、使用されている文字のアウトラインデータのみが埋め込まれます(サブセットの対義語はフルセット)。

すなわち、PDF化するためにテキストをアウトライン化する必要はありません。入稿先によって必要になることがあるかもしれませんが、レビューのために送付したり、サイトで公開するPDFではテキストをアウトライン化しないようにしましょう。

テキストがアウトライン化されていると、利用される方の利便性を著しく損ねてしまいます。

  • PDF内で検索ができない

  • テキストのコピーができない(注釈=校正指示もしにくい)

文字として拾われること(コピーされること)を避ける場合には「セキュリティ」の設定にて行います。

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Adobe Blog

アドビブログにて、軽めにリライトしたものを掲載いただきました。

1回目(2020年3月)

2回目(2020年4月)


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