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135.再読に向いた本

数学の贈り物

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2019-2020のヨンデル選書 2nd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

数学者も哲学者もそうなんですけれどいい本書く人はだいたい語学に堪能ですね。ぼくはあんまり英語が得意じゃないのでよくひがんで言うんですよ、「子どものころから英語の勉強ばっかりしている人はたぶん国語が苦手だ」とか、「まず自分の国の言葉をきちんと練習しないと外国語ばかり使えるようになってもだめだ」とか。でも、たとえば森田さんの本を読んでると、この人はいろんな言語を通していろんな世界をインプットすることでアウトプットが豊潤になってるんだよなあって考え込んじゃいます。言語ってのは自分を表現する手段だと思いがちなんですが他人の考えを取り入れるためにも必要なんですよね、誰かと対話するときに母国語だからという理由だけで日本語にこだわりすぎなくてもいいんだろうな。たとえばそれは数学であってもいいんだきっと。

これはなんか自分で書いた書評の中でもけっこう思想が入ってるやつだな。そう思った。2年ぶりくらいに読んだけれど。


『数学の贈り物』を読んだのはずいぶん前なので、もう詳しい内容はほぼ全て忘れてしまった。再読したときに喜びが増すだろう。雰囲気がよかったことは覚えている。そしてヨンデル選書に選ぶくらいだから、そのとき、とてもよかったよかったと感じたはずなのだ。しかしまあ見事にすっからかんに忘れている。こういう本を再読すると、あらゆる記憶が芋づる式に思い出されたりすることもあるので、いつか再読する日を楽しみにしている。忘れたのに楽しみなのである。

読書ってそういうところがある。なんでもかんでもしおり挟んだり線引いたり、noteにまとめたりすればいいってもんじゃない。


(2022.2.11 135冊目)

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