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23-24シーズンの宇都宮ブレックス

割引あり

【2024/07/15 更新】
有料部分の24-25シーズンの契約動向の雑感を更新しました(2000文字程度)

昨シーズン初めてCS進出を逃したところから、バウンスバックした23-24シーズン。リーグ最高勝率でCSに出場したものの、まさかのQFで敗退してしまった宇都宮ブレックスについて、ざっくばらんにまとめてみましたので良かったらご覧ください。

有料部分もありますが、無料部分でも量多いので楽しんで頂けるはず。

↓リポスト(リツイート)するとお得になるみたいです


今シーズン:23-24シーズン
昨シーズン:22-23シーズン
来シーズン:24-25シーズン


23-24シーズンのブレックスの成績

東地区順位表

23-24シーズンの成績を細かくまとめてみました!

23-24シーズン:51勝9敗.850
東地区1位 全体勝率1位

RS60試合は文句の付けようのない成績。クラブ歴代最高成績で東地区優勝を勝ち取り、全体1位に上り詰めた。ただ、HCも選手も言っていたけど「CSで勝たないと意味が無い」という点で見ると、否定されているような気持ちにもなってしまう。

東地区の順位変動

過去2シーズンは東地区優勝争いに一度も絡むことが出来なかったが、今シーズンは常に東地区優勝を狙える位置にいた。序盤はずっと2位だったが、1位を争ったA東京とは常に2ゲーム差をキープし、2月のバイウィーク直後に首位に浮上。その後は一度も首位を譲ること無く東地区優勝を勝ち取った。

佐々宜央政権1年目はBリーグ開幕以降のブレックス過去最低勝率。そして2年目はBリーグBリーグ開幕以降のブレックス過去最高勝率を更新。「来シーズンはここから上がるだけ。と思いたいところだ。」と書いたのだが、本当に上がったなぁ。

開幕~11月バイウィーク(14試合):11勝4敗 .786 全体4位タイ

ここからは時期を区切って振り返っていく。
開幕前に高島とギャビンの怪我があり、不安があった中での開幕となった今シーズン。この期間は東地区優勝を争ったA東京、中地区優勝の三遠、西地区優勝の名古屋Dなど、上位チームとの対戦も多かった。今思うとスタイルが確立されていない時期だったが、ディフェンスは開幕から良かったし、個の力で上位チームからも勝ちを拾えていたのは大きかった。

11月バイウィーク明け~2月バイウィーク(25試合):21勝4敗.840 全体2位

ギャビンが11月のバイウィーク中の怪我で約2ヶ月欠場した時期。この間、竹内公輔のパフォーマンスが素晴らし過ぎた。この時期からブレックスのオフェンスが豹変し、リーグ屈指の3Pチームになった。ベンチスタートだった遠藤が12月途中からスタメンに昇格し、リーグ最強のスプラッシュトリオが誕生。1月の琉球戦GAME2の勝利から21連勝が始まった。

天皇杯:準決勝敗退

天皇杯 トーナメント表

久しぶりに下から勝ち上がっていくことになった天皇杯。開幕前に行われた2次ラウンドでは中地区優勝した三遠といきなり対戦し勝利、3次ラウンドでは外国籍がジェレット1人と苦しい中でも名古屋Dに快勝、年明けの準々決勝横浜BCにも危なげなく勝利し昨シーズンと同じく準決勝まで戻ってきた。

相手は昨シーズンと同じ千葉J。序盤からリードを広げ最大21点差に開いたのだが、徐々に機能不全になり大逆転負け。後半は比江島のファウルトラブルと、ニュービルのところでボールが止まりオフェンスが停滞してしまった。これを教訓にここから成長していこうと誓った試合だったと思う。

2月バイウィーク明け~(21試合):20勝1敗.952 全体1位

天皇杯は負けたもののリーグ戦はバイウィークを挟んでも勢いは止まらず。バイウィーク明けの24節で今シーズン初の東地区1位に浮上し、4月の北海道戦で負けるまでリーグ2番目の長さの21連勝。連勝が止まった後も勢いは止まること無く東地区優勝を勝ち取った。

