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宇都宮ブレックスに加入したLJ・ピークの特徴をまとめてみた

こんにちは、hiroです。新シーズン明けましておめでとうございます。今後とも宜しくお願いいたします。

今回はブレックスへの入団が発表されたLJ・ピークについて特徴などをまとめていこうと思います。ブレックスでは17-18シーズンに活躍したセドリック・ボーズマン以来のアウトサイドを主戦場とする外国籍選手獲得のワクワク感をそのままに書いたnoteになります。

19-20シーズンイタリアでプレーした試合を2試合、ルーマニアでプレーした試合を3試合見ての雑感になります。もしかすると過去の経歴など間違っている部分がある可能性はありますが、その時は優しく教えて下さい。少しでも参考になれば、ワクワクして頂けたら幸いです。

では早速書いていきます!

追記:21-22シーズンは熊本ヴォルターズでのプレーが決まりました。熊本ブースターの方にも参考になれば幸いです。

プロフィール

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LJ・ピーク - L.J. PEAK -
フルネーム:Darryl Leon Peak Jr
国籍:アメリカ合衆国
2019-2020シーズン所属チーム:パラカネストロ・ヴァレーゼ (イタリア 🇮🇹) → クルジュ=ナポカ (ルーマニア 🇷🇴)
年齢:24歳
身長:196cm
体重:98kg
ポジション:SF
NBAの経験:2017年ロケッツの一員としてサマーリーグで4試合プレー
代表経験:2015年U19アメリカ代表の一員としてU19ワールドカップ優勝


ブレックス加入までの経歴

ピークの出身はアメリカのサウスカロライナ州で、高校時代から名を馳せた選手だったようです。サウスカロライナ州の最優秀選手にも選ばれるくらいの逸材。

大学時代は名門ジョージタウン大学で活躍し、2015年に行われたアンダー19のワールドカップでアメリカ代表に選ばれ見事優勝。ですが、スタッツを見るとあまり活躍は出来なかったようです。ちなみに、当時のアメリカ代表のメンバーを見てみると、ジェイソン・テイタムを筆頭に半数以上の選手がNBAでプレーしています。

▲決勝のアメリカ 79-71 クロアチア
ピークは15分出場5得点1リバウンド1アシスト

▼2015 FIBA Under-19 World Championshipの時のスタッツ

7試合 平均13.6分出場 3.6得点 1.1リバウンド 0.9アシスト

そんな彼ですが、ジョージタウン大学では1年生から約25分のプレータイムを貰っていてカンファレンスの新人ベスト5に選ばれたり、3年生の時には平均16.3得点3.5アシストとオフェンスの主軸として活躍したようです。

▼ジョージタウン大学時代のスタッツ

3年生終了時にNBAドラフトに臨みましたが指名されず。その後、ヒューストン・ロケッツのメンバーとしてサマーリーグで4試合に出場。その活躍を認められてかボストン・セルティックスと2way契約を結びトレーニングキャンプに呼ばれましたが、ボストンには残れませんでした。

結局Gリーグのセルティックス傘下のチームにあたるメイン・レッドクローズでプロキャリアをスタートさせます。

レッドクローズでは46試合に出場し平均31.4分プレーし、平均12得点3.1リバウンド3.4アシストと主力としてプレーし、ハイライトのようにホットな試合も多数ありました。上のハイライトでマッチアップしてるのはレイカーズでプレーしてるカルーソですね。ちなみに、馬場雄大はカルーソを目標にしてるみたいです。
ピークはGリーグ時代はバリバリのハンドラーで点を取りに行ってたようですね。

▼Gリーグ時代のスタッツ

Gリーグでプレーした翌シーズンはニュージーランドでプレーし(17試合平均30分出場で平均20得点)、その翌シーズンの18-19シーズンはイタリアでプレー(29試合平均29.5分出場で平均13得点)。この2シーズンについては割愛しますが、ブレックスの加入リリースの時に使われていたプレー動画は昨シーズンではなくて18-19シーズンのものでした。コレ▼

そして19-20シーズンも同じイタリアでプレーしましたが、最下位だったチームから中堅のチームに移籍して19試合にプレー。その後、今年の1月の終わりにルーマニアでリーグ戦1位のチームに移籍し、カップ戦含め5試合に出場しました。

今シーズンのハイライト動画が無かったので、イタリア時代の試合とルーマニア時代の試合映像はこの下に貼っておきます。

そして、新シーズンからはブレックスでプレーするといった流れです。ですが、その前にアメリカで行われるTBTという大会で、ピークはクリス・ポールがGMをしているチームの一員としてプレーすることが決まっています。TBTといえば、去年我らがジェフ・ギブスがプレーしたチームが優勝した大会になります。くれぐれも怪我無く終わりますように…


19-20シーズンのスタッツと試合映像

【イタリア時代のスタッツ】
19試合出場 18試合でスタメン 平均26.3分プレー
平均10.2得点 2.8リバウンド 1.1アシスト 0.9スティール 1.4ターンオーバー
3P 1.4/3.3 41.9% FT 74.5%

ルーマニアでは5試合のみしかプレーしていないので、イタリア時代のスタッツが参考になるかと思います。

試合映像はイタリアのチーム、ルーマニアのチームともに2試合ずつ計4試合貼っておきます。貼った試合は全部見ましたが、何も考えずに見るならルーマニア時代の1試合目が一番面白いです !

