
Illustratorのツール選択のキーボードショートカットの自由度を高める
まずは基本
説明するまでもなく、IllustratorではVキーで[選択ツール]、Pキーで[ペンツール]、Iキーで[スポイトツール]のように、ひとつのキーを叩いてツールを切り替えることができます。
しかし、Illustratorには86個のツールがあり、アルファベットすべてを使っても足りませんので、[アートボードツール]などは、shiftキーを組み合わせて「shift + Oキー」で呼び出します。
何が問題なのか?
たとえば、選択しているテキストに[スポイトツール]でカラーを適用したいとき、Iキーを押すとテキストとして挿入されてします。
インラインで選択したテキストに、他のオブジェクトの色を適用しようと思い
— 宮澤聖二|三階ラボ (@onthehead) August 7, 2020
スポイトツールのショートカットキー(i)を押してしまったときの悔しさ #illustrator pic.twitter.com/6x3ppdrYAO
JavaScriptを使う
Illustrator 2020から、ツールの切り替えにJavaScriptを利用できるようになっています。
Illustratorスクリプトでツール切替ができるようになった。多分2020から。ツール名はSDKのAIToolNames.hを参照。
— したたか企画 (@sttk3com) July 15, 2020
ExtendScript:
app.selectTool('Adobe Pie Graph Tool') ;
AppleScript:
tell app "Adobe Illustrator" to Select Tool tool name "Adobe Pie Graph Tool"
マクロ(1)
そこでKeyboard Maestroの出番です。
次のようにマクロを組めば、自由にキーボードショートカットを設定できます(私は左手だけで使えるようにcontrol + Eにしました)。
ほかのツールで使いたいときには、「Adobe Eyedropper Tool」を書き換えます。
app.selectTool('Adobe Eyedropper Tool');
Keyboard Maestroは直接JavaScriptを書くことができないので、AppleScript経由で実行できるように“おまじない”的なアクションを入れておきます(こちらはノータッチでOK)。
tell application "Keyboard Maestro Engine"
set executeJS to getvariable "Jsx_code"
end tell
tell application "Adobe Illustrator" to do javascript executeJS
マクロ(2)AppleScript
「Execute an AppleScript」アクションを使う場合には次のように記述します。
tell application "Adobe Illustrator" to Select Tool tool name "Adobe Eyedropper Tool"
マクロ(3)プラグイン
したたか企画さんのKeyboard Maestroプラグインを入れている場合には、むっちゃシンプル。
今後もKeyboard Maestroを使って行こう!!という方は、ぜひとも購入すべきプラグインです。
マクロのダウンロード
上記3つのマクロが入っています。
ほかのツールはどう指定する?
したたか企画さんがNotionにてまとめてくださっています。
IllustratorスクリプトのexecuteMenuCommand(menuCommandString)の動作確認を500件くらいした。ぼかしガウスなどSDKの記述が間違っている部分も何件かあったから,多分このリストが世界一詳しいと思う。リピート関連コマンドも追加した。
— したたか企画 (@sttk3com) February 13, 2021
[Illustrator Reference](https://t.co/8d2GGaJ9ls)
こちらの「toolName」をコピー&ペーストします。
トリビア:なぜ、Iキー?
[スポイトツール]を呼び出すキーボードショートカットは「Iキー」です。これについて、次のように予想しています。
・[スポイトツール]の英語名はeye dropper tool
(直訳すると目薬/点眼器ツール)
・eye=I(発音が同じ)
#Illustrator #キーボードショートカット
— DTP Transit (@DTP_Transit) December 17, 2018
[スポイトツール]を呼び出すキーボードショートカットが、なぜ「Iキー」なのか、について、次のように予想しています。
・[スポイトツール]の英語名はeye dropper tool(直訳すると目薬/点眼器ツール)
・eye=I pic.twitter.com/XsaF5i69nu
番外編:キーは大文字?
iOS 9からキートップが小文字になりました。
よくよく考えるまでもなく、「タップすれば小文字、shiftキー/caps lockで大文字」ですので、キートップが小文字なのは当然と言えます。
Illustratorのツールのキーボードショートカット表記も検討の余地がありそうです。
ここから先は
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