チャンピオンシップ:QF敗退

4月に入る前に一番乗りでCS進出を決めたブレックス。CS初戦の相手はRS4戦全勝したものの天皇杯で負けている千葉J。結果は1勝2敗でQF敗退。GAME1は前半でBリーグ以降クラブワーストタイの54失点とディフェンスが崩壊し完敗。GAME2は1Qで0-15のランで走られ終わったと思ったが、2Q17-0のランをやり返して最終的には守り合いに持ち込み1勝1敗に戻した。GAME3も千葉Jのオフェンスを止められずも粘って付いていき3Qで逆転。しかし、ターンオーバーやオフェンスリバウンドから失点が増え勝ち切れず2度のオーバータイムに。お互いに死力を尽くした戦いは最終的に千葉Jが制しQFでの敗退が決まった。改めてRSとCSは別物だと思わされた結果と内容であった。これについては後ほど詳しく。

対東地区:24勝4敗.857 全体1位

東地区 対戦結果

ここからは条件別の成績を見ていこう。
昨シーズンの振り返りnoteに「千葉JとA東京には苦しい試合が多かったし、こことの差を埋めるためにオフから頑張って欲しい」と書いたのだが、CSでは千葉Jに負けたもののA東京にも互角に戦えてはいたのでポジティブだと思う。

対中地区:15勝1敗.938 全体1位タイ

中地区 対戦結果

中地区は実力的には一番弱い地区だったが、中地区上位争いは昨シーズンよりも熾烈で、実際の成績より一筋縄では行かない曲者が多かった。その中でも、接戦になった試合を全部勝ち切って中地区優勝の三遠との1敗のみという素晴らしい成績だった。

対西地区:12勝4敗.750 全体3位タイ

西地区 対戦結果

CSのファイナル4に3チームが残っている強豪揃いの西地区にも好成績を残せた。とも思いつつ、負けた試合については正直勝てた試合だったと思う試合がほとんどだった。来シーズンは島根、長崎、佐賀アウェイに行きたい…

ホーム:26勝4敗.867 全体1位タイ

昨シーズンはホームで負け越してしまったが、今シーズンはホームゲームでRS最高の勝率をマーク。ワールドカップからのバスケ人気と好成績の影響もあってか、毎試合チケットソールドアウトの大盛況だった。新アリーナはよ。

アウェイ:25勝5敗.833 全体2位

アウェイでも好成績を残せたブレックス。他地区からCSに出場したチームとの対戦は三遠以外がアウェイでの対戦だったが、25勝出来たのは立派だと思う。

対勝率5割未満:24勝2敗.923 全体2位タイ

昨シーズンは下位チーム相手に取りこぼしが多かったが、今シーズンはそこまで取りこぼすことが無かったことが好成績に繋がった。昨シーズンから勝率2割アップ。

対勝率5割以上:27勝7敗.821 全体1位

昨シーズン勝率5割以上相手の成績が3勝17敗だったが、今シーズンは27勝7敗とリーグ全体で見ても圧倒的な好成績。昨シーズンは上位チームにほとんど勝つことが出来なかったが、今シーズンは上位チーム相手でも勝ち切る事が多く良い試合が多かった。RSではどんな相手に対しても勝つ術を持っていたと言えるだろう。


開幕前に思った期待と不安

開幕前に書いたnoteに書いていたことの答え合わせ。基本的にRSの話。

↑今シーズンのブレックスの特徴についてはこちらのnoteを御覧ください。

ペースアップ

昨シーズン→今シーズン

公式ペース:67.70(24位)→69.74(22位)
速攻からの得点:8.72(22位)→9.85(18位)

開幕~11月BW→11月BW明け~2月BW→2月BW~

公式ペース:70.23(20位)→69.36(22位)→69.86(21位)
速攻からの得点:12.43(7位)→9.24(15位)→8.86(19位)

開幕~11月BW(14試合)→11月BW明け~2月BW(25試合)→2月BW~(21試合)

シーズン序盤はトランジションの意識が高く、ペースが上がりそうだと思っていたが、シーズンを通して見ると昨シーズンよりはペースは上がったもののトップ3の遅さだった。ペイントにアタックできる選手が限られていたので、トランジションからのオフェンスは来シーズン増えると良いなと感じる。

