~ある女の子の被爆体験記16/50~ 現代の医師として広島駅で被爆した伯母の記録を。”子供を探して”
(ノブコは、おばあちゃんを探して、8月7日の広島を歩きまわり、その光景を見た)
小学校の校庭で歩き続けるノブコの息は、ハアハアと荒くなり、一歩一歩が小さい歩幅になっていった。ひどく足が重たかった。
「もう少しで相生橋だ。川を渡れば、もう少しだ。もう少し頑張ろう。後もう少し‥」
そう唱えながら、相生橋のたもとまで目と鼻の先というところに来たとき、ノブコは奇妙な光景に目を奪われた。黒い大きな塊が台の上に積み重なっておいてあり、何組もの男女が、黒い物の一つ一つに手を入れて何かを調