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パフォーマンス・イップスは心身条件反射療法

40代後半の女性が肩関節や筋肉の痛み、背中の違和感の主訴で来院。筋骨格系の症状は、施術後に改善されたが、趣味で行っている「舞」の場面で支障があるとのこと。違和感を感じる場面をイメージで再現して生体反応検査をすると、「誤作動記憶」の陽性反応が示される。患者さんは若い時から様々な趣味を経験しており、「舞」以外にもヨガ、武術、バイク、ピアノなども経験しているという。

その後、患者さんの話に基づいて疑いのある記憶の検査をすると、最初は20代後半のバイクの試験前、ピアノの発表会前などで陽性反応が示されることが分かった。それは、現在の「舞」のパフォーマンスにも影響しており、過去の「誤作動記憶」の陽性反応を総合すると、人前で何かする際には、ほぼ同様の症状が生じており、この症状は、いわゆる「イップス」の症状であり、あえて言えば、「パフォーマンス・イップス」ということになる。

20年以上も前から、試験や発表会など本番の時にイップスのスイッチが入って本来のパフォーマンスができなるくなる。このような異常動作や感覚は、本人にしか分からない微妙な感覚であることも少なくはない。

先日も、高校の野球球児がパフォーマンスの異常を訴えて来院された。一つは守備に関わるパフォーマンスで、セカンドの守備で、いつもは問題なく捕球していた右側のゴロの捕球がうまくいかなくなる現象。あるいは、打者として、以前は問題なかった外角の投球が打てなくなったなど、今までできていたパフォーマンスができなくなる現象はパフォーマンスイップスと言える。

イップスが生じる原因は、単に肉体の構造の問題やフォームなどの形の問題ではなく、神経信号の問題で、その神経信号は、無意識の心の信号と深く、複雑に関係しているということを知ることが大切になる。心が関係しているから、心が弱いとか強いとかの問題でもなく、あくまでも無意識の神経信号が動作に関わる信号と関係し合って、信号が混線している状態と理解していただきたい。

このようなスポーツ競技やパフォーマンスの動作に関係するパフォーマンスイップスは、「心身条件反射療法」(PCRT)という施術をすればほとんど改善される症状なので、イップスや以前はできていた、あるいは、練習ではできるが本番ではできなくなるなどの様々なパフォーマンスに異常を感じている方は、ぜひ、この治療法の専門家を訪ねていただければと願う。


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