ペースが遅くなったのはギャビンの負傷離脱の影響だったり、ターンオーバー自体は少ないが連発してしまう悪い癖があったので、それらの影響が大きいのかも。ちなみに、ライブターンオーバーの割合がシーズンが進むにつれて増えていました。

3Pが増えそうな予感

【昨シーズン→今シーズン】

3P成功数:8.48(14位)→11.77(1位)
3P試投数:24.98(15位)→32.18(1位)
3P成功率:33.96%(10位)→36.56%(3位)
FG試投数における3P試投数の割合:39.29%(12位)→49.54%(1位)
総得点における3Pの得点割合:34.55%(7位)→43.26%(1位)

正直3Pに振り切り過ぎだと思ったし、ここまでの3Pチームになるとは思わなかった。

バイウィークで区切ってブレックスのFG試投割合を円グラフに落としてみた。11月のバイウィークを境に3Pの試投割合が増えているのがわかる。

ビッグマンの3P

【昨シーズン → 今シーズン】

竹内:0.13/0.50 25.00% → 0.43/1.38 31.25%
ジェレット:1.05/3.57 29.33% → 1.11/3.40 32.47%
フォトゥ:0.22/0.62 36.11% → 0.32/1.00 31.58%

ギャビン:0.68/2.00 34.15%

ジェレットは昨シーズンより若干減っているが、公輔とフォトゥは昨シーズンに比べて3Pの試投数が増えていて、それは11月のバイウィーク以降で増えていた。特に公輔は3P成功率自体はそれほど良いとは言えないが、シュートを打ち切っていたのでチームのオフェンスのリズムが悪くなることがほとんど無かったと思う。たとえノンシューター扱いされても打ち切ることを辞めなかったことが良かった。

スペーシングとカッティング

3Pも増えた影響もありスペーシングが広がっていた今シーズンのブレックス。予想通り、ここ数シーズンの中ではカッティングが増えて、イージーなゴール下の得点やペイント内でのフリーのシュートが多く見られて良かった。

個の理不尽

ニュービルと比江島は2人揃ってレギュラーシーズンベストファイブに選ばれるほど群を抜いた存在だった。彼らが並ぶことにより、ペイントタッチの質が良く、キックアウトからたくさんの3Pを打つことが出来た。だけでなく、勝負所では個の力で決め切って勝たせる試合も多かった。逆に彼らに頼りすぎてしまったというのも、シーズンが終わって感じた本音である。

ペリメーター陣のガッチガチディフェンス

平均失点:69.23(1位)
公式ディフェンスレーティング:99.06(1位)

公式ディフェンスレーティングはBリーグ公式記載の方法で算出

鉄壁のディフェンスを見せた今シーズン。特にハーフコートでのディフェンスは、相手の判断を奪いショットクロックを削ってタフショットを打たせることが多かった。ただ、トランジションのディフェンスは昨シーズンほどではなかったが、良いとまでは言えなかったと思う。

センター不在のインサイド

ペイント内成功数:16.25(18位)
ペイント内試投数:27.57(21位)
ペイント内成功率:58.95%(3位)
FG試投数におけるペイント内の試投割合:42.43%(23位)
総得点におけるペイント内の得点割合:39.83%(21位)

オフェンスリバウンド:11.38(12位)
オフェンスリバウンド獲得率:31.42%(11位)
セカンドチャンスからの得点:11.62(12位)

オフェンス面ではシュート成功率が高かったが、ペイント内の得点数は少なく、もう少しビッグマンの良さを出してあげるようなオフェンスが見られたら良かったなと思う。例えば、ギャビンは19試合欠場した影響もあって、彼のリングに飛び込む良さを出せていたかと言えば、もっと良くすることが出来たと思う。

11月のバイウィーク中の課題として「ジェレットを活かしたい」とHCが語っていたが、開幕から11月のバイウィーク前までペイント内シュート成功率が50.82%だったのに対して、11月のバイウィーク以降は63.59%と成功率が爆上がり。得点も同期間で8.36点から11.42点と増えてはいるが、もう少し増えてもいいと個人的には感じた。ちなみに、ジェレットとフォトゥは51試合以上出場した外国籍選手の中で、得点ランキングでワースト10に入るくらい得点が少なかった。

