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【医師解説】免疫チェックポイント阻害薬の効果を左右する腸内細菌について

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、一部の患者に画期的な効果を示す一方で、効果が見られるのは限られた割合です(2〜4割程度)。

治療効果に影響を与える要素として、腸内細菌が注目されています。これまでの研究では、腸内細菌の除去によりマウスでICIの効果が低下し、糞便移植によって効果が増大することが報告されています。

腸内細菌が腸管外の免疫応答を強化するメカニズムはほとんどわかっていませんでしたが、今年発表された研究では、ICIが一時的に腸管の炎症を引き起こすことで、一部の腸内細菌が腸から出て腫瘍の近くのリンパ節に移動し、免疫細胞を活性化させることが明らかになりました。

また、抗生物質の使用により腸内細菌が減少し、ICIによる免疫反応が低下することも確認されました。

これからは、ICIを選択する患者に対して、腸内環境を整えるための食事や生活習慣の指導などのサポートが重要となります。


青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範


【参考文献】

Yongbin C. et al. Immune checkpoint blockade induces gut microbiota translocation that augments extraintestinal antitumor immunity. Science Immunology, 2023

・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。
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