【歯科採用定着】マナー研修にどこまで費用をかけるのか

転職エージェントしての外部の目線、歯科医院事務長としての内部からの目線を踏まえて歯科医院の採用定着について考えるこのコーナー。

今回のテーマは【マナー研修にどこまで費用をかけるのか】

スタッフ向けの研修の中では一番「費用についてどうするか」と言うのを考えるのではないでしょうか?

先に結論を申し上げます。

・費用は後。効果が先。真っ先に取り組むのがマナー研修。
・採用力UPにも!
・マナー研修も一貫性が必要。単発ではなく、継続学習を

早速、話をしていきましょう!

費用は後。効果が先。売上UPさせたいなら取り組むのがマナー研修。

マナー研修については、費用より「効果」をぜひ考えてもらいたいと思います。歯科医師、歯科衛生士ともに技術職ですので、その道に沿った研修が一番効果的。「患者さんへ質の高い医療を提供する」といった点では切り離すことができないのがスキルUPでしょう。
技術的な向上はもちろん大事ですが、残念ながら患者さんには「わかりにくい」と言うのが本音です。


こちらのグラフをみてください。

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歯科医療に関する生活者調査(公益社団法人日本歯科医師会のデータより)

こちらは、「歯科医師・歯科医院に満足している理由」とアンケートが取られています。1位は「治療が丁寧で上手だと思ったから」と技術的なところですが、2位以下は「わかりやすく説明してくれた」「時間通り治療を受けられた」「スタッフの対応」「歯科医院の清潔感」となっており、マナー研修で身につくであろう内容がほとんどランクインしています。
ですので、治療技術より「応対」に関することを意識すれば、必然的に患者さんの満足度が上がり、患者定着率も劇的に上がる、そして売上がUPする、ということが容易に想像できます。

私が知っている中で、1日の研修が○○万円するマナー講師の方もいらっしゃいます。投資費用を考えると二の足を踏んでしまうのも仕方ないでしょう。
しかし、患者さんが少しでも定着する人が増えれば・・・。

歯科医院へ来院される患者さんのLTV(「顧客生涯価値」 一人の顧客が、取り引きを始めてから終わりまでの期間内にどれだけの利益をもたらすのか)は約10万円と言われています。と考えると、月たった2〜3名患者が定着してくれるだけで十分元が取れる仕組みになっています。目先の支出に囚われることなく、効果を考えることが大事です。

・採用力UPにも!

スタッフ応対のレベルがUPすると必然的に採用力がUPします。丁寧で洗練されたスタッフをみて、面接希望者は「かっこいいー」となるはずです。

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2019年度入社の都内企業の新入社員に調査(株式会社DYMより)

一般企業向けではありますが、上記のようなデータがあります。

女性従業員の入社の決め手は「社風」「一緒に働きたいと思えるひとがいた」「フィーリング」が上位を占めています。
スタッフが「かっこいいー」と思ってもらえるということは、それだけ求職者の背中を押す武器にもなるということなのです。

マナー研修も一貫性が必要。単発ではなく、継続学習を

先日、サポート先の歯科医院でマナー研修がありました。
一番問題になっていたのは

語尾を「上げない」「伸ばさない」

無意識で何度も発しているので、ロープレの最終も何度もやり直しをしていました。

語尾を上げたり伸ばしたりするのは日頃からの癖。癖のように染み付いているものを変るには、長期的な時間が必要。一回のセミナーで効果が得られるわけがありません。

最低でも1年。

できれば、定期的にきていただくようにしましょう。
中途半端にやるのが一番ムダ。
単発のセミナーだと受講後はモチベーションが上がりますが、徐々に下がっていく。次にセミナーがなければ、いずれ今まで通りの応対品質に戻っていくことはあきらかです。

「日々の実践」「定期的なプロのフィードバック」

が一番大事です。
今までやってきた「習慣」を変えるわけですから、歯科の定期検診のように長期戦で取り組むようにしましょう。

まとめ

・マナー研修は即効性あり。売上に直結する!
・「かっこいい」と思われるスタッフを作ると採用しやすい
・マナーは習慣。「日々の実践」と「プロのフィードバック」が大切

以上です。

ご覧いただきありがとうございました!

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