オフェンスリバウンドに関しては、歴代のブレックスの中で一番少なかった。しかし、オフェンスリバウンドが少なくても気にならないほどシュート成功率が高いシーズンだった。特に終盤戦は。でも、劣勢の時間帯ほどもう少し強かったらなと思うのがオフェンスリバウンド。

相手のペイント内成功数:14.65(2番目に少ない)
相手のペイント内試投数:27.75(3番目に少ない)
相手のペイント内成功率:52.79%(2番目に低い)
相手のFG試投数におけるペイント内の試投割合:44.52%(5番目に少ない)
相手の総得点におけるペイント内の得点割合:42.32%(6番目に少ない)

相手のオフェンスリバウンド:10.67(4番目に少ない)
相手のオフェンスリバウンド獲得率:27.72%(2番目に低い)
セカンドチャンスからの失点:10.35(3番目に少ない)

チームとしてペイント内のディフェンスは硬かった一方で、相手に単騎型のPF(1人で突破して得点するタイプ)がいるチーム相手には苦戦した印象が強い。

相手にオフェンスリバウンドを許すことは基本的には少なかったが、相手のオフェンスリバウンド獲得率がRSの勝ち試合と負け試合を比較すると+5.91%とリーグ4番目に増えていて、負け試合はオフェンスリバウンドを取られている傾向があった。だからこそ、QFのGAME3でオフェンスリバウンドをめちゃくちゃ取られたところは悔やまれる。

ギャビンのファウルトラブル

ギャビン欠場試合:15勝4敗.790

ファウルトラブルどころか19試合の負傷離脱があったのだが、竹内公輔が見事にその穴を埋めてみせた。復帰後パフォーマンスが上がらない時期も続いたし、実際にファウルトラブルになる試合もあったが、「ギャビンが出れなくなっても竹内公輔がいるからな」という安心感を与えてくれるほどだった。竹内公輔無しでは今シーズンの結果にはならなかったと思う。

解決できなかった2ndユニットの日本人PG問題

シーズン序盤は鵤をスタートで起用して2ndユニットのPGをどうするかという中で、ローテーションをずらして鵤かニュービルがコートにいる時間を作っていた。ベンチメンバー的には四家を少しずつ起用しながら、ナベを併用したり試行錯誤する日々。

鵤が川崎戦のコンディション不良からスタメンが変わりベンチスタートになったことで、ファイナルMVPを獲得経験のあるPGがベンチから出てくる贅沢なローテーションになった。ただ、ニュービルをPGで起用する時間が思った以上に増えて、鵤と遠藤の使い分けができなかった。ゲームクロージングでは遠藤よりもコントロール出来る鵤の方が良さそうだけどなぁと思った試合もあった。ニュービルはPGではなくコンボガードだなと1シーズン戦って思ったし、佐々HCはシーズン序盤の茨城戦後の会見で「D.JはPGではないので正直」とも話していた。個人的には、QFの終盤の大事な時間ではもっと鵤を使って欲しかった。

準備不足とピーキング(メンバー全員が揃わずに開幕)

開幕から絶好調というわけには行かなかったけど、ディフェンスと個の力を全面に出して11月のバイウィークまでは乗り切った。11月のバイウィーク以降は、ギャビンの負傷離脱があったものの、代表活動が無く準備を出来た影響もあってか、例年苦しんでいた年末年始を問題なく乗り越えることが出来た。

2月のバイウィークで代表活動があった比江島は終盤疲れが見られたけど、チームとしては好調をキープしCSに乗り込むことが出来たと思う。ただ、高島とギャビンが怪我無く戦えていたらCSでの結果は変わったのかなとおもったり思わなかったり。


ブレックスの23-24シーズン印象に残っている試合

個人的に印象に残っている試合を5試合ピックアップしてみた。今シーズンは現地でもたくさんの勝ち試合を見たし、劇的な試合も多く、最後には悔しい試合もあった。あなたが印象に残っているのはどの試合ですか?

