【人材業界・経営者・リーダシップ】最近企業の不正の話が多いですが、原因は名ばかりビジョン経営が蔓延っており、それは経営者の器が合っていないからです

こんにちは、流しの経営戦略作家の富岡です。
やはりこの話題に触れないといけないなと思います。
高い目標(という名のノルマ)と不正(以外にも学習性無力感が蔓延る)の相関性です。

ここのところ大企業などで大きな不正が続けてバレ始めています。

日産自動車さんの無資格検査、神戸製鋼さんのデータ改竄、建設業界でも耐震偽装などがあります。
これ、いくら対処療法的なことをしてもダメで、ある意味、日本型組織マネジメント制度に歪みが生じてきているかと思っています。

なんでこうなるのでしょうかね。
利益偏重経営の経営者、ピーターの法則による経営者の無能化、組織文化、市場環境、色々な意見があると思いますが、ボクはあえて「高い目標数字”のみ”を追わせる」日本型マネジメントにあるのでは?
と疑ってみます。

高い目標を追う。


これ、非常に大事なことだとは思いますが、みなさまの会社でも実際の運用はどうでしょうか?
目標がノルマ化していませんでしょうか。
達成しても当たり前か少額の昇給、外せば降給・降格にまっしぐら。
同じ1万円でもメンバークラスにとって、上がる時と下がる時では印象はだいぶ違うと思います。
結果的に外すと今の生活が儘ならない状況を作りやすいのでは無いかと思います。

なぜこのようになってしまうかというと、2つの要因があると考えます。
①目標がノルマ化するほどに追い詰める稚拙なマネジメント
②ビジョン経営を掲げながら、実は昭和な体質と仕組みの組織構造

目標がノルマ化するほどに追い詰める稚拙なマネジメント

みなさんの会社では、数字目標を戦略と呼んで、キックオフmtgとかで目標だけ共有していたりしませんか?
大丈夫ですか。大丈夫ですよねきっと。
また、似ているもので言うと、キャッチフレーズも多いですが、大丈夫ですか?
キャッチフレーズを”言ってるだけ”になってませんよね。

例えば、前期の結果が100だとして、今期の目標が120を目指すとします。
この+20を「どんな戦略で達成するのか」を伝えることが非常に大事です。
戦略とは、非常に簡単に言えば、
・市場浸透戦略
・新市場戦略
・新製品戦略
・多角化戦略
の4つがありますが、人材業界に限らずサービス業ではこの辺の戦略を語ることが少ない印象です。

超簡単な言い方をすると、
社長:経営戦略作り・資源調達・人材調達
事業部長:事業戦略作り・資源配分・人材配置
部長:機能戦略(集客、営業など)作り・資源運用・人材運用
と最低限これだけ機能してくれれば、会社は成立するものですが、これができていないところが多いと思います。

「計画」が無いことが当たり前のようにある。
これそんなことないだろ?って思いがちですが結構あります。
目標っていうKPIはあってもそれがどんなロジックで成り立つのか。
これを期が始まる前に設計する人はほどんどいません。
これが、製造業は世界と戦えるようになっても、サービス業の生産性が指摘され世界と比較すると効率が3倍悪いとも言われる所以なのではと思います。
計画がないので、PDCAがおそらく回っていません。
こういう企業でよく見るのは、C(チェック)の時に何が何だかわからない状態に陥ります。
こういう場合は計画をしっかり作ることからお勧めします。

もう一つ、”結果を指示する”ことが多いと感じます。
例えば、プロセス分業で組織を作っている企業で
「今月10決定やろう!」
みたいな会話が当たり前になっていませんか?
この決定って、当事者にとって近い、手の届く存在にしてあげてますでしょうか。メンバーが関与できますか?ってことです。
ボクはプロセス分業はあまりオススメしない主義で、理由は大きく2つあります。
・経営関与度が薄くなるので、優秀な人ほど退職がしがち
・他責にしがちなので、「後工程はお客様」的なキャッチフレーズを言い続けるマネジメントコストが意外と高い
という理由であまりお勧めはしません。

などなど様々な理由はありますが、数値結果を強く押し付けて毎日のように結果ばかりを追いかけさせていると疲弊しますので、不正という禁断の手に行く人も出るのではと思います。
それよりもアクションを取り続けさせるのが良いと思います。
プロ野球の野村克也監督のように、
❌:結果
じゃなくて
⭕️:結果の出る確率の高い行動
をちゃんと再現性高く取れているのかを管理することが大切なのではないかと思います。

ビジョン経営を掲げながら、実は昭和な体質と仕組みの組織構造

これだけでも1テーマいけそうなので、本日は軽く触れます。
多くの会社で間違っているなーと思うことを挙げてみます。

①優秀な部下を使いきれない(というか理解できない経営者・上司たち)
②「選ばれる」というテーマを掲げながら、「選ばせる」サービス
③ターゲティングができていると思っている

①優秀な部下を使いきれない

これ、面白いんですけど、みなさんが勘違いしてそうなことを書いてみます。
・「提案して」っていう経営者ほど、経営戦略は提案して欲しくない
・自分より優秀な部下の提案はたいてい理解できないので通らない
・仕事のチャレンジは推奨するが、自分と同じ役職のチャレンジは推奨しない
みたいはことが背景にはあるので、うまく理解して組織人として振る舞いましょう。

②「選ばれる」というテーマを掲げながら、「選ばせる」サービス

これもピーターの法則通りなのか、サービス業ってチャラい人が出世する傾向がありそうな企業もあります。
そういう企業って大抵は営業力で「選ばせてきた」過去の経験から脱却できないのではと思います。
マーケティングとは本来は「放っておいても売れる仕組みを作ること」ですが、
集客オペレーションを実施しているだけのことが多いですし、世の中の求人もマーケティングを名乗った集客オペレーション担当のことが多いです。
このマーケティング感覚ってホント持っている方が少ないので、経営者がガチガチの営業脳だとマーケティング脳のことは理解できないので、「難しいこと言ってるな」で終わってしまうことが多いです。

③ターゲティングができていると思っている

一例でターゲティングのことを挙げていますが、なんでも深堀できていない会社が多いのかなと思います。
そういう経営者に限って自分はできていると勘違いしているケースが多いですので、やっぱりいつまでも謙虚さは大事だなと思います。

本日は企業の不正の理由から経営について深堀しました。
個別の改善策はたくさん手がありますので、DMなどいただければお役に立てるかと思います。

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