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子供向けゲームデザイン・ワークショップやりました

2020年9月21日、静岡県駿東郡小山町の多世代交流サークル「おやまるおやま」さんからご依頼いただいて、子供向けのボードゲーム制作ワークショップをおこないました。

このご時世ですので、僕が東京からウィルスを持っていってしまうとマズい!ということで、講師の渡辺のみリモート参加の、遠隔講義方式です。(小山町の子供たちは、感染対策をしたうえで地元の福祉会館に集まりました。)

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この企画、小山町の子供たちが「コロナで夏休みのイベントが全て中止になってしまったのでみんなで何かをしたい!」「みんなでボードゲームを作ってみたい!」と自分たちで言いだして始まったのだそうです。これがまずアツい!

そしておやまるおやま事務局の方がネットでドロッセルマイヤーズを見つけてお問い合わせいただいた、という経緯でして、僕らとしても喜んで引き受けたのですが、いざ具体的な計画をしてみる段になると…

◆そもそも未経験の子供たちがいきなりゼロからのゲームデザインをするのはわりと難しい。
◆しかも初対面で見知らぬおじさんからレクチャーを受けるのも緊張するだろう。
◆そのうえリモートで、実物のゲームを触ったり見せたりしながらの対話ができない。

という三重苦に気づきまして、「これ、成立する方法があるのか…?」とめちゃくちゃ悩みました。

そんななか思いついた方法が、ゆるゲーシリーズの『ナンバーワンダフル』をベースにオリジナル競技を考えていくというワークショップ。

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『ナンバーワンダフル』はこういう↑一瞬で終わるようなミニ・アナログ競技がいっぱい入っているという特殊なゲームでして、単体のゲームとしては成立しないような、かなり無茶なミニゲームも「ゲーム」として成立させてしまうある意味で強固なフォーマットを持っています。

なので、このグランドルールはそのままに「各参加者が自分のオリジナル競技を考えて、それをカードにする」→「みんなのカードを集めて、集合知としてのオリジナル・ナンバーワンダフルを作り上げる」という方式にしました。

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この方式は本当に良いアイディアでした!ゲームの発想や改良も子供たちが個々に自由にできるし、それでいて全員でひとつのゲームを作るという連帯感も生まれるし、テストプレイもみんなで出来るし、子供たちの年齢差もそれほど問題にならず、なんなら大人も参加できます。

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子供たちのオリジナル競技はさすが破天荒というか…「この場にいる大人の年齢を当てる」とか、いろいろな意味で商品では入れられない(笑)ような競技も多くて、どれも最高でした!(これ↑は「面白い顔を描いたほうが勝ち」対決で描かれたおじさん)

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僕は子供たちにゲームデザインを体験してもらうことの意義はいくつもあると思ってまして、「おもしろさ」がどうやって生まれるのかを考えることは、人間の心の仕組みを理解することにつながります。

また、ルールを文章で正確に記述して他人に伝えることはストレートに言葉の訓練になりますし、一種のプログラミング教育としても役立つはずです。

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そして何より、「おもしろさ」は外から与えられるものではなくて、自分で生み出すことのできるものだということ。その実感をもつことが、子供たちの人生を豊かにしてくれるんじゃないかと思います。

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そんなわけで、必ずしも将来ゲームクリエイターを目指すとかじゃなくても、ゲームデザイン・ワークショップは今後もたくさんの子供たちに体験して欲しいなと思いました。

今回のワークショップはリモートという難しい環境での実施でしたし、ドロッセルマイヤーズとしても新しい試みでいろいろと至らない点もあったと反省していますが、こういうチャンスをくださった小山町の皆さんには大変感謝しています。準備に帆走していただいたおやまるおやまの皆さん、参加してくれた子供たち、ご家族の方々、本当にお疲れ様でした!

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(この写真、なんか自分がバーチャルな存在になったようで笑ってしまった…)

追伸)主催の「おやまるおやま」さん視点のレポートもこちらで読めます!



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