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93.先見の明という名の先物買い

アンサングシンデレラ

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

緊急選書!医療系マンガでぼくがおすすめするのは第一にフラジャイル、さらに緩和ケアやホスピス系のものが多いのですが、2018年12月に突然SNSで話題になった「アンサングシンデレラ」を激推しします。主人公は薬剤師なんですけど、ひとまず絵柄は最高ですよね。そう絵柄はとても大事。その上で、エピソードの切り取り方、定時する内容のボリューム、スピード感、どれをとっても「売れそう」な感じで、普通に考えてドラマ化は間違いないなと思わせるだけの内容です。でも個人的にはこういうマンガはアニメにしてほしいなあ。声優さんが演じたらすごくいい作品になりそうなんだけどなあ。しかし松岡茉優が主演したら絶対見るだろうなあ。ところでアンサングってどういう意味? 「歌われない」? 「歌われないシンデレラ」? おうなんだよそのセンス最高かよ。

のちに本当にドラマ化されてしまい、松岡茉優ではなかったが石原さとみが演じて(それはそれですごいが)、まあまあきちんと予想が当たった。それはそうだろう。このマンガはドラマ化されるに決まってる。なぜなら毎クール医療ドラマがあるんだもん。片っ端から原作探さないとテレビスタッフだって困る。このクオリティで世に出たらドラマにならないわけがない。

……と、やや冷めた口調で解析してみたけれど、アンサングシンデレラは「その他大勢」でまとめるにはもったいない良書である。

薬剤師の果たす役割は、日本がもし今後「かかりつけ医時代」に突入するならばかなり幅広くなるはずだし、幅広くならなければいけないのだけれど、まだまだ情報の供給も需要も足りていないし、どうも日陰のイメージがあって、本書はそこをうまく開拓してくれる。スマホにKindleで入れてときどき読んでいる。

(2021.3.26 93冊目)

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