155.お役所仕事と言うけれど
日本医療の近代史
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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2019-2020のヨンデル選書 2nd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。
宗前清貞先生の精緻な著作。医療の歴史というと、技術がどのように発展してきたか、というプロジェクトX的なものを思い浮かべるか、あるいは感染症との戦いの歴史みたいな世界ふしぎ発見的なものがイメージされるが、本書は医療政策や医療制度のことに切り込んでいるのでどちらかというと「さいとうたかをの劇画」的な印象がある。ツイッターには「お役所仕事」を揶揄する人たちがあふれているけれども、お役所の仕事というものがどのように移り変わってきたのかを勉強せずに薄い表面的な情報だけで叩いていいわけがないのだ。こんな本に引用していただけるなんて(くり返しになるが)光栄である。
(2022.7.8 155冊目)