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Dr.Reve監修医”医学×美容”コラム Vol.4【肌や身体に様々な影響を及ぼす「ホルモンバランス(内分泌系)」とは① 】

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【ホルモンバランスとは】

人のからだには、ホメオスターシスと呼ばれる、 体の恒常性を維持しようとする機能が備わっています。
この機能を維持するのに、ホルモンが欠かせません。
ホルモンはそれぞれが異なる働きを持っていますが、体の健康を保つ為、いろいろな機能を調節している、 一種の潤滑油とでも言って良いでしょう。

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例えば、体が水不足のときには、
・血圧を維持させるホルモンがでる
・腎臓に働いて尿を濃縮させ水分が逃げるのを防ぐホルモンがでる
・頭に働いて口渇感を高めて水を飲ませるホルモンがでる
という具合にです。

ホルモンが働くには、ホルモンを受け取る窓口が必要で、受容体と呼ばれます。
この受容体がある標的細胞においてだけ、ホルモンの作用が発揮されます。

【ホルモンにはどんなものがあるのか?】

ホルモンの多くは、栄養素の1つ、タンパク質のもとになる アミノ酸が数個から百個以上つながった形の “ペプチド” というものから出来ています。
たとえば、血液中のブドウ糖すなわち血糖を下げるホルモンとしてインスリンがあります。

血液中のコレステロールを材料として、 副腎や卵巣・睾丸などでステロイドホルモンがつくられます。
膠原病や免疫の病気、気管支喘息、湿疹などの治療に使われる副腎皮質ステロイドホルモンは、この合成品にあたります。

そのほか、甲状腺ホルモン、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)や、免疫を担当する血液細胞であるリンパ球にはたらくサイトカインなども広い意味でホルモンに入ります。
今では、体の中でいろいろな情報を伝え合う物質をまとめて、ホルモンと呼んでいます。

主たるホルモンとその働きの例を挙げておきます。

脳下垂体ホルモン➡︎各種ホルモン系統の司令塔
甲状腺ホルモン➡︎全身の代謝
副甲状腺ホルモン➡︎カルシウム代謝
副腎皮質ホルモン➡︎血圧、血糖、免疫
副腎髄質ホルモン➡︎血圧、血糖コントロール
膵臓➡︎インスリンなど。血糖コントロール
消化管ホルモン➡︎消化吸収
腎臓➡︎血圧、赤血球増加
心臓、血管➡︎血圧コントロール
脂肪細胞➡︎レプチン、食欲抑制
性ホルモン➡︎生殖機能
その他、脳下垂体前葉、後葉など

【ホルモンバランスの乱れとは】

少々専門的なお話になりましたが、このように見ていただくと、内分泌系とは生命維持に欠かせない重要な役割りがあることがお分かりいただけると思います。
これらが乱れると…
どうなるかなんとなく予想できますよね?!

\次回予告!/

【ホルモンバランスが乱れる原因は?】

ここまでのお話を加味して、ホルモンバランスが乱れる原因を考えてみましょう。

まず第一にホルモンの質の問題。ホルモンはタンパク質(アミノ酸ペプチド)などの物質ですから、タンパク質摂取不足ではホルモン合成に支障をきたしますし、脂質摂取不足では性ホルモンや副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)などの合成不良が起こります。健康的な食事がいかに大切かわかりますね。過度なダイエットで生理が止まる原因の一つはこれです。

もう一つは機能不全。分泌器官の機能不全や、標的器官のレスポンスの問題もありますが(例:糖尿病など)、精神的なストレスも、ホルモン分泌機能に影響を与えるとされています。
また、次回詳しくお話ししますが、睡眠と密接に関係するホルモンも存在するのです。

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