2023/10/15 A東京戦GAME2
A東京 70-71 宇都宮

昨シーズン一度も勝つことが出来なかったA東京相手に1点差で勝利した第2節の試合。この試合はブレックスの3Pが1/13とまさかの1本のみの成功に終わったが、それでも守り勝てた。残り1分の勝負所で比江島がミドルレンジジャンパーを沈め、次のオフェンスでもフリースローを獲得。試合を決めたのはメインデルから貰ったフリースロー。それを鵤が1本決めて、2本目をわざと外し勝利をモノにした。個人的に開幕してすぐにA東京とやれたのは大きかったと感じている。

2023/12/09 川崎戦GAME1 
宇都宮 86(OT)83 川崎

ファジーカスのブレアリラストゲーム。序盤から拮抗した好ゲームで、徐々に川崎がリードを広げて最大12点ビハインドになったが、苦しい時にナベタイムが発動し点差を詰める。この試合は鵤欠場で苦しかったにも関わらず、比江島もファウルアウトして更に苦境に。その中で勝利を手繰り寄せたのは、4Qのオフィシャルタイムアウト後から約9分間を9失点に抑えたディフェンスとOT残り20秒で決めたニュービルの3Pだった。ニュービルも今シーズンの印象的な試合でこの試合をあげている。ブレアリでの川崎戦は好ゲームが多いが、ファジーカスとやるのが最後になってしまうのは少し寂しい気持ちもありますね。

2024/01/21 琉球戦GAME2 
琉球 68-74 宇都宮

前日の試合でフォトゥが負傷して出れず、インサイド事情が厳しい試合だった。序盤から比江島オンファイアーでブレックス優勢で進むが、琉球も3P攻勢で接戦に持ち込まれた。徐々に琉球ペースに行きそうな中でもジェレットと公輔がダブルダブルで獅子奮迅の活躍を見せ、最後はこの試合3Pが不調だったニュービルがニュービルたる所以を見せつけた4Q残り49秒で決めたステップバックスリーが決勝点。ラスト4分半を琉球の得点を0に押さえたブレックスのディフェンスとリバウンドも素晴らしかった。とにかくニュービルとジェレットと公輔の気迫が凄まじかった試合。

2024/03/31 三河戦GAME2 
三河 81-89 宇都宮

今シーズン現地で見た中で一番たぎった試合。この試合を端的に表すと、ブレックスらしくない殴り合いで勝った試合。前半はブレックスが3P攻勢で主導権を握るも、後半は三河の強力な外国籍選手に加えて西田や長野などの日本人選手の活躍で逆転を許す展開。しかも、ブレックス的には不利に感じるジャッジもいくつもあった中での逆転勝利。勝負所プレーしていた選手みんなすごかったけど、その中でもクラッチタイムのニュービルが別格すぎた。ただ、終盤カムバックのきっかけを作ったのが、ギャビンがファウルトラブルで出場した竹内公輔。スティールにリバウンドに渋いビッグプレー連発。ウィングアリーナ刈谷の雰囲気も素晴らしくて、見に行けて良かったなと思ったアウェイゲームのひとつ(チケットもめちゃくちゃ安かった)。

2024/05/13 CS QF 千葉J戦GAME3 
宇都宮 93(OT2)103 千葉J

記憶に新しい今シーズンラストゲーム。この試合から来シーズン更にステップアップしないといけないなと胸に刻みました。詳細は次をお読みください。


QF敗退して感じたこと

無料部分の最後は、QFを観戦し感じたことを書いた。RSとCSでの戦い方は別だということを痛感させられたし、RSの悪いところも出てしまったと感じる。また、今回に関してはHCの差を感じたのも正直なところ。HC歴が5倍も違うのだから仕方無いと言えば仕方無いのだけど。『GAME◯の◯◯について』というわけではなく、主にシリーズ全体で感じたことメインです。とりあえず3試合とも1Qビハインドはキツかった。

ファウルはもう少し上手に使いたかった

これはCSだけでなくRSから感じていたことだが、もう少し戦術的にファウルを使って欲しいとシーズンを通して感じた。トランジションで止めるファウルが少なかったし、抜かれてアンドワンを与えるなら抜かれる前にファウルストップして欲しいシーンも多々。また、3Pが増えるとロングリバウンドが増え、そのまま相手にトランジションを走られやすいのもある。今回のQFでも、千葉Jにトランジションを走られた時も「そこファウル使えたじゃん」と思うシーンがいくつか。ブレックスはトランジションを多く出すチームでは無いので(特に上位チームとの対戦は重くなるし)、余計にトランジションでやられるのは痛いのだ。

