見出し画像

はじめに・クリエイターのためのポピュラー音楽理論

こんにちは。シグナル・コンポーズ株式会社(https://signalcompose.com/)の大和です。僕は2019年の3月(これを書いてる時点でつい3ヶ月まえですね)まで、岐阜県は大垣市にある「情報科学芸術大学院大学」通称"IAMAS" (イアマス、と読みます)にいました。入学したのは2016年なので「留年したのか?」と思われそうですが、修士(メディア表現)のほうはめでたく2年で修了。その後、一年間を「研究生」という立場で研究や音楽表現を継続して行ってきました。ちょうど僕が入学当時に世の中には「ライブ・コーディング」なるものがメジャーになってきたあたりで、僕も興味を持ってトライをしたりしていました。で、その時に「これはもしかしたらコードを書く、という行為だけで見ていると結果としてAbleton Liveなどと同じことになるのでは?」という思いが生れてきまして(ツールの普及はある程度、アウトプットを保証するから普及するので当たり前の話ではありますよね)、「ではどうやったらこういう【クリエイティブな可能性があって】【かつ器楽トレーングを積んでいない人でも新しい表現が出来るツール】をつかってユニークな表現が出来るか? を考えた結果、、、

「そうだ音楽理論の勝手授業をやろう」

と、思いたち、IAMASの入学したてのm1さん有志と一緒に音楽理論の勉強を始めました。僕自身は、10年以上菊地成孔さんの私塾である「ペンギン音楽大学」でジャズ理論(所謂「バークリーメソッド」)などを学んできていたので自分が資料を作り、また当時のm1には音大作曲科を卒業していた森田さんという音楽家の方がいらっしゃったのでご協力をお願いしてケンケンガクガク、とやっていました。

で、そのときのテキストをこれから公開していこうと思います。このテキストは「勝手授業をやる」→「あとからでも自習して追い付けるようにやった内容をテキストに残す」という方法でやっていたので、ある程度読むだけでも成立するものにはなっていると思います。でも実はテキストは未完です。なので、この機会に最後まで書き切っていきたいと思っています。では、第一回目、、、の前に元のテキストの「はじめに」を御読みいただければ。つぎから「かなーり雑で」「でも一回知ってしあめばもう後にはもどれない」「使えるツール」の話をします。どうぞお楽しみに。

それでは「はじめに」をどうぞ。

はじめに

音楽理論の勉強会、と銘打って始めていますが、基本的に「バークリーメソッド」の理論体系の話をしていきます。その理由としてバークリーの理論が 1) 事実上、ポピュラー音楽の基礎理論としての影響力が大きいこと、2) システム的に扱いが楽なこと、を理由としています。が、実際は詰めに詰めていくとクラシックの和声や対位法といったものに近付いていくのですが、そこまでを射程にはしていません。

実際にこの講座でのゴールは「楽曲分析が出来る様になること」「作曲が出来るようになること」をゴールとしていますが、作曲については「コード進行が作れること」という限定的な内容です。メロディーをどう作るか? という話については杓子定規なアプローチを取ることが今の時代に合っているのか、理論的な背景をもちつつ自由に考えられるほうが良いのではないのか? と考えているからです(あと講師である僕がメロディーをどう作曲するか? という方法についての知識が弱い・必要性が低く抑えていない、というところもあります。申し訳ない、、、。この辺はやりながら自分でも学んでいこうと思っています)。

で、以下で「ドレミの4つの読み方」といってるものも「バークリーメソッドを学ぶ」という前提の上に立っての読みかたなので、クラシックをベースにした所謂音楽の授業で学んだであろう、例えばハニホヘトイロハ、などは使っていきません。そういう意味ではかなり「アメリカ起源の商業的な音楽理論の言葉使い」であると言えると思います。

とはいえ、すでに手垢の付きまくった音楽理論をなぜやるのか? というのには別の意識が僕にはあります。クラブミュージックやライブコーディングなど「非理論的」なアプローチによって作られるものを否定するつもりはさらさらありませんが、こういう音楽理論的な背景を持った上で、例えばライブコーディングを行う、ということなどには音楽の作りかたやパフォーマンス上の発展性があると思っているからです。誰もが出来るツールや環境 (AbletonとかTydalcycleとか) がある、というのは良いことであるのと同時に「同じツールを使うことによって出力の差別化されなくなっていく」ということが起るのは容易に想像ができると思います。そういう前提に立ったときにそのような環境を上手く使っていく「一つの方法」としてすでにある音楽理論(これは別にバークリーに限ったことではなく、クラシックであれ、その他の理論であれ、同列ですが)というものを使うことも出来るのではないでしょうか?

そういう意味で「次の音楽を考える上での方法論としての音楽理論」であり、それが実は誰にでもハンドリング可能なものだよ、覚えちゃえばそれでおしまい程度のものだよ、という「簡単な話」として話を進めようとしています。で、簡単な話として使えるのがバークリーメソッドだった、という建て付けです。

なので勢い「結構雑な話」になることもあるかと思いますが、一通り使える「ツール」としてポピュラー音楽理論の全体像は抑えるようにしたいと思っています。

僕も再度復習しながら進めるので一緒に学んでいける機会になれば嬉しいです。

次回予告

それでは、次回「ドレミファソラシドって4つの読みかたがあります!」に続きます。

今後ノートは全文公開しておきますが良かったら1/2パイントのギネスが好きなのでワンコインくらいで購入してもらえたらうれしいです。あ、今回は無料です。だってまだ音楽理論の話、始まってないもんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?