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最新HIPHOPレビュー #42 「maco marets / L.A.Z.Y. (feat. さとうもか & Shin Sakiura)」

少しでもHIPHOPに触れて欲しいという思いで日々連載している『日刊DiGG』です。42本目となる今回は、何気ない日常に感じる幸せなひとときを切り取った作品を紹介します。あぁこんな会話をしたかったなと思わせてくれます。

|maco marets / L.A.Z.Y.(feat. さとうもか & Shin Sakiura)|

2021/02/17 公開

2月24日に通算5枚目となるニューアルバム『WSIV: Lost in November』をリリースする maco marets 。彼はいわゆるHIPHOPとは一線を画すアーティストで「ベッドルーム・ヒップホップ」とも評されている。

ラップを全面に押し出すのではなく、あくまで楽曲の一部として機能させてイメージを伝えることを優先させる。ブラックミュージックの要素が少ない分、フォークやロック、エレクトリックを取り入れており、お洒落で聴いていて気持ちいい。そして心地よさの中に、ヒヤリとする言葉を紛れ込ませることで心にトゲの残す。

ポロンと爪弾いたようなギターが印象的な楽曲は、プロデューサー / ギタリストである Shin Sakiura によるもの。彼はRyohuやKEN THE 390、BASIなどに楽曲を提供しており、以前よりHIPHOPとの関わりが深い人物だ。

Shin Sakiuraのアルバム収録曲「Slide」では、maco maretsが客演参加しており以前から共作があった2人。"前々から一緒に曲作ろうね"と話していたようで、再び手を組んだのがこの曲「L.A.Z.Y.」。今回はmaco maretsアルバムにShin Sakiuraが客演参加した格好だ。

ギターがメインで鳴るトラックは、maco maretsのデビューアルバム『Orang.Pendek』で多く用いられており、昔からのファンは懐かしく感じるだろう。

リリックは、カップルが休日にベッドでゴロゴロしているようだ。コーラスには、スウィートな歌声の中に幼さと大人っぽさがあるシンガソングライター さとうもか を起用。HOOKは"女性ことば"で書かれており、彼女の歌が入ることでグッと雰囲気が盛り上がる。

最後のハミングには幸福感があり、2人の仲睦まじさにじんわり心が温まる。

やさしい気持ちで いつもいられるように
なにをあきらめているのかしら
うっとりするような午後のせい?
目をつむる 狸寝入り
ごめん ばれてるよね


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▼さらに一曲

maco maretsによるエレクトリックなダンスナンバー「Torches」を紹介した記事



HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。