運転免許の欠格期間とは
自動車の運転をしていると、交通事故を起こしたり法律違反をしたりして、運転免許証の取り消し処分を受けてしまうことがあります。免許取り消しとなった場合、再取得が可能になるまでには一定の欠格期間が設けられており、すぐに再取得できるわけではありません。仕事や通勤で自動車の運転が欠かせない人の場合、非常に困った事態となってしまうため注意が必要です。今回は、免許取り消し処分の詳細をはじめ、欠格期間の仕組みについて解説していきます。
欠格期間とは?
運転免許証は、一度取得すれば永遠に効力を発揮し続けるわけではありません。交通事故や違反などを起こすと免許取り消し処分が科され、自動車の運転が認められなくなってしまうのです。免許の取り消し処分を受けた場合、「すぐに再取得すればいい」と考える人も多いでしょう。ところが、免許の取り消し処分を受けると「欠格期間」が発生し、最短で1年、最長で10年間は免許の再取得が認められなくなるため注意しなければなりません。欠格期間はすべてのドライバーで同じではなく、免許取り消しの前歴はあるか、あるなら何回処分を受けているのか、交通違反などの累積点数は何点かなどにより、それぞれ年数が異なります。
また、交通事故や違反が一般違反行為なのか、それとも特定違反行為なのかによっても基準が異なるので注意が必要です。ちなみに、自動車の運転が認められなくなる処分としては、免許取り消しのほかに免許停止もあります。免許停止は、交通違反など過去3年間の累積点数が一定点数に達したとき一定期間免許の効力が停止されるというもので、行政処分としては免許取り消しより軽いものです。免許停止は一時的に効力がストップするだけなので、その期間が経過すれば元通り自動車を運転することができ、もちろん欠格期間も発生しません。
免許取り消しは、交通事故や違反以外で免許取り消しになってしまうケースもあります。たとえば、統合失調症やてんかん、再発性の失神、重度の眠気の症状をともなう睡眠障害や認知症など、運転に支障が及ぶおそれのある病気が判明した場合です。ほかにも、事故で手足を欠損するなど安全な運転が難しい場合、アルコールなどの中毒者であると判明した場合なども、同様に免許取り消しとなる可能性があります。このような病気などによる免許取り消しであれば、欠格期間は発生しません。さらに、取り消しから3年以内に症状が治まり、免許を再取得する場合は学科試験や技能試験が免除されます。
一般違反行為と特定違反行為の違いとは
免許証の取り消し処分を受けてしまった場合、どれくらいの欠格期間になるのか気になる人も多いでしょう。欠格期間を決めるうえで、重要なポイントとなるのが「一般違反行為」と「特定違反行為」です。免許取り消しの対象となった行為がどちらに該当するかにより、欠格期間が大きく変わるので注意しなければなりません。一般違反行為とは、信号無視や速度超過違反、シートベルト着用義務違反や駐車違反など、比較的軽い交通違反行為のことです。
特定違反行為とは、主に運転殺傷や酒酔い運転、危険運転致死傷や麻薬等運転、救護義務違反といった重大または悪質な行為のことです。運転殺傷とは、自動車を運転することで人を死亡させたりケガをさせたり、建物などを破壊したりするものです。これは交通事故や病気などによりやむなく起こしてしまった場合ではなく、自分の意志で故意に行った場合が該当します。酒酔い運転は、アルコールの影響によって正常な運転が難しい状態で運転していた場合です。実際に交通事故など被害が発生していなかったとしても、酒酔い状態で運転しているだけで違反となります。
危険運転致死傷は、自動車を運転することで人を死亡させたりケガをさせたりした場合、麻薬等運転は麻薬や大麻、覚せい剤などによって正常な運転ができない状態で運転した場合です。救護義務違反はいわゆるひき逃げのことで、ドライバーが交通事故を起こして人に被害を与えたにもかかわらず、法律に規定された措置を取らなかった場合が該当します。
免許取り消しとなる違反点数
免許取り消し処分が決定するのは、交通事故や違反を起こした際に科される違反点数が一定基準に達したときです。違反点数が低いものであれば、違反をしたからといって即免許取り消しになるわけではありません。ただし、重大な違反や悪質性の高い交通事故などを起こした場合、違反点数も高くなるので1回ですぐに免許取り消しになる可能性もあります。このように、免許取り消し処分には累積違反点数が大きく関わっていると覚えておきましょう。
免許取り消しの対象となる違反点数は、累積で15点以上に達したときです。ただ、15点以上という基準は免許取り消し処分を受けたことのないドライバーが対象であり、前歴がある場合はその回数に応じて点数も変わっていきます。ここでいう前歴とは、過去3年以内に免許取り消し処分を受けた回数のことです。前歴回数には、免許取り消しだけでなく、免許停止処分を受けた回数もカウントされるので注意しておきましょう。過去に同様の処分を受けておきながら、何度も免許取り消しに該当する交通事故や違反を繰り返すドライバーには、より厳しい処分を科さなければなりません。このため、前歴回数が多いドライバーほど低い累積違反点数で免許が取り消しとなります。
前歴回数が2回以上になった場合、前歴なしのドライバーなら問題ないような軽微な交通事故や違反でも、すぐに免許取り消しになってしまうケースもありえるので注意が必要です。対象となる前歴回数は、最後に科された免許取り消し処分が終了してから1年間にわたって無事故無違反だった場合、カウントがリセットされて0に戻ります。つまり、前歴が2回以上あるということは、毎年のように免許取り消しとなるような交通事故や違反を繰り返していることを意味します。悪質性の高いドライバーと判断され、より厳しい基準で免許取り消し処分が科されるのも仕方ありません。
前歴回数がないドライバーは、累積違反点数が15点以上で免許取り消しとなります。これに対し、前歴が1回のドライバーは10点以上、2回であれば5点以上、3回以上になると4点以上で免許取り消しです。仮に、違反点数が13点である0.15~0.25mg未満の酒気帯び運転をしたとします。この場合、前歴なしのドライバーなら15点に満たないため処分を科されることはありません。ところが、前歴が1回以上のドライバーの場合、13点の違反であればその時点で免許取り消しとなります。このように、前歴と違反点数は免許取り消し処分に大きく影響するため、十分に注意しなければなりません。
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※情報引用元 I.S.免許センター 免許の匠
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