2019年9月29日の試合
Pallacanestro Trieste vs Openjobmetis Varese | LBA 2° giornata
33分出場 12得点(3P 2/6)2リバウンド2アシスト

2020年1月19日の試合
Openjobmetis Varese vs Allianz Pallacanestro Trieste | LBA 19° giornata
33分出場 20得点(3P 4/5)3リバウンド2アシスト(ゲームハイの得点)

2020年3月4日の試合
U-BT Cluj Napoca v medi Bayreuth - Full Game - FIBA Europe Cup 2019-20
24分出場 19得点(3P2/3)1リバウンド 2アシスト 決勝点を決める活躍
対戦相手に島根に加入したリード・トラビスがいます

2020年3月11日の試合
medi Bayreuth v U-BT Cluj Napoca - Full Game - FIBA Europe Cup 2019-20
34分出場 23得点(3P1/4)10リバウンド 2アシスト
対戦相手に島根に加入したトラビスがいます


19-20シーズンの試合を見てわかったLJ・ピークのプレースタイル

ここからは19-20シーズンイタリアでプレーした試合を2試合、ルーマニアでプレーした試合を3試合、計5試合見てプレー面で感じたことを書いていこうと思います。これは一個人の意見に過ぎないですが、少しでも参考になれば幸いです。

上記の試合のスタッツだけを見ると、「めちゃくちゃ点取る選手じゃん!」って思うかもしれません。Bリーグをよく見ている方だったらディアンテ・ギャレットのような選手を期待してしまうかもしれません。
確かにGリーグ時代やブレックスが作ったハイライトなどの映像を見る感じだと、ハンドラーなのでギャレットのような活躍を期待してしまうかもしれませんが、19-20シーズンのピークの試合映像を観るとブレックスが獲得した理由が見えてきました。それくらいGリーグのハイライトとは違うプレースタイルが見えてきたので、5試合見て感じたことを記していこうと思います。

ピークの定位置はコーナー
ピークはイタリアとルーマニアではSFとしてプレーしていました。彼が所属していた2つのチームは2人のハンドラーでオフェンスを組み立てていて、ピークは基本的にコーナーステイ。なので、一度もボールに触らずにオフェンスが終わることもザラにありました。
ブレックスはPnRを主体に攻撃を組み立てるチームですが、その中でハンドラーをすることが少ない喜多川の方がPnR仕掛ける回数が多いと感じるくらいでした。ボールに触ることが少ないので、平均得点が10点くらいなのだとわかりましたが「こんなにボール触れなくてイライラしないのかな?」と思ってしまうほどです。なので、シュートを打つ本数にもばらつきがあるのかなといった印象です。
ちなみに彼は5試合を見た感じだとボール運びには参加していません。パス出しか定位置であるコーナーに向かいます。

ドライブは速くて鋭い
勘違いしてほしくないのは、ハンドラーが出来ないわけでも無いということです。Gリーグ時代のハイライトのように自分で得点を取りに行くこともできます。コーナーステイしてるだけだと思って侮ると鋭いドライブからとんでもないダングを繰り出します(動画を再生するとダンクのシーンが流れます)。

恐らくBリーグでも彼のドライブのスピードについてこられる選手はそうはいないので、ファウルを貰う回数も多くなりそうな気がします。技術というよりも単純にスピードがあります、これはCBやトミーとは桁違いだと思います。

スリーが41.9%と高確率だった理由
試合のスタッツを見てから試合を見てみると「本当に20点もとるの?」って感じです。「ボールもあまり持たないのに本当にチームトップスコアラーなの?」って思いましたが、ピークの仕事はチームでオープンを作ってくれたチャンスを確実に得点に繋げること。スリーはほとんどがキャッチアンドシュートで、見た5試合では無理にシュートを打ちに行くことがほぼ無いです(再生するとピークがスリーを決めるシーンが流れます)

Gリーグのハイライトやブレックス入団発表に載っていたハイライト映えするようなプルアップジャンパーはほとんど有りませんでした。状況判断も良くて、ドライブからフィニッシュに行ったり、ファウルを貰ったりといったシーンも多かったです。

