「色覚特性」と、これからのクリエイティブ
「色盲」や「色弱」「色覚異常」から「色覚特性」「色覚多様性」へ
「色盲」や「色弱」「色覚異常」は《劣っている》や《正常ではない》というニュアンスを感じさせます。
色の認識・識別が多数派と異なるだけと解釈され「色覚特性」「色覚多様性」と呼ぶことが一般的になりつつあります。
このようなツイートをしたところ、当事者の方からコメントいただきました。
次のようなコメントも。 → 確かに!!!
そのほかにも、結構キツいコメントをいただきました。
私自身、このような〈言葉遊び〉のような言い換えには、どこかしっくりこないものを感じます。
次のような点から、デザイナーの基本素養として把握しておくべきこととして、そのきっかけになればよいと思います。
• ほんの一部の方ではなく、たくさんの方(20人に1人)が抱えている問題
• 本人は認識していないこともある
• 危険や注意など、重要な情報がきちんと伝わらないことがある
まずは知ること
「青年男性の20人に1人は何らかの色覚的な問題を抱えている」という統計もありますが
その一方、自覚のない人も増えていると話題になることがあります。
Illustrator、Photoshopのソフトプルーフ
PhotoshopとIllustratorは、CS4(2008年)からソフトプルーフ(簡易シミュレーション)を実装しています。
・P型
・D型
すぐにできるので、やってみましょう!(T型には未対応)
2008年といえば、13年前ですので取り組みとしては早いですね。
Adobe Colorの「コントラストチェッカー」
Adobe Colorに新しいアクセシビリティ機能として「コントラストチェッカー」が追加されました。
1. ツールの[コントラスト…]をクリック
2. WCAGレベルを選択。WCAGはWeb Content Accessibility Guidelinesの略で「ウィキャグ」と呼びます。
この流れでカラーテーマの作成を作成する「コントラスト比」が表示されます。
「4.5 : 1」がクリアすべき基準です。
余談:「4.5:1」という表記がアクセシブルでない…
「4.5 : 1」ならまだしも「4.5:1」と記述するのは、アクセシビリティ以前にどうかと思います… 「450%」とか「9:2」みたいな書き方があったのではないかな〜
WCAGについては、こちらのページについて詳しいです。
Adobe Colorの「コントラストチェッカー」、アドビなのでもちろん、オチあり…
Logo Lab
ロゴであれば、T型もサポートしているLogo Labが重宝します。
ウェブページのチェック
ウェブコンテンツを作られている方は、どのブラウザでも使えるColorblind Web Page Filterが重宝します。
Google Chromeをお使いであれば、Colorblindlyという拡張機能があります。
OS標準のソフトプルーフ
macOSの「カラーフィルタ」
システム環境設定の[アクセシビリティ]内の[ディスプレイ]の[カラーフィルタ]にてソフトプルーフが可能です。
グレイスケールにもできます。
Windows
こちらの記事を参照ください!
まとめ
確かに名前を変えても意味はないのですが、まずは多様な見え方があることを知ること、そして、それに配慮した制作を行うという足がかりになります。
タイミングよく、このようなツイートが話題になっていました。
とよとよ/ストックイラストさんからの実用的なコメント。
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