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アフターコロナの働き方ついて

絶賛コロナ籠もり中の筆者ですが、コロナ後の働き方について考えをめぐらせています。多くの素材メーカーが同じような感じだと思
筆者自身は、大手素材メーカーで数値シミュレーションを用いた生産プロセスの開発をしています。

1.弊社の現状

弊社は、トラディショナルビッグカンパニーです。昔はこの世の春を謳歌していました(と聞いています)。
製造している商品の需要が大きかった当時、猛追する新興国と戦うために1.高級製品の研究開発による差別化と2.工場の巨大化による生産性の向上に注力しました。
しかし、前者は顧客が納得する(新興国製品との価格差を埋める)ほどの差別化はできず年々シェアを失っていきました。さらに、生産の効率化を求めて大型化した工場は老朽化により、その補修費が重くのしかかっていました。そこに、今回のコロナショックで需要そのものが大きく消えました。そして、その不採算性が一気に表面化したのです。この問題は1次的なものではなく”ニューノーマル”と捉えた弊社経営陣は(短期的にも長期的にも)工場の生産能力を20~40%ほど削減することを発表しました。

この決定に
「もう、僕らは規模の拡大だけを求めて今まで通りたくさん作る必要はなくなった。」
そんなメッセージ性を感じています。

2.これからの働き方

「そんなに作らなくてもいいし、品質の向上だって今のままで十分だよ」と声が届いている今、製造業の技術開発に携わる僕らはどのような働き方になっていくのか。歴史を振り返れば、リストラにより人件費削減され、1人の技術者がカバーする領域が広範囲になることになります。ただ、もちろん一人で手を動かせる範囲は限られるので「オープンイノベーション」または「アウトソーシング」として外部のマンパワーを利用します。そして、技術を理解して社内向けに少しカスタマイズすることで仕事を回していくのです。現在では、この方法で回っている現場も多いのではないでしょうか?
しかし、さらに技術が高度化された現代ではこの手法さえも難しくなってくるかもしれません。技術が高度化しすぎて頭で理解することさえも困難となっているからです。実際、自分も隣の同僚がやっていることを理解できていません。一人の人が理解できる技術の数だって限りがあるということです。
大量生産はいらない。でも技術の高度化により人を減らすことができない。では、どうするのか?
製造業の技術者、特にテクノロジー(シミュレーション、データサイエンス、ロボティクス等)を専門とした技術者は2社や3社を掛け持ちするようになるかもしれないなと思っています。月火はA社、水木はB社、金はオープンコミュニティへの貢献のような働き方になるのではないかと考えています。
完全に個人的な妄想でですが、例えば同業他社で人と技術をシェアするとか、学会と企業がより連携するとか考えられます。少なくてもがっつり一社の開発にどっぷりつかるのではなく、もう少しコアスキルを活かして複数の会社で開発を実施するのではないかなと思います。

3.個人としてできること

上記は、完全に僕自身の勝手な予想でしかないですがそんな時代が来たら技術者にとって頼れるのは社内の調整ではありませんし、きれいなパワーポイントの作成ではありません。なんとなくいいやつよりも、何をしてきてか、何ができるかが大事になります。きれいな資料が作れるよりも、正確なドキュメントを書けるほうが大事になります。
今の僕にできることは技術を磨くこと、アウトプットし続けること、そして時代の流れを読み続けることだと考えています。

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