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125.本職とはなんなのか

言葉はこうして生き残った

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2019-2020のヨンデル選書 2nd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

河野さん!河野校長!すごいすごい!この本の元ネタはメールマガジン「考える本棚」。毎週木曜日にほぼ必ず更新されていたという伝説のメルマガであり、書き手は中央公論で長く編集長をされたあとに新潮で雑誌「考える人」の編集長をされ、退任後にはほぼ日刊イトイ新聞で「ほぼ日の学校」の校長をされている河野さん……なんだ知の権化か。だったらわかる。この異常なハイクオリティもわかる……いや待ってくれ、そういう「経歴で語れるレベル」を超えて面白いんですよ、この本は。視点抜群、挿入されるエピソードがめちゃくちゃ濃厚、滋味に溢れ、ケレンも少々、考察の文章はどこまでもおだやかで決して人をけなさず、語られる人物はみな偉人に見えてくる。ああー知性のカタマリみたいな人ってほんとに美しいものを書かれるなあぁあー河野さん!

ほぼ日の学校はその後、「ほぼ日の學校」と名前を変えてアプリになり、河野校長は先日校長の座を勇退された。ほぼ日では長らく「学校長だより」を連載されており、それをずっと愛読していた。校長を退任されたので学校長だよりも終わってしまったのが悲しい。ずっと読んでいたい連載だった。世の中には「ずっと書いていてほしい人」というのがまれにいる。それが作家ではなく「編集者」だというのだから、おもしろいものだ。

(2021.11.26 125冊目)

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