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49.読む人を選ばない教科書

竜馬先生の血液ガス白熱講義150

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸器管理を読んでぶっ飛んだぼくは、田中竜馬先生の書いた他の本を全部買ったのです。こんなにわかりやすく教科書が書ける人、そうはいないですからね。そして血液ガスに関する本書を読んでこれまたK点を超えました。現状世の中に出ている血液ガス系の教科書の中では「これが一番」!……かどうかは実際は読む人のタイプによっても決まるのですけれど(そこが教科書の難しいところです)、しかし、この本は「読む人を選ばない良さ」があるようにも思います。難解な血液ガスを学ぶにはこれくらい細かく章立てをしていただいた方が絶対にわかりやすいです。実際の症例をモチーフにするのって実はすごく難しいんですけれど、さらっと実現されているのは田中先生のすごさです。この人の「俯瞰力」はマジですげぇよ。

……という自分の書評を書いたのはもう1年以上昔なのだがこの教科書は古びない、というか名作である。今でもすぐに研修医にお使いいただける。ていうかぼくが読んで十分に日常診療の役に立つので相手を選ばない。

看護師とかも読めると思う。

臨床検査技師も読めるだろう。

……そういう医学書ってぜんぜんないんだよ! 専門書というのは基本的に読む人を選ぶのだ。そりゃそうだ。だって専門知識なんだから。

田中竜馬先生の本はどれもすごいのだが、「小難しくないのに難しい内容までカバーしている」というのは天性のセンスというかギフトに近い。編集者はこの人を絶対に逃がしてはだめである。

(2020.2.18 49冊目)

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