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3. ドレミファソラシドを12種類楽に弾ける様になるベストプラクティスとは?

毎週更新、とか言っておきながら間が空いてしまいました。なんかこの夏は、というか今年は色々と動いていて忙しいやら、気候の変化に身体がついていかないで調子を崩したりしがちですが、皆さんはどうでしょう?と、いきなりぼやき節で始まった上に読んでる人に同意をとってことなきを得たい、という感じで進行していますが、すいません今日は初めに宣伝させてください。

先日"Alliance Rock"というかれこれ15年前のアルバムをマスタリングし直してリリースしました!!

はい。本当に全力で宣伝ですいません。今まで「やけに複雑なビートメイクをする人」「AIとかと共演したりしてアンビエントなギターを弾く人」と思われがちだったこの数年の音楽活動を鑑みて「昔はどうだったのか?」というのをリリースしてみようかと急に思い立ちましてリリースしました。共作者はCatojunとhayaseという二人です。本当当時M3で販売して、その後お店に置いてもらったりもしたんですけどね。さすがに15年も経つと在庫がなくなって(笑)来てまして、リリースするにはいい時期かなと。今聞いても色々面白い試みをやってると思うのでよかったらぜひ。Spotify, Apple music など各種配信サービスで聞くことができます。

ちなみにその他の作品は以下のリンク先から探せますので(先に書いた「複雑なビートもの」とか「AIと共演してるアンビエントもの」とか)興味のある方は是非どうぞ。

というわけで本題です

前回までに以下の事が理解できてると過程して今回はメジャースケール(ドレミファ、、という言いかたは必要がない限り今回で卒業です)をすべてのキーで弾く方法をまず共有したいと思います。まず前回までに、、、

・1オクターブには12音の半音があり、クロマチックスケール、と呼ばれていること
・そこから「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」というインターバルで抜き出されたスケールが、いわゆるドレミファソラシドで「メジャースケール」と呼ばれていること
・音程には、長短、完全、増減があること

をなど共有していますが、この中でもメジャースケールについてまず触れていきます。

そもそもスケールにはメジャースケールを代表とした「倍音を根拠にした音程(とその変形)※」と、事後的に「人造的に作られたスケール」の二種類があります。今回はその後者に含まれるスケールで「全ての音が全音間隔で並んでいる」というスケールをまず紹介します。そのスケールの名前は「ホールトーン(whole tone)スケール」といいます。

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※ 「倍音を根拠にした音程(とその変形)」とかさらっと書いてますが、音楽理論は基本的に音響物理の中で二つの現象に依拠しています。一つは「倍音列」です。倍音列は何らかの音が発生したときに必ず発生する音列のことで、いわゆるドレミファソラシドはその中から抜きだされています。というか厳密には現在我々が使っている平均律はその音程とも違うのですが、、、実際の倍音はピタゴラス音列とか純正律とか倍音の周波数比が整数比になっているものが元々の倍音に含まれている音程です。もう一つは「差音と加音の原理」というのですが、このあたりの話は以前に参考図書として上げた菊地成孔、大谷能生著の「憂鬱と官能を教えた学校」に詳しく出ています。というかそういう比較的音楽の根源的な(こういう講座ではすっとばされがちな)話が沢山の乗っている本なので一読することをお勧めします。音楽に詳しくない人でも面白いとおもうよ。
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すでにメジャースケール、クロマチックスケールを知っている我々ですが、まずクロマチックスケールには一種類しか音の並びがない、ということは解るでしょうか? だって全部半音で並んでいるのでCから始めたクロマチックも、Gbから始めたクロマチックも「音の並びは」同じです。ですが、メジャースケールは先にも書いたようにある順列で12音からピックアップされています。つまり「メジャースケールには12音すべての音を始まりとしたそれぞれ別の並び方がある」ということになります。

、、、覚えるの嫌ですよね? いや都度都度「全音、全音、、半お、、ん??」って見ていってもいいですしそのうちそれやってれば指が覚えると思います。

ですが、今回は先に紹介した「ホールトーンスケール」とルールを使って12個すべて(12キーとも言います。キーというのは調性のことですが、調性については追い追いまた触れます)のメジャースケールをいきなり弾けるようになる方法を共有します。

それにはまずホールトーンスケールの組成を見てみたいと思います。ホールトーンスケールは先にも述べたように「すべての音が全音間隔で並んでいる」ということです。つまりクロマチックが「すべて半音」に対して音程間隔は倍になります(「全音」と「半音」の違い確認してください)。ということは、12/2=6 でスケールを構成する音は6音ですし、スケールの音の並びはクロマチックが1つなのに対して、ホールトーンは2つになります。

これを譜面で確認するとこんな感じになります。

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いきなりシャープとかフラットとか出てきました。混乱しますね、、、。なので、キーボードの絵面でその並びを確認したいと思います。また上の譜面と対比するとシャープ、フラットの位置、がよくわかると思います。

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さてホールトーンの音列、実際に弾いてみてください(今回あたりからキーボードを持ってくることを推奨します。iPadのアプリでも僕みたいにピアニカでもいいです。3オクターブくらいの鍵盤があって自立して音がでれば最高です)。どこかで聞いたことがないでしょうか? ホールトーンを使った誰もが知ってる(年代差はありますが、、、)有名なフレーズというと「鉄腕アトム」のオープニング曲の始めのSE(イントロ?? SE的ですよね、、、)に使われているのがこのホールトーンです。

このホールトーンはキーボードで見れば解るようにCから始まる音の配置、C#/Dbから始まる音の配置、の二種類しかありません。つまり、C, D, E, Gb, Ab, Bb の各音から始まるホールトーンは全部構成してる音が同じですし、Db, Eb F, G, A, Bから始まるホールトーンも構成してる音は同じです(記号はフラットで書きましたが#でなんと言うのかは自分で確認してみるといいと思います)。

さて、このホールトーンを使ってメジャースケールをあるルールを使えば12種類どの音から始めても弾くことができます。そのルールとは、、、

・ホールトーン1を3つ弾いたら、ホールトーン2に乗りかえて4つ弾く(さらに続けるならホールトーン1にまた乗りかえて3つ弾いて、、、)
・ホールトーン2から始めた場合の乗り換えポイントも上と同じ3つ弾いて、乗り換えて4つ弾くの順

です。これだけです。楽でしょ??? 是非12キー(つまりクロマチックの音数だけドレミファソラシドはあるわけです)全てを弾いてみてください。下の図を使って考えてみると解りやすいと思います。

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さてこのとき「乗りかえている場所」をいつものCメジャースケールのときの音名で考えてみましょう。ホールトーン3つということは「ド、レ、ミ」です。で、そこで乗りかえると次の音は「ミ」に対して半音の音、つまり「ファ」になります。Cメジャースケールで半音関係になって並んでいるのは、「ミとファ」「シとド」です。つまり、ホールトーンを乗り換えている箇所というのはそれぞれ「ミとファ」「シとド」の半音関係のところになっているわけです。

さて、このルールでDb, D、、、と12音すべてのメジャースケール試しに弾いてみてください。二つのスケールから12個のメジャースケールが簡単に導きだせることがわかります。これがサラサラできれば、いつどんなキーにだって移動できるはず!! です。

というわけで、次回からいよいよコードの解説になります。

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