結論、ボールを持たなくても仕事ができる
オフェンス面に関して一番言いたいのは、ボールをずっと持たなくても仕事ができる選手ということです。Gリーグのハイライトを見た彼とは別人のようにエゴが無く、コーナーステイ出来てスリーも高確率なのはブレックスでも合いそうだと感じました。
ブレックスに以前所属していたCBやトミーはボールを保持した時に力を発揮するタイプでしたし、これまでBリーグで活躍したギャレットやタイラー・ストーンといったアウトサイドを主戦場とする外国籍選手もドリブルしてこそ力を発揮するような選手でした。ピークはキャッチアンドシュートを決めきる力がありますし自分の仕事に徹しているので、5試合を見ただけですがそういった不安をあまり感じませんでした。

ハードワークできるディフェンダー
バックコート陣の外国籍選手において気になるのがディフェンスだと思います。結論から言うと、ピークはディフェンスをめちゃくちゃ頑張れる選手です。
5試合を見た感じだと、オールコートでプレッシャーをかけていましたし、オフボールのディナイもハードにこなしていました。ルーマニア時代に1-3-1ゾーンをやっていたのですが、ピークはトップの位置をやっていました。ブレックスでもディフェンスのオプションに入れても面白そうです。
コミュニケーションの部分はなんとも言えない部分だと思いますが、鵤、遠藤、ピークのバックコート陣のディフェンスは凄いことになりそうだなとワクワクゾクゾクしました。
どんな選手でもシュートが入る日もあれば入らない日もあります。見た試合も1試合シュートが全く入らない試合があったのですが、ディフェンスはしっかりしていました。シュートが入らない日でもディフェンスをハードにこなしてくれる選手なんじゃないかなと期待できます。


ブレックスでピークに期待すること

プレータイム20~25分 平均10得点以上 3P成功率40.0%
手っ取り早くスタッツで言ってしまえば、コレくらいかなと思います。ちなみにですが、17-18シーズンSFでプレーすることの多かったCBは、プレータイム16.6分の平均9.7得点で3P成功率が27.3%でした。ピークには3P成功率は40%は期待したいですし、イタリアでは達成しているのでブレックスでもできるはずです。

プレースタイルは19-20シーズンのように
ブレックスでプレーする時もボールを過度に欲することもなく、チームオフェンスを遂行できるだけのメンタルやバスケIQは持っていると感じました。PnRのハンドラーとしても活躍してほしいですが、コーナースリーを高確率で決めて欲しいですし、ハードなディフェンスを見せて欲しいと思います。

戦術や選手の組み合わせの選択肢が増える
ピークの加入は今まで以上に戦術や選手の組み合わせの選択肢が増えると思います。例えば、秋田がやっていたビッグマンをトップに配置した1-3-1ゾーンディフェンスを、ピークをトップにしてやることも可能ですし、川崎や千葉相手に『on3』で対応も可能。鵤や遠藤、ピークと言ったディフェンス力が高いバックコート陣を形成したり、時にはピークを4番ポジションでプレーさせることもあるかもしれません。いろいろな選択肢が思い浮かびますし、どんな化学変化が生まれるのか今から楽しみです!

言ってもまだ24歳
ここまでいろいろ書いてきて、ハンドラータイプの外国籍選手として期待は大きいと思いますが、ピークはまだ24歳です。この年齢はテーブスに次いで2番目に若い年齢になりますし、田原よりも年下です。学ぶことも多いでしょうし、ブレックスにはベテランも多く日本でのプレー経験の豊富なライアンやギブスもいる。テーブスも言っていましたが、ピークにとっても良い環境かなと思います。若手選手らしく思い切りの良いプレーをして欲しいですね!


終わりに

経歴や5試合見ての雑感は以上です。いかがでしたでしょうか?あくまでも5試合見ての雑感なので、日本で見ると変わっていたり印象が違う可能性があります。ぶっちゃけ、外国籍選手なんて実際にプレーしてみないとわからないです←

ピークは今シーズンから変わったレギュレーションとライアンが帰化したことにより呼べた選手だと思います。ブレックスは17-18シーズンに、3番タイプの外国籍選手であるセドリック・ボーズマンを擁してシーズンを戦った経験があります。CBよりもスリーはうまそうですし、身体能力も高くディフェンスをハードにプレーしてくれそうなので楽しみな選手です。勿論、当時の選手層や戦術とは変わっていますが、3番タイプの外国籍選手を擁して戦った過去の経験が活きてくることを期待しています。安齋竜三ヘッドコーチがどのように最適解を導いてくれるのか、とても興味深いです!

一方で24歳とまだまだ若い選手なので、期待は大きいですが温かい目で見守りたいと思います!

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読んで頂きありがとうございました!

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