野球への情熱は変わらない?2014年の流行語「カープ女子」の現在
こんにちは、データアナリストの小川知紘です。
「カープ女子」が2014年ユーキャン新語・流行語大賞の年間トップテンに選ばれてから早10年が経ちました。ただし、現在は「カープ女子」というフレーズを日常で耳にすることがほぼ無くなりました。
一体、「カープ女子」たちはカープに対する興味を失ったのでしょうか?もしかしたら、何か新たな興味に移り変わった可能性もあります。
そこで今回はYahoo! JAPANの検索データを用いて、かつての「カープ女子」が2023年時点で何に強い関心を寄せているのかを見ていきたいと思います!
当時の「カープ女子」を定義
初めに、2014年当時の「カープ女子」を定義する必要があります。
そこで女性ユーザーに絞り、2014年時点で「カープ」を含むキーワードランキングを確認してみました。上位5位がこちらです。
「広島カープ」「カープ」「カープ速報」「カープ女子」「カープ チケット」
「カープ女子」というキーワードの検索は、主に流行語としての存在に関心が向けられていた可能性が考えられます。そのため、これを除外して考えると、「カープ速報」「カープ チケット」といった試合への関心が高いキーワードと、「広島カープ」「カープ」といった一般的な関心の象徴であるキーワードとの二つのカテゴリが浮かび上がってきました。
そこでこの記事では「カープ女子」を、
■濃いカープ女子:「カープ速報」「カープ チケット」を2014年に検索した女性
■薄いカープ女子:「広島カープ」「カープ」を2014年に検索した女性
の二つに分け、それぞれ2023年何に関心を持っているのかを探っていくことにします。
「濃いカープ女子」はいまだにカープに夢中?
一般女性と比べて「濃いカープ女子」が検索する特徴的なキーワードから、2023年の関心を導き出してみましょう。
上位10位は以下の通りです。
これを見ると「カープ」に対する熱意は現在も色褪せていない様子が窺えます。特にカープの試合についての最新情報や日程を検索しており、こうした情報への興味が衰えていないと言えます。
「薄いカープ女子」は流行好きであり野球好き?
それでは「薄いカープ女子」はどうでしょうか。
同じく上位10位を抽出したところ、下記のような結果が得られました。
「カープ」の検索は依然として存在するものの、濃いカープ女子と比べるとそれほど大きくありませんでした。また、他の関心事項としては、一般的なキーワードや芸能ニュースが多く見受けられます。
さらに100位まで見ていくと、侍ジャパン関連やパ・リーグ優勝したオリックスの名前などが出ており、他のスポーツの検索は結婚・離婚を発表した羽生結弦さんだけでした。
個人的には、「薄いカープ女子」は他の話題に興味が移っていると予想していましたが、全体的に野球に対する興味は依然として残っていると考えられます。
地元・広島はカープ愛が続きやすい?
「濃いカープ女子」のキーワードリストに「そごう 広島」などといった広島県に関連する検索が多く含まれていました。「薄いカープ女子」でも特徴度順に見ると広島県関連のキーワードが出てきており、広島県民であるという特徴が強く出ているのではないかと考えられます。
そこで、「濃いカープ女子」と「薄いカープ女子」が各都道府県にどの程度分布しているのかを見てみました。
「濃いカープ女子」の上位5位都道府県
広島、東京、大阪、福岡、岡山
「薄いカープ女子」の上位5位都道府県
東京、大阪、広島、福岡、神奈川
この結果からも、両者ともに広島県民が多く含まれており、中でも「濃いカープ女子」には多く含まれていることが見て取れます。一方、試合に足を運ぶのが困難だったことも影響しているのか、「薄いカープ女子」には人口通り都市部が多くなっていました。
また面白いことに、「濃いカープ女子」の中には広島県に隣接する岡山県の人々が多数存在することが分かりました(「薄いカープ女子」でも岡山県は8位にランクインしています)。
試しに、「薄いカープ女子」の中から広島県民を除いて見てみると、「カープ」の検索率は大きく減少し、「ヌートバー」や「佐々木朗希」の方が上位になりました。それでも他チームと比べると最も多く検索されていたのは「カープ」でした。
2023年の「薄いカープ女子」は侍ジャパンに強い関心を持ち、依然として野球に興味があることが窺えます。
おわりに
2014年に流行語となった「カープ女子」ですが、試合に強く関心をもっていたユーザーや広島の地元民はなおカープへの情熱を維持していることが分かりました。
また、流行に敏感な「薄いカープ女子」たちも依然として野球が好きで、特に2023年は侍ジャパンに強い関心を寄せつつも、チームとしては依然カープに一番関心を持っている姿が見て取れました。
「カープ女子」という流行語は、従来からのファンはもちろん、流行好きの遠方野球好きを引きつけ、現在も野球関心を持ち続ける1つのきっかけとなっているのかもしれません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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