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「戦争勃発、味覚をやられた」僕とコロナのn日戦争 4/24 前編

朝起きると昨日の喉の痛みは少し収まっている気がした。そして昨日よりも少しだけ倦怠感もあった。やっぱり空気が乾燥していたことによる喉からくる風邪を引いただけだったんだなあ。そう思いながらカーテンを開けて朝陽を身体いっぱいに浴びた。

ベランダの鍵を開けて軽く伸びをすると、慣れた手つきでタバコとライターを取り出した。キャメルのシガーメンソールが最近のお気に入りだ。

タバコを咥えてライターで火を灯し、最初の一口をゆっくりと味わう。

「ん?味が薄い?」

いつもよりも味を感じていない。もう一度吸ってみる。今度は吸った煙を口からではなく鼻から吐き出した。いつも通りのほろ苦さと爽快さが入り混じった香りが鼻を突き抜けた。嗅覚は普通だ。風邪を引いた時に鼻づまりを起こしていると味覚が鈍くなることもあるが、どうやら今回はそれではなさそうだ。考えながら三口目を喫んだ。やはり味がしない。

「これは...。もしや!」

ハッとして「コロナ 初期症状」で調べると一昨日からの症状が当てはまっている。普段なら風邪だろうと思い込んでしまうところだったが、味覚が鈍くなっているから自分も疑うことができた。

だけど、まだ自分がコロナかもしれないという事実を受け入れることができず、家にあった中で一番味が濃いであろう”蒙古タンメン中本”のカップ麺を食べることにした。

「...辛くない...けど...痛い!」

あまりにも辛いものを食べると、最初に辛味が舌先を襲った後にピリピリとした痛みが来るのがいつもの自分なのだが、今日はピリピリとした痛さだけが口の中を襲ってくる。いつもは辛すぎて飲めないスープもグイグイと飲むことができた。辛口食べてる人が中辛を食べた時のように、辛さを全く感じないわけではないけれど物足りなさがある。

「やっぱりこれは...」

そう思い、急いでコロナ対策の厚労省のHPを確認した。各自体に問い合わせをしたほうがいいとの事だったので、神奈川県のHPを確認しに行った。相談等の問い合わせ先が2つ記載されていた。片方は9:00〜18:00が営業時間だったため、もう片方の24時間対応のフリーダイヤルに電話をかけた。2回ほどかけたが電話がつながらず3回目で男性の職員が対応してくれた。

・微熱っぽい(家に体温計無い)
・喉が痛い
・乾いた咳が出る
・少し倦怠感がある

今の4つの症状を伝えると、「かかりつけ医はいるか?」と聞かれた。病気の時にはいつも同じ病院に行っていると伝えると、そこに診療を受けに行ってくださいと言われ、”保健所と電話して診断を受ける様に言われた”と病院にも伝えていいですよとアドバイスを受けた。また、”今は病院も混雑しているので事前に電話したほうがいいかもしれません”とも言ってもらった。

いつもの病院に電話をかけるといつも通り感じの悪い受付の女性に「うちはPCR検査を実施していない」と門前払いをうけた。相手がそのまま電話を切ろうとしたので、”他に病院ありませんか”と聞くと近所の耳鼻科を教えてもらった。紹介された耳鼻科に電話すると4/1から休診していると告げられた。なんやねん。そこの耳鼻科の受付の女性にも他の病院を尋ねると市内で一番大きい市立病院を案内された。

市立病院に電話をかけると丁寧に応対をしてくれた。各症状の発生日と程度を質問されたので、なるべく細かく回答をした。そして、この電話の前に一番最初に保健所に電話した事とその内容、応対してくれない病院からたらい回されて電話した事、それらを答えると受付が11:00までだから間に合うように来てくださいと言ってもらえた。そして、来院時には入口玄関から入る前にもう一度電話してほしいと言われた。

急いで車を走らせて20分。目的地の市立病院へ到着。

続く。

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