富樫対策が竜三HC時代の時の方が優れていた

越谷をB1昇格に導いた安齋竜三HCは相手の長所を消す、相手にとって嫌なことをやり続けるのが得意なHCであり、ブレックス時代も千葉J相手にはそれを徹底していた。が、それは今回は出来なかったと感じた。

富樫勇樹に対しては鵤誠司の存在が大きいと個人的に思っている。オフェンス時はフィジカルを使って1対1でもアタック出来るし、ディフェンスでも富樫にやらせたらいけないことをやらせないを徹底出来るのがリーグで一番上手い選手だと思っているからだ。同い年だしね。

今回のシリーズでは、ブレックスの守備時はニュービルと遠藤が富樫を付くことが多かったが、ニュービルは攻守に負担が大き過ぎたし、遠藤は富樫のスピードに着いて行けず全く止められていなかった。鵤がマッチアップしていた時間帯は、3Pを打たせずチェイスしてうまく守って富樫を苦しませていたように感じたのだが、シリーズ通してプレータイムが多くはなかった(個人的にはもっと出したほうが良いと思った)。

逆のブレックスの攻撃時は、富樫はハンドリングが下手な遠藤に付くことが多く、オンボールでアタックすることが少なかった。遠藤がスクリーナーになったり、比江島と鵤とのマッチアップになった時は積極的に仕掛けていたけど、GAME3に関してはそれほどディフェンスで疲れさせることは出来なかったと思った。それもあってオーバータイムの大事な時間帯に富樫の足が残っていたと言えるかなと。千葉Jはディフェンスの重役を内尾と原が担っていたので。

SFの琉球vs.千葉Jを見ていても富樫をアタックすることは大事だと思ったし、琉球の桶谷HCも試合後の会見で「富樫に関してはしっかりディフェンスをさせるということ。点数にならなくてもディフェンスをさせ続けることで、オフェンスの足を削る事ができた」「3Pやらせない、ポケットパス落とさせない、レイアップはやらせていいよと言っていたが、行き続けるのはしんどいから後半失速した」と富樫対策の徹底具合が会見からもわかった。ブレックスはこれを徹底できなかったことが敗退の要因として大きかった。

やっぱりインサイドって大事だよね

オフェンスリバウンド
GAME1:宇都宮 11-14 千葉J
GAME2:宇都宮 21-12 千葉J
GAME3:宇都宮 15-22 千葉J

オフェンスリバウンド獲得率
GAME1:宇都宮 27.50% - 35.00% 千葉J
GAME2:宇都宮 42.86% - 30.77% 千葉J
GAME3:宇都宮 34.09% - 44.00% 千葉J

リバウンドを制するものがゲームを制するとよく言うけど、まさしくそのような結果になってしまった。特にGAME3の4Qはブレックス0本に対して、千葉Jはオフェンスリバウンドを8本も拾っている。ここでしっかり取り切っていれば40分で勝ってたんじゃないかなと現地で見てて思った。あまりにも取られすぎた。ほとんどが飛び込みリバウンドだったので、対応が難しかったのは理解しているが。

ペイント内得点(アシスト)

GAME1
ギャビン:2得点(0本)
ジェレット:0得点
フォトゥ:6得点(1本:ジェレット) *ORから2得点

GAME2
ギャビン:4得点(0本) *ORから4得点
ジェレット:10得点(3本:ニュービル×2、高島) *ORから4得点
フォトゥ:4得点(2本:ニュービル×2)

GAME3
ギャビン:6得点(2本:ニュービル、遠藤)
ジェレット:10得点(1本:フォトゥ) *ORから4得点
フォトゥ:0得点

QF合計
ギャビン:12得点(2本:ニュービル、遠藤) *ORから4得点
ジェレット:20得点(4本:ニュービル×2、高島、フォトゥ) *ORから8得点
フォトゥ:10得点(3本:ニュービル×2、ジェレット) *ORから2得点

