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AI開発企業からUbie株式会社へ転職しました!

Ubie株式会社に8/1にSREとして入社しましたdtaniwakiこと谷脇大輔です。

まずは自身について簡単に自己紹介させてください。
興味のある技術はKubernetes、OpenTelemetry、Prometheusなど。
プログラミング言語はPython、Go、JavaScriptなどを書きます。
細々とですが、Argo projectのメンテナとしても活動しています。
趣味はラグビー、ダイビング、旅行です。
よくハンマーヘッドシャークの群れを見に神子元島に潜りに行っています。

前職はPreferred NetworksというAI開発企業で働いていたのですが、思うところあって今回の転職に至りました。
今回はその理由についてお話させていただこうと思います。

なお、本記事の内容は個人の見解や趣向に基づいて書かれており、組織や事業方針の優劣を比較するものではありません。

前職での仕事

入社当初は自社開発の深層学習向けフレームワークChainerを用いた分散深層学習のための機械学習基盤をKubernetes上に構築していました。

機械学習基盤の全体像はJapan Container Days Tokyo v18.12で発表しています。

優れた技術はたくさんあったのですが、それらを世に出すことがなかなかできなかったため、社内技術を応用したPoCプロダクトの開発を専門にするチームを社内で立ち上げました。
自社技術の分野が広範囲でPoCプロジェクトが増えすぎて対応しきれなくなったため、途中で事業にシナジー・共通点がありそうな分野に特化したチーム編成に変更し、私はバイオ・創薬・化学の分野を担当しました。
私自身は各分野の素人ですが、研究者の言葉を可能な限り理解するためにチームで関連分野の入門書を読んで勉強しました。

特に化学の分野では、AI技術を活用した材料探索を高速化する汎用原子レベルシミュレータ Matlantisのクラウドサービスの部分の全体設計とバックエンド、インフラ、ML APIの部分の実装をほぼ1人で行い、実際に世に出すことができました。

Kubernetes Meetup Tokyo #43にて、その設計の一部を発表しています。

Ubieでの仕事

Ubieは生活者向けの「AI受診相談ユビー」(toC)と医療機関向けの「AI問診ユビー」(toB)の2つのサービスをメインに事業を展開しています。

自身のスキルとしてはフルスタックで開発をしてきたので、Ubieで何を担当するか迷いましたが、まずは今後のUbieのtoCプロダクトの急速な拡大を支えたいと思い、SREチームに入ることにしました。

SREチームではGCP上でKubernetesをベースにサービスを運用しており、リリースのサイクルを高速化・効率化するために様々な工夫をしています。
toBとtoCでサービスレベルやリリースサイクルが異なるため、それぞれに合ったプロセスを構築し使い分けており、今後はScalabilityやObservabilityを強化していきます。

UbieのGCP導入事例に関しては以下の記事を参照ください。

転職の理由

Preferred NetworksもUbieもそれぞれ非常にユニークな文化を持った会社で、優秀な人材もたくさん集まっているのですが、なぜ私が転職を決めたか、プロダクトアウトとマーケットインの違いにフォーカスしてお話させていただきたいと思います。

プロダクトアウトとは

プロダクトアウト(product out、product oriented)とは、企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論や計画を優先させる方法のことです。買い手(顧客)のニーズよりも、「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方です。
J-marketing.net

自分なりの解釈で言い換えると、「優秀な技術者が集まり革命を起こすような技術を作れば、どんなプロダクトを作っても世の中の人(マーケット)は後から着いてくる」ということです。

今まで誰も想像もしなかった革命的な技術を作れば、マーケットのニーズの根底から変えることができ、既存の市場規模に囚われず莫大な利益を生み出すことができるとともに歴史に名を刻むことができ、ものすごく夢があります。

一方で、技術が革命を起こすレベルに至らなかった場合は方向修正が困難であり、技術開発が売上げに直結しづらいため資金面でも困難が多いと思います。
また、優れた技術が出てきたら即採用というほど現実世界は簡単ではなく、導入してもらうための交渉や根回しを根気よく続けなければならないのが実際のところです。

魔の川、死の谷、ダーウィンの海
EETimes Japan

そして、ゴールが明確ではないので、困難に直面した時、意見が食い違った時に組織の方向性を合わせるのが難しく、個人の主張が正しいかどうかという議論になりがちです。

マーケットインとは

マーケットイン(market in、market oriented)とは、ニーズを優先し、顧客の声や視点を重視して商品の企画・開発を行い、提供していくことです。プロダクトアウトの対義語であり、「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方です。
J-marketing.net

自分なりの解釈で言い換えると、「世の中の課題を解決するために、必要とされる技術を使って最適なプロダクトを作る」ということです。

ゴールが明確なので、そこに至る経路を描きやすく、今何をすべきかが明確で、組織の方向性を合わせやすいと思います。
途中で意見が食い違ったとしても、それは顧客のためになるのかをベースに議論できるため、方向修正が容易で個人の主張の闘いになりづらいと思います。

一方で、最適経路を進むため、革命的な技術は生まれづらく、利益も市場規模の範囲内に収まることが多いかと思います。

Ubieを選んだ理由

もともと革新的な技術で世界を変えるプロダクトを開発するために前職を選んだのですが、プロダクトアウト型だったために自分にとっては誰のために何を作っているのか不明瞭なまま開発をしてモヤモヤしていました。
この経験を通して、誰の何を解決するかという部分が自分にとって仕事のやりがいに非常に重要だと気付かされました。
おそらく自分が研究者だったとしたら、どんな形であっても自身の技術が世に出れば満足感を得られたのかもしれません。

Ubieは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションの元に、世界中の人々が健やかに幸せに暮らせるためのプロダクトを開発しています。
医療業界の課題を解決するマーケットイン型のプロダクト開発になります。

医療は非常に身近な分野で、自身の家族や友人も、近所ですれ違った人も、皆が私たちのプロダクトの利用者となります。
AI問診ユビーは私の祖父母が通院していた高知県の田舎の病院にも導入されていました。
対象も課題も明確なため、フルスタックで開発を行ってきた自身のスキルセットを活かして、その課題解決までの困難な道のりを試行錯誤しながら進めていくことに大きなやりがいを感じました。

Ubieでは一緒に世界中の人々が健やかに幸せに暮らせるためのプロダクトを開発してくれる仲間を募集しています!

詳しくは以下のサイトをご覧ください。

ダイビング好きな方はMeetyでお話しましょう。


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