5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本/ひきたよしあき を読んで

自分の話していることが人にうまく伝わらなかったという経験を皆さんもお持ちではないでしょうか??

うまく伝わらないというのは、相手の持っている情報や理解力、自分との共通認識が何かということを理解せずに話してしまっているからのように思います。

取引先とのコミュニケーションを向上させたいと思った私は本書を手に取りました。

ためになることが多くて消化不良を起こしていますが、内容を覚えておきたいのでここで振り返りたいと思いました。

また、言葉で伝えることに悩んでいる人が本書を手に取り、実践して実社会で役立ててくれたらよいなぁとも思っています。

この本を一言でいうならば

この本を読んで思ったのは、

「人に言葉を伝えるということの中で、自分を客観化するというプロセスがすごく大切なんだ」

ということでした。

また、客観化して自分を理解することで自分の行動や思考の可能性が広がって人間性の成長につながるんだと思いました。

そんな中、印象に残ったことを簡単に3つ振り返りたいと思いました。

① 主張は1つ 理由は3つ

この表現は、

「話が長くなってしまい、結局言いたいことをうまく伝えられない」

という主人公の悩みに対しての解決策として出てくるものです。

皆さんは上司への報告や取引先への発言をするとき自身の発言がどう根拠づけられるのか?ということ毎度しっかり説明できますか?


私は、そう問われると言葉に詰まってしまいます。

考えてみると直感やその場での思いつきでの発言が多いように思います。

ここで問題なのは、直感やその場で考えた発言自体なのではなく、そこに至った思考の過程を言語化できていないことなんだと私は考えます。

当事者である自身が持っている一次情報を元に考えた主張や発言は往々にして正しいことも多い、けれど、上司や取引先になぜ?ときかれたときに言葉が出てこないと根拠のない発言だと吐き捨てられてしまいます、、、

瞬発的に考えた正しい結果までの思考の過程を言語化するということが、

主張は1つ 理由は3つ 

なのかなと個人的には思いました。

② 仮説思考のフレームワーク(~という考え方)

この表現は、「発言にオリジナリティがない」という悩みに対する解決策として提示されます。

仕事に取り組むときに自分のアプローチ方法について皆さんは考えたことはあるでしょうか?

お客さんに見積もりを提示するときにちょっと高めに出そうとか、今回はいつもよりもグレードの高い仕様で提案しようとか、、、

こういう自分の中での思考回路に ~ という考え方 をつけてあげるとすごく思考が抽象化されるんです。

たとえば、ワンランクグレードを上げた仕様で提案するということについて考えてみます。(抽象的ですね、、、)

ワンランク上げた仕様を提案する という考え方 と言語化してみると、

私はあのお客さんが品質重視でものを考えるという仮説(あるいは経験則)を

もってアプローチをしているんだなとわかる。

品質重視じゃないアプローチ方法(価格重視・納期重視)でいかに攻めるかを考えることもできるがあまり現実的ではないように思います。

実際の仕事では、あらかじめ決まった方向性で持って行く方が早いし、だいたいそれが正解とも思える場面が多いように思います。

けれど、品質重視という方向性のアプローチをしていることが自覚できていれば、考えが深掘りできる。

品質のなかでも耐久性なのか?機能性なのか?と自問自答することで相手の求めているものに対して深い提案ができるようになる。

自分の考え方を「~という考え方」のように客観化することで相手により具体的に物事を伝えられるんだなって思いました。

③ 相手の否定意見を 止揚 の材料にする

私は人から否定的な意見を言われることが多いけれど、今ひとつうまく受け止められていなかったです。

つらいけど、否定意見が自分を成長させると根拠もなく信じながら受け止めてきていました。

そんな中、ひきたさんがその根拠をうまーく言語化してくれたんだなぁと思いました。

止揚 は、ドイツ哲学のヘーゲルが提唱した弁証法という考え方に出てくる言葉です。

2つの対立する意見をまとめてよりよい正解にたどりつく的な意味になります。

なんとなくですが、帰納法と演繹法どっちが正しいかわからないと路頭に迷った西洋哲学の中で、新たな答えを導き出した救世主的な存在だと個人的には思っています。

前置きはさておき、自分の意見や行動に対して「ああすればよかった」とか言われたとき、いらっとしたり、俺の方が正しいとか負の感情がわいてくることが仕事をしているとしばしばあるかと思います。

そんな否定的な意見につい、反論を重ねたくなってしまいます。

ただ、「否定意見が自分を成長させる」と相手の意見を理解・考慮せずに受け止めていたなと思います。

だけど、ヘーゲルの止揚で考えたとき、見るべきは「よりよい正解はなんだったか」ということなのかなと思います。

「よりよい正解」を見られたとき、相手の否定的な意見は正解のための材料になるんだなと理解できました。

すぐにはできないかもしれないけれど、よりよい結果を出すための材料として否定的な意見を受け止めるようにしていこうと思いました。

まとめ

振り返って言語化すると思ったより言葉に詰まったり、自分の理解不足な部分とか、文章かくの下手だなとかいろいろ思うことがありますね。

ただ、ここで振り返った3つのこと

(①主張は1つ 理由は3つ ②~という考え方 ③否定的な意見の使用材料にする)

には共通点があることに気づいたでしょうか?

どれも、 自分を客観視する ということがプロセスの中に含まれていると私は解釈しています。

改めて言語化=客観化なんだなと実感するとともに、自分を客観視することで成長していけるんだなと思える本でした。

3ヶ月とか1年したらまた読みたいと思います。

ここでの振り返りが皆さんのコミュニケーションのヒントになればうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?