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我々の街と塔を作ろう


突然ですが。

「大須賀先生」って、「おおすか先生」だって知ってました?

つい「おおすが」って読んでしまいがちです。でも賀来千香子といっしょで、「賀」は「か」なんですよね。

一方の私(市原)は、仕事をしている相手に「市川先生」と呼ばれることがたまにあります。一度や二度じゃない。

市原より市川のほうが一般的なんでしょうね。

初対面ならまだわかるけど、あなたもう一緒に仕事して何年も経つじゃないか、みたいな人に言われることもあって、ふしぎです。思い込み、ぽろっと出てしまうフレーズのクセ、みたいなものがあるんでしょう。



人間というものは、さまざまな理由で「思い込み」をします。

名前を間違うなんてのはその最たる例です。

ついいつものくせで……。

なんとなく無意識にこっちかと思って……。

理由はないんだけどこれが正しいかなって思って……。


あとから振り返って、「理論的に考えれば間違えないはずだ」とか、「丁寧に見ればまず正しいほうを選べるはずである」と、ツッコむことは簡単です。

でも、人間って、いつもいつも理論的に物事を処理しているわけじゃないんですよね。

というか、逆に、「直感的に」「手癖で」「なんとなく」「反射的に」、ものごとをナアナアでふんわりと処理している時間の方が、多いんじゃないかな。


***



この往復書簡マガジン「俺たちは誤解の平原に立っていた」は、適切な医療情報をどのように手に入れるかを、おおすか先生と私(市原)がふたりで交互に考えていく試みです。

▼前回の大須賀先生の記事はこちらです。

この中には、

医療情報収集では複数の情報源に頼ることが大事というお話

が書かれています。

情報元がたった一つというのは危険だ、ということ。

複数の情報を比べることのメリット。

「大間違い」をしないことの重要性。

要は、「うっかりしない」ためのコツです。

うっかり一つの情報源を信じきってしまった、とか、

うっかり自分に合わない情報にすがってしまった、のような、

悲しいすれ違いは、「複数の情報」にあたることで、だいぶ回避できます。



ここで……今日の記事の冒頭から私が言っていたこと。

「人間はナアナアで生きている」

「私たちは情報をわりとふんわりとしか処理していない」

ということを、思い出してください。

私たちは、世の中を、いつもいつも「慎重に、丁寧に、穴の空くように」なんて、見ていません。

だからさまざまなうっかりミスが生じます。

「おおすが~」「なんだい市川~」

こういうプチ・ミスは、しょっちゅう起こります。

なぜなら、私たちは日ごろ、そこまで真剣に、世の中を正確に把握しようとは思っていないからです。

でも、それで十分、回っていくんですよね。たいていのことは。


たとえば、私と大須賀先生がふたりだけで会話していたら、お互いに「おおすが」「市川」と呼び合っていても、なんとなく、間違いを指摘しづらくて、会話はそのまま進んでいくと思います。

でも、そこにもうひとり、たとえばけいゆう先生(※山本健人)がいたら、

「あーヤンデル先生それはあきませんわ、おおすが~先生じゃなくて、おおすか~ですよ。か~ですよ。そこ間違ったらあきませんよ。それはないですわ。失礼きわまりないですわ。ないわ~」

と、やんわりやさしく指摘してくれると思います。

人間が「複数」いると、お互いにチェックできるんです。



何が言いたいのかって?

適切な情報を集める際には、大須賀先生の言うように、「複数の信頼できる情報を探す」というのが極めて有効です。

そして、私なりに付け加えますと、

「受け手の側も複数いたらいいかもしれない」

と思います。


たくさんの情報源を一人で精査(せいさ:細かく調べ上げる)するのは大変です。それこそ、つい、ナアナアで、なんとなく、勘違い込みで情報を雑にまとめたくなってしまう時がくる。

普段、ふんわり世界を認識している私たち人間にとって、情報を選び取るために気を引き締め続けるというのは大変なことだからです。


だったら、情報を受信する側は、一人でがんばるんじゃなくて、みんなで協力してやったらいいと思うんだよな。


SNSってほら、いいねとかいっぱい付くでしょう。

「他の人がいいねって言ってるからきっといいんだろうな」って目で、ツイートとかnoteを読んでいることって、ありませんか?

あれをもう少し進めて、世にあふれる医療情報の中から、「多くの人がいいと言ったものを選ぶ」というムードを、今よりももっと高めていく。

できれば、「情報を適切に吟味できる人の『いいね』」を集めるシステムがあればいいな、と思います。

そしたら、「複数の情報からいいものを選びつつ、自分に合う情報をさらに絞り込んでいく」みたいなことが、今よりもっとラクになるかも。

ひとりでやったら大変ですけれど。

そういうことをシステムで後押ししてくれるSNSがあれば……。

Twitterの認証システムをちょっといじると、わりとイイセン行くんじゃないかと、思うんですけれども、複数の情報源をみんなで選び取る、みたいな、インターネット5.0時代が、もうそこまで来てるんじゃないかなーって、思うんですけれどね。


(※5.0というのはテキトーにふんわり名付けました。)