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【医師解説】NKT細胞標的治療について ・治療方法について

NKT細胞標的治療はまず、採血を行うことから始まります。採血といっても、献血や健康診断のような注射器で血液を抜き取るわけではありません。

患者さんはベッドに横になった状態で、静脈から採取した血液を専用の機械で循環させます。人工透析と同じように全身の血液を遠心分離機に数時間かけて白血球の中から単球を分離させ、特定の成分だけを取り出します。

このように必要な成分を分離する採血を「アフェレーシス」といいます。

分離した単球はすぐに専用のビニールの袋にパッキングし、理研の細胞調整センターに届けられます。細胞調整センターで、単球を加工して成熟した樹状細胞にαGalCerを結合させます。

製剤が完成すると、凍結保存された状態で医療機関に届きます。アフェレーシスをしてから医療機関に製剤が届くまでに要する時間は約2週間です。

戻ってきた樹状細胞は使用する分だけ解凍し、点滴で投与していきます。副作用はほとんどありません。患者さん自身の細胞なので、アナフィラキシーなどのアレルギー反応が出る可能性は低く、安全性は高いといえます。

入院の必要はなくアフェレーシスを含めて日帰りの治療であることも、患者さんにとっては負担が少ないのでメリットといえます。

届いた製剤は4回に分けて投与します。2回目以降の投与は、患者さんの状態を見て時期を調整して行います。基本的に1週間以上は間隔を開けて投与します。

効き目は体内で8~9カ月持続し、保存期間も冷凍状態で約1年は有効ですので、患者さんの状態によっては期間を空けて投与することも可能です。


青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範


参考文献
・谷口克監修「NKT細胞標的がん治療とは | 新しい免疫療法の臨床試験と期待」
・理化学研究所「記憶免疫機能を持つナチュラルキラーT(NKT)細胞を発見 | 長期間生存し、2度目の抗原侵入に強力に反応―」2014年8月9日
・伊東信久:がんと闘うN K T細胞標的治療

        
・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。

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