スタバでMacをうちながら【大学生19歳 #1】
バイトの休み、毎日同じような生活。今日もこれといってすることがない。友人も授業とかだ。
ゲーム、漫画、YouTube、アマプラ。朝から乗り継いできたが、どれもぱっとしなかった。
何かしなければ!
と思い、夕方急いで外に出てみたが、失敗だった。
近所の店は暗くなるとすぐしまってしまう。
お茶碗を新調しようと開いている店舗に飛び込んだが、
店員さんが片付けに走っていた。調べるとあと三十分程でしまるらしい。
こうなってしまうともうだめだ、結局店から出てしまった。
ふらついた足を止まったのはスタバの前だった。
いつもくつろぐスペースなどなく、客でぎゅうぎゅうなスタバが今は空いていた。遅い時間に出掛けたのが、巡っていい方向に働いた。
そうだあれをしよう。スタバでMac。
意識高い系の代名詞として取り上げられることが多いスタバMac族だが、彼らの背中からは‘’なにか大事なことしてます‘’といったオーラが立ち上っている。
恥ずかしながらこれになりたいと前々から秘めていたのだ。どこかバカにしながら憧れていた。
愛想のいい店員さんに緊張しながら何とか注文を済ませ、隅っこのカウンターに逃げ込んだ。チョコのフラッペはうまい。鞄からノートパソコンを取りだし。勢いよく開いた、いつもよりタイピング音に気を付けながらパスワードを打ち込んだ。
これで彼らの仲間入りだ。私の背中からは意識高い系オーラが存分に出ているに違いない。得意気にチョコフラッペを飲み込んだ。チョコの控えめな甘さとクリーム深い甘みのハーモニーが舌の上で溶ける。
IQとQOLとかが高まった気がした。
レジュメの確認とレポートをある程度進めることができた。これは発見だ。家でするより進みがよかった。
少し彼ら部族への理解が深まった。ただ格好付けで、スタバMacしてた訳ではないのか、
氷まで飲みきったカップを捨ててスタバをあとにした。まだ夜を楽しもうとする人々に逆らいながら帰路についた。明日の講義の先生は寝ててもばれにくいから少し夜更かししようかな、なんて考えながら自転車にまたがった。
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