駆け込み!東京都現代美術館(デイヴィッド・ホックニー展/「あ、共感とかじゃなくて。」展)
紹介記事を見て気になっていた「あ、共感とかじゃなくて。」展、そして「『ほ』から始まるいっぱい欲しいもの」ことホックニーの絵画も一堂に会していると聞いて、慌てて行ってきました。
会期は来週(〜2023/11/5)まで!駆け込むなら今!
デイヴィッド・ホックニー展
「春が来ることを忘れないで」から始まる展覧会。全編通して、花、自然、そして人への愛……をふんだんに感じました。
《リトグラフの水》の作品群はコレクション展の方にも一部があって、そのどれもがちょっとずつ違っていて、見ててわくわくしたな〜。
肖像画の章は、まさに"人への愛"という感じだった。
何気ない横顔こそが本当に愛おしい一瞬なのだろうな。生活のすぐそばにある美しさがそこにありました。
《(額に入った)花を見る》もとっても良かったです。目の前にするとデカくてすごい。愛。
「視野の広がり」の章では、キュビズム的な視点から描いた部屋、特に椅子のモチーフを通して表現が練り上げられていく感じが面白かったです。
そして中でも《スタジオにて、2017年12月》が一番好きだな〜と思いました!
ホックニーの描いた世界にホックニーが囲まれていて、それを3DCGの技術で描いた作品を私が見ている……という多層的な構造に引き込まれました。
《四季、ウォルドゲートの木々》
部屋の壁の四面に、春、夏、秋、冬の景色を歩く様子を写した映像作品が流れていたのですが、移動する映像に合わせて幼い子がテクテク足踏みをしていたのが可愛かったです。
わかる!そうやりたくなるよね〜!!
《ノルマンディーの12か月》は、圧巻の、90m超の作品。ぐるっと展示を歩いて見ていくのが散歩みたいで、描かれた景色に囲まれてなんだか空気も爽やかに感じて、不思議な体験でした。
iPadで描かれた作品もたくさんあり、そのメイキングがモニターに流れていて、筆致が光を捉えていく過程がテテテテテと流れていくのが鮮やかで良かったです。
もし時間があったら1日中見てられたな……。
それにしてもホックニー展、めちゃくちゃ混んでてびっくりしました。
図録とかも気になったけどショップが並びすぎていて断念。「ポストカード(ワイド)」が、ポストカードと言いつつ作品そのままの縦横比で突き抜けていて、かなり欲しかったです。
「あ、共感とかじゃなくて。」展
一見突き放すようなタイトルでいて、コンセプトはどこか身に覚えがあるような、5人のアーティストの作品の展覧会。
特性に合わせた来る人(/来られない人)のための工夫というかが随所にあって、多様な参加方法が担保されている感じが居心地良かったです。
「共感」に押し込めるのではなくて、丁寧な対話を探求する。そのためには、わからないなりに想像してみる、想像しなければならないのだというある種の途方もなさ。
すこしふしぎな仕事たちを描いた有川滋男の作品は、まさにそれと直面する時間でした。
渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)の作品は、
暗い展示室に月が浮かんでいて、なんだか救われたような気持ちになる空間。
それぞれの人にそれぞれの「月」があって「部屋」があって、私にも私の「月」があり「部屋」があることを深く感じられる。
そのことが自分の日々に寄り添ってくれる(そして私は、誰かの日々に少しでも寄り添えるだろうか)と思いました。
中島伽耶子の作品 we are talking through the yellow wallは、大きな黄色い壁に隔てられていて、仕掛けによって壁の向こう側がわかるようなわからないような、ちょっとくらいはわかるような。
「見えない部分にあるものを置いています」「トランスジェンダーの人たちの存在を示すもの」と解説にあって、
私は本棚に「壁」の全貌のスケッチを見つけて、そこで気が付きました️🏳️⚧️
見えないものを想像するって難しいけれど大切で、なんとか考え続けるしかないですね。
東京都現代美術館、久しぶりに来たのですが、美しいもの、難しいものにたくさん触れることで日頃のあれやこれやから離れられる、とっても良い時間でした!
旅と美術館の組み合わせで頭の中を完全にリフレッシュできました。
新幹線を1本遅らせつつ、Suicaの残高は2円、携帯の充電は4%でギリギリ帰りました。
楽しかったです。
前回の爆速東京旅の様子
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