参考 QF合計
ムーニー:28得点(8本:富樫×3、アイラ×3、原×1、内尾×1)*ORから12得点

フリースロー(アシスト)

GAME1
ギャビン:2/2(1本:比江島)
ジェレット:6/8(1本:遠藤)*ORからFTA2本
フォトゥ:2/4(0本)

GAME2
ギャビン:3/6(1本:ニュービル)*ORからFTA2本
ジェレット:3/3(1本:ニュービル)
フォトゥ:0/0

GAME3
ギャビン:4/6(1本:遠藤)*ORからFTA2本
ジェレット:3/4(1本:ニュービル)
フォトゥ:0

QF合計
ギャビン:9/14(3本:比江島、ニュービル、遠藤)*ORからFTA4本
ジェレット:12/15(3本:ニュービル×2、遠藤)*ORからFTA2本
フォトゥ:2/4(0本)

参考
ムーニー:13/16(富樫×2、スミス、西村)*FTA4本はファウルゲーム

ビッグマンがインサイドで得点する形を増やしたい」と2月のバイウィークの時のnoteに書いたのだが、それがあまり見られなかったのが残念だった。ニュービルと比江島がボールを持つ時間が長かったが、彼らからインサイドへの合わせる形が少なかった。インサイドでの得点数とアシスト、フリースローを獲得した時のアシストを見ても少ないと感じる。

QFだけでなくRSからそうだったが、ピックをヒットさせるというよりもスリップやゴーストが多く、ロールマンに得点を取らせるためではなくハンドラーのニュービルと比江島にいかに点を取らせるか。なので、ニュービルと比江島がボールを離さないことが多かったのが今シーズンのブレックスのオフェンスだった。それに対し千葉Jのディフェンスは、インサイドを多少空けてでも積極的にハンドラーにプレッシャーを掛けていた。比江島はショウに対しての球離れは良いが、ニュービルはそこで持ちすぎる傾向があった。千葉Jのロッカールームの動画が公開されていたが(現在は非公開)「ニュービルはセルフィッシュ」「ボールを離したくない」というワードが出てきていたので、千葉Jの思った通りの展開にしてしまったと言えるだろうか。ポケットパスを出せるだけで展開も変わったと思うのだが…

ここの引き出しに関しては、RS中はニュービルと比江島が強すぎて解決できることが多かったが故、オフェンスの引き出しを増やすことが出来なかったのかなとも感じた。また、2人がいない時にオフェンスが回らない歯がゆさもあった。来シーズン優勝するための宿題ですね。

RS60試合+天皇杯でCSで起用できる選手を育てる

今回のCSで平均10分以上出場した人数(平均30分以上した人数)

宇都宮:7人(3人)
千葉J:7人(1人)
A東京:7人(3人)
琉球:9人(1人)
名古屋D:8人(2人)
三河:9人(0人)
三遠:8人(0人)
広島:9人(1人)※三谷は1試合のみ

これはすごく大事だと思った。高島のプレータイムが3試合合計で16分半しか無かったのはすごく意外だった。悪い意味で。正直遠藤のプレーがずっと良くなかったので、同じ役割の高島を使う時間を増やしても良かったと思った。3Pが1本決まるだけでも違ったと思うし、何ならディフェンスで1ストップ出来ただけでもモメンタムが来たと思うのだが。ひとつ言えるのは、特定の選手にプレータイムが偏りすぎた、OT2があったとしても。

ベンチポイント

RS:27.0
CS:20.0

多くのチームがRSと比べてベンチポイントがCSで減っているが、20.0点のうちの14.0点がジェレット。日本人選手のベンチポイントがほとんど稼ぐことが出来なかった。

高島にしろ小川にしろRS中からもっと試合で起用できたら良いと思ってたけど、RS中の特に終盤戦はベテラン選手がみんな調子が良くて、目の前の試合に勝つためならベテラン選手を使ってしまうのも理解は出来た。

理想を言うと、ベテラン選手と若手選手をバランス良く使いながら、徐々に世代交代することがベストではあるけど、正直そんなことは無理だと思う。ブレックスの例でいうと、遠藤がベストファイブを受賞するまで成長したのは、前のシーズンにエースだった古川が抜け遠藤を中心にしてオフェンスの役割を与えて根気よく使い続けたから。高島にしろ小川にしろ、新しく来るかもしれない20代の選手にしろ、思い切った起用をするのも大事かもしれない。(高島も小川もブレックス残ってね)

今シーズン優勝した広島を含めた歴代CS優勝チームのRS平均勝率を出してみると.729だった。大体60試合で44勝16敗である。16敗負けれると捉えられるし、16敗を意味のある負けとして受け入れることが出来るか。ちなみに歴代CS優勝チームで地区優勝を達成しているチームは、初年度のブレックスと昨シーズンの琉球のみ。地区優勝は素晴らしいことなのだが、現状BリーグではRSで高勝率を残すよりも、CSに向けて成長していけるかの方が重要なのかもしれない。

ニュービルと比江島の関係

1シーズン通してニュービルと比江島のデュオは最強だったと思うし、概ね2人の関係性も良かったと感じる。ただ、GAME3のクラッチタイムでは、もっと比江島にボールを持って攻めて欲しかったというのが本音だ。

RS後半戦は2ヶ月連続月間MVPを受賞するくらいニュービルが絶好調だった。接戦の試合ではニュービルが得点を量産して引っ張っていたし、彼がボールを持てば勝ちに繋がる何かが起きていた。それくらい後半戦のニュービルは圧倒的だった。一方の比江島は3Pの安定感はあったものの、前半戦に比べるとペイント内でのシュート試投数も成功率も落ちていた。オフ返上で代表活動に力を入れていたから、パフォーマンスが落ちてしまう時期が来るのはわかっていたので、3Pが安定して決めきっていただけでも上出来だとは思う。これらが相まって、段々とクラッチタイムでの比重が5:5から7:3くらいのイメージでニュービルに向いていると感じた。ニュービルが圧倒的が故、頼り過ぎてしまったとも言えるかもしれない。ニュービルのメンタリティは本当に凄まじいものがある。だからこそ、責任を背負わせすぎてしまっていたようにも感じる。

一方の千葉JはGAME3スミスが大当たりで4Qも10得点していたが、富樫が4QとOT1でラストショット打てず感情を露わにしたシーンがすごく印象的だった。スミスが大当たりしてても最後は自分が決めるというメンタリティを感じたし、最終的にビッグショットを沈めたのは富樫だから流石だと言わざる得ない。

比江島にもCS優勝した2年前のように『ボールをよこせ』モードになって欲しかった。富樫のように感情を露わにボールを要求するような性格では無いのも理解しているけど、最後にボールを持っているのが比江島であって欲しかったという思いもある。

無料部分 終わりに

ということで、もう少し試合がしたかった今シーズンを振り返りました。
この悔しさを忘れないように。今シーズンの悔しさを来シーズン晴らせるように。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
良かった、面白かった、不満、ふざけるな、などなど。今シーズンに関してもこのnoteに関しても、それぞれいろんな感情があると思います。いいねや拡散していただけると嬉しいですし、引用リツイートで感想なども書いていただけると励みになりますし、単純にいろいろなブレックスファンの今シーズンの感想も気になります。是非教えてください。

ここから先は有料になります。こんな感じの内容を書いています。

・23-24シーズンのブレックスの各選手の評価
・24-25シーズンのブレックスの編成について
・24-25シーズンの契約動向が出た雑感を週末に書いていく(予定)

200円です。普段ローソンで飲んでるコーヒーの値段です。あんまり読む人もいないと思うので好き勝手書いてます。なので、もしかすると不快に思う表現もあるかもしれませんがご了承ください。約15000文字らしいです。

↓リポスト(リツイート)するとお得になるみたいです

一応来シーズンのブレックスの編成で必要だと感じる部分は(今シーズンの継続する前提で)

  • 20代中盤コンボガード

  • 3P成功率が高い外国籍ビッグマン

  • アシスタントコーチ

かなと思います。

ここまで読んで頂いただけでも嬉しいです!読んで頂きありがとうございました!今シーズンもお世話になりました!

P.S.
今のところの一番の補強↓

【有料部分】

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26,399字 / 27画像

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