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小5下第17回 いろいろな立体の求積 学習ポイント

第17回は積み木を様々な形に積み重ねる、立体をくりぬく、回転体の体積と表面積を求めるといった、多くの種類の立体図形の問題に取り組みます。

どの例題も重要ですが、特に補足解説したい問題は例2、例4、例5、例6です。長いので、見出しから必要なところに飛んでお読みいただければと思います。

例4、5、6の求積問題は難関中、最難関中入試における頻出問題ですので、少々難しいですが何度も繰り返し練習していただきたいです。

例2 積み木を積み重ねた問題

(1)
手順1:真上から見た図の下に、正面から見える個数を書きます。
手順2:真上から見た図の中に、積まれている個数を書きます。

数が分からない部分がアとイの2ヵ所あります。
最低どちらかが2個あれば、正面から見たときに2個積まれているように見えます。

アが2個の場合→イは2個か1個(0個だと真上から見たときに形がなくなるのでダメ)
イが2個の場合→アは2個か1個

つまり、ア+イ=3もしくは4になることが分かります。

(2)
積み木の個数が一番多いときなので、アとイどちらも2個ずつある状態です。

真上から見た図の1つだけで考えづらい場合は、上下、左右、前後から見た図をそれぞれ描くとイメージしやすくなります。
1つ描くのに5秒ほどですから、描くことで速くミスなく計算できるのであれば描いた方がいいと思います。

※ 上・右・前から見た図のみ書いてます

例4 立体を2方向からくりぬく問題

偏差値55以上の学校では頻出問題です。
面倒だと思わなくなり、一発で正解できるまで練習してほしい問題です。

(1)
解き方:くりぬく立体の体積を求めて、全体から引きます。

底面が十字のくりぬく立体の求め方は複数あります。
①十字を底面積として、高さ2cmをかける(予習シリーズの方法)
②くりぬいた2方向それぞれについて体積を求め、ダブっている部分を引く(写真の方法)
③立体を求められる形に分解して計算し、足し合わせる

どの解き方でもいいので、複雑な図形を見たときに体積を求める方針を立てられることが大切です。

(2)
解き方:全体の表面積からなくなった部分を引いて、出てきた部分を足す。
出てきた部分は、さわれるようになった部分と考えてください。

なくなった部分は前後と上下の正方形の形です。

出てきた部分は底面が十字の立体の、くりぬきはじめの部分以外のところです。ない部分を「穴」と書いています。

前後、左右、上下について、それぞれ図を描いて、抜けもれがないように拾っていくことが大切です。

頭の中でイメージするだけでなく、目に見えるように描くと、長さの拾いまちがいが少なくなります。

また、同じ形を2回くりぬく問題以外に、直方体と円柱など別の形をくりぬく問題も出題されます。
形が変わっても解き方は同じで、前後、左右、上下についての図を描きます。

例5 比を使って回転体の体積と表面積を求める問題

このnoteでは、円すい台が、大きな円すい全体の何分のいくつかで考える方法を紹介します。

(1)
上の小さい円すいと全体の大きい円すいは相似なので、体積比を求めます。

三角形の相似を使って、相似比(長さの比)は1:2ですから、体積比は1:8です。
全体の体積が8、小さい円すいの体積が1なので、円すい台は7です。
円すい台の体積は、全体の8分の7です。

大きな円すいの体積を求めて、8分の7をかけると円すい台の体積が求まります。

(2)
同様に、側面積も面積比を使って求めます。

相似比は1:2ですから、面積比は1:4です。
全体の側面積4が、小さい円すいの体積が1なので、円すい台は3です。
円すい台の側面積は、大きい円すいの側面積の4分の3です。

例6 正方形をつなげた図を回転させる問題

(1)
体積を求める場合、半径の長さが変わらなければ、上下に動かすことができます。
移動させて、求めやすい形にして計算します。

上の図の移動方法で、移動させる前の図を回転させた立体と、移動させた後の図を回転させた立体の体積が等しくなることのイメージ図です。(↓)

上に出っ張っている円柱を切り取って、下から空いているところにはめ込んでも体積は変わりません。

※ 一方で表面積は変わります!
外から触れる部分が少なくなります。

このような複雑な回転体の表面積を求める問題は、四谷大塚偏差値60以上の学校で頻出です。(例えば、慶應中等部でほぼ毎年のように出題されています。)

回転した立体図形を描かずとも、軸の片側にある平面図だけで素早く求められるようになりたいです。

この問題は予習シリーズのように比を使っても求められますが(その方が速いです)、
三角形や半円を回転させた問題にも対応できる方法を紹介いたします。

上下の底面積外側の側面積内側の側面積に分けて求めます。
外側と内側の側面積は、番号や記号を書いて整理すると、抜けもれがなくなります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

文責: かやもり(https://twitter.com/kayamoriedu)


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