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64.はじめの一潜り

緩和ケア はじめの一歩

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

最近出た本ですが、こういう本が出るのを待っていました。近頃のぼくは緩和ケアや高齢者介護、障害者介護、精神科介護などの本をやたらと読んでいます。その理由の一つは医学書院のシリーズ「ケアをひらく」の影響ですが、もう一つ、大きな理由があります。ぼくは日頃、医療の三本柱である「診断」「治療」「維持」のうち、診断と治療を主に扱っていますが、もうひとつの柱である「維持」こそ、これからの時代は最も重要になるだろう、きちんと勉強したいなあ、と思ったのです。維持のプロといえば看護師や介護士ですので、これらの方々を対象とした本を集め続けています。緩和ケアについてはマニアックな本が増えていますしぼくも好きですが、学生が気楽に読めるような初歩的な本もぼくにはとても参考になります。一般病棟に勤めるナースにもおすすめ。

この本を読んで書評を書いてからもう1年半くらい経つ。宣言通り、ぼくはこの間、「維持」にまつわる本を多く読んできた。緩和ケアに関するものも山ほど読んだ。どんどん深く潜っていく。息継ぎできないくらいに深く潜っていく。

最初はこのあたりから潜ったんだよなあということを急速に思い出す。はじめて潜った場所で周りを見回しておくことは重要だ。潜り続けているとだんだん視界が狭くなっていく。海女さんのように、浮かんでは潜り、浮かんでは潜りするのがいい。

それにしても、現場のプロが、「はじめの一歩」を書くというのは大変なことだといつも思う。えらいなあ。

(2020.7.17 64冊目)

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