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158.奇跡の相性

黄昏

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2019-2020のヨンデル選書 2nd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

すっげえよかった、軽口と世間話だけの本って言ったらまあそうなんだけど、こういうレベルの軽いトークをできる人間が一生のうちに一人でも見つかればその人はおそらく人生に勝ったと言えるのだと思う。そういえばここのところのぼくは、往復書簡とか対談とか座談会みたいなことをいろいろとやろうとしていて、そのうちのいくつかは記事になったりnoteの連載にしたり、とにかく「一人で書かない活動」のほうにそもそも興味がある。振り返ってみればヨンデル選書においても『芸人と俳人』や『未来への周遊券』、『無目的な思索の応答』さらには『急に具合が悪くなる』のように、複数の才能が衝突して生成変化するタイプの本を選んできた。これらに共通するのは、著者たちが「たまに」目を見合わせて笑っている感じというのかなあ。幸せになれるよ。

「読み応えのある雑談」というのはめちゃくちゃ高度な技術なので、めったなことではお目にかかれない。「聞き応え」ともまた別なのだ、「読み応え」というのは。

そして読み応えもよく、読み心地もよく、読後感までよいとなるとこれはもう相性の世界なのだけれど、やー、いい本ですよ。週末に再読しよう。

(2022.7.29 158冊目)

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