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33.病理医にとってのてんコミ

ロビンス基礎病理学 原書10版

(上記をクリックすると版元のページです。お好きな電子書店へのリンクあり。)

三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

やはりこの本を並べないとぼくの「おすすめ本棚」は完成しません。ロビンス&コトランはいくつか教科書の種類がありまして、ぼくが使っているのはPathologic Basis of Diseaseというもので、昔からある「いわゆるロビンス」ですが、最近はProfessional editionが出たり、reviewが出たりとかゆいところに手が届く品揃え。でもぶっちゃけどれで勉強しても十分役に立ちます。本書、basic pathology第10版は英語版が1年ほど前に発売されていたはずですが、臨床画像とか臨床データが前よりも充実していて、もはや病理医のためではなく全医療者にガンガンおすすめできるすてきな教科書です。昔、東大や京大ではハリソン内科学を通読して何ページに何が書いてあるかを暗記するのが流行ったという話ですが、ぼくはひそかにロビンスを暗記してみようと思い立ったことがあります。まあできませんでしたけどね!

やっぱロビンスなんですよ、大事なことは全部ロビンスに書いてあります。ロビンスを本棚に入れた状態で学術に邁進する人自体、なんだか、尊敬できるし、信頼できる気がする。

これは病理学の教科書です。ぶっちゃけて言いますがこの内容で18000円はマジで安い。飲み会5回サボって買う本。本当ですよ。時代を感じるのは電子版へのアクセス権がちゃんと書籍に付随してるってこと、さらにオンラインサポートも単なるおまけじゃなくてかなり充実してるってことかな……。

たまに、医学生に、「おすすめの本ありますか? 病理を勉強したいんです」と言われたらまずロビンスといいます。そのあとに、「ロビンスを読むための副読本」も紹介しますけれどね。ロビンスってのはマンガでいうところのドラゴンボールでありワンピースであり、というかドラえもんなんですよ。そこをわざわざ迂回してまで何か読んで、けっきょくあとあとまで「まだ読んでないなあ」と後悔するくらいなら、先に読めよ、という……。

(2019.10.23